…とゆーワケで、どうにもこうにも微妙な印象を抱いてしまいました「征地球論」でございます。
何でしょうね、明確にコレがアカンねん!と思えるワケでもなく、でもコイツがヨカッタ!と感じたワケでもなく…なんかこう…まぁまぁ…みたいな(おい)。
基本的な作りは原作と同じといってイイと思います。
調査対象が少年から少女に替わっているだとか、原作にあった人間以外の生物に対する言及の件が無かったり、テレビジョンの説明の部分が無かったり、原作では悪い仲間とタバコを吸ったり無免許で車を運転したりしていた部分が無くなって、割と普通の少女である事になっていt…あれ?
意外と違ってるな、コレ(え)。
とはいえ、宇宙人の視点から科学的客観的に人間の生活とゆーものを風刺するという話は同じです。まぁ、そこが変わったら跡形無くなるってハナシですが…。
ではオレはいったい何にピンと来ていないのかと…しばし考えます。
原作と違うのが許せないわ!ウッキー!なんてコトでモヤッとするほどボクもピュアじゃないのですが…でも、おそらく、きっと、もしかしたらその原因は…微妙な毒気の抜け具合だったのやもしれません。
勿論、作品自体に「毒」はあったと思います。何せこの話はドラマでもストーリーでもなく“風刺”なのですから。“絶望先生 in SF”みたいなモンです(え)。
人間の社会やその生活を全く違う既成概念を持つ宇宙人の目から解体して見る。F先生お得意のSFによる視点切り替えってヤツですねん。
だから当然そこには社会や人間の生活がいかに滑稽であるかという毒気が溢れていてしかるべし。
で、ボクの言う毒気の抜けた感じというのは作品トータルではなく…地球人の調査対象とその周辺に関してなのです。
原作だと悪い仲間に誘われてタバコを吸ったり無免許運転車に乗り込んで事故死したりしていましたので、コレをそのまんまテレビ化するのは確かにちょっと難しいでしょうね、うん…。
今回のドラマにおいては、化粧は濃いけど別に不良少女というわけでもなく、彼氏に別の女がいたと思ってビルの屋上に行くけど、叫んでスッキリという…とてもフツーの娘になっているわけです。
まぁ、出来るだけ普遍的な人間である方が正しいというのは分かるんですけど…あまりにフツー過ぎて逆にとっかかりがないというか…。
自殺する気は無かったけどスベッて死んで、その後彼氏が二股していたというのが勘違いだと分かってヨカッタヨカッター…。
…てそれ、あまりにあまりに滑稽過ぎではないかと。
凄くバカバカしいというか、なんじゃそれというか、特に「はぁ?」て思うのは、高校生のクセにペアリングを、しかも彼女の親の前で何の照れも無く渡しているヤローだったりするのですが…。
何だかドラマとしてパンチ無いなぁ…て思えてしまうんですけど、もしかしたらこの滑稽さが狙いなのかもしれないのですよね。
風刺というのはそもそも滑稽に見せる事ですから、少女本人は真面目な青春のつもりでも、それが実はどれだけ滑稽であるかというのをこうして見せているのかもしれないという…そうか、つまりこのオレがモヤッとしている感情こそが侵略宇宙人達の感じていたそれと同期するのか!
コ、コイツは何てメタな仕掛けなんだ!!(え)
そういえば宇宙人の声がテリー伊東さんと、このドラマシリーズの各監督さんたちだったのですね。
宇宙人ではあるものの、神目線で人間を観察するという今回の話にあって、実際にテレビを作っている演出家という神様が声をアテるってのは、なかなか面白い趣向だったと思います。
…面白い趣向だったとは思いますけど、ボクは素直に声優さんの方がヨカッタです(ちょ)。
いやぁ…狙いはとても分かるんですけど、どうしても素人さんの声だから、観ている最中に気になる気になる…。
話を観る上ではとても邪魔でしたね(うわ)。
そこは演出的な狙いよりも、視聴者への優しさの方にしてほしかったな…うん。
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