■こいつは俺だ! by菊千代(え)不老不死の力を得、絶望の力を見せ付けんが為にプリキュアさん達にカゲマンを放つデスパライア。
以前よりも力を増したカゲマン・改にプリキュアさん達は苦戦。
プリキュアの要であるドリームさんに目をつけるデスパライア様。
「絶望」と同時に「現実」の象徴でもあるデスパライアと、「希望」と「夢」を背負ったキュアドリーム、その直接対決。
「現実を見ろ。どちらにせよ、お前たちに勝ち目は無い!」
あまりに強大で大いなる力を持った「現実」の前では、自分の中にしかないちっぽけな「夢」など、到底敵うものではありません。
では、「夢」というモノは常に「現実」の前に屈して来たのでしょうか。
「そんなことない! 現実なんて変えてみせるもん!」
「現実」の前にある「夢」の非力さも確かに事実です。
でも、いつだって「現実」は「夢」に動かされて来たのです。現実とは、夢に近づく為にこそ変わる事が出来るのですから。今、目の前にある現実だって、かつて誰かの夢によって出来たモノのはず。
ならば、夢によって現実を変えられる事もまた事実。
夢と現実は相反する存在ではなく、その名を変えた同じモノでしか無いのかも…よ?
デスパライアは老いから来る恐怖や不安に震えていた。
それは心を持っている証拠。誰もが同じように感じていること。
誰もが怖いと感じている。
でも、仲間がいれば平気。
どんな恐怖や不安、絶望も、仲間がいれば希望が生まれる。
この番組が一年間ずっと描いて来たテーマが、デスパライア様の口から言葉となって紡がれる。最終回らしいぜ。
どうすれば希望が手に入るのかを聞くデスパライア。
不老不死になれば、それが手に入ると思っていた。
だけど、胸の中に巣食う絶望は消えない。
デスパライアは誰よりも希望を求めていた。
希望の力を誰よりも信じていたデスパライアは、夢原のぞみと同じだったんです。
夢と現実が同じコインの表と裏のように、二人もまた希望の力を信じた同じ者同士。
その両者の違いは、仲間の有無…
デスパライアにも信じ合える仲間がいたなら、きっとのぞみのようになれた筈だったのですね。
仲間の存在、たったそれだけの事がとても大きな違いなのです。
でもそれに気付いた時、ナイトメアにはもう誰も居なくなっていたのです… おしまい(え)
カワリーノさんはデスパライア様に不老不死となってもらう事こそが正しい道だと信じていた。他の誰にどう思われようと、それが彼の希望…。でも、それが違っていたのだとデスパライアに言われ、カワリーノは絶望の闇に堕ちて行く。
絶望の総合商社ナイトメアにあっても、やはり希望の存在がなければ何も出来ないという矛盾ですね…。
カワリーノが消え、本当に仲間が一人もいなくなったコトでデスパライア様の絶望の力が暴走し始める。あぁ、こんなことなら仲間=希望に気付かない方が安定してたのに(え)。
かなり急ぎ足ですが、デスパライア様を倒すのではなく封印という方法で決着をつけたプリキュアさん。
そんな能力あったっけ?という素朴な疑問をスルーしつつ。
現実をぶち倒して夢が勝った!という一義的な話に落ち着くわけにはいかんのですよ、プリキュアは。ふふん。
■のぞみとケモノデスパライアの精神攻撃。
もういいんだよ…と、ドリームに優しく話しかける小々田。
でも、これはあまりに今更ですね。
24話の花畑空間に合わせて、のぞみのココへの信頼を利用しているというのは分かるのでありますが、この一年間培って来た絶望、信頼、経験などを考えると、今更こんな手に引っかかるワケがないというか。
てか、最終回でやる攻撃にしちゃ弱すぎるですよ。
まぁ、正直ね。
先週の時点でやる事はほぼ終わってしまっているんですよ。
どんな絶望にあっても希望を持ち、仲間を信じて立ち上がったプリキュア5! ←明らかに色んな意味でここがクライマックスですよ、ええ。
だから、先週と同じような事をまたやられても…ね。引っかかるわけ無いし、もし引っかかったならドリームさん頭悪すぎるし。
あのクライマックスを先週のラストにして、カワリーノ撃破は今週の最初に終わらせるてしまうってカタチの方が構成としてはスムーズに運びそうだなぁと感じるんですが…あぁ、でもそれだと尺が足らなくなるのか…難しいな。
「ドリームはどんな時も前向きで、未来の為に今を頑張る素晴らしい人だココ」
「みんなを大切に思うココの優しさが、私に前へ進む力をくれるの」
やはりのぞみも今を大事にするイマジンなんだなぁ…
のぞみとココ。第1話で出会ったふたりの関係。
だからこそ、この番組のキャラクターの中で最も根幹に位置する関係性。二人とも、互いの支えがあったからこそ今まで頑張ってこれた。
友情とは違いますが、この辺はやはりプリキュアとしての「ふたり」を描いているんですよねぇ。
そう、やっぱりプリキュアはふたりなの!
「だから私は、ココが大好き」
遂にその言葉を言うのね、のぞみ。ふたりの関係性を消化…昇華? して、ハッキリさせるに至ります。
まぁ「ふたり」の関係が今までの友情じゃなくて…愛情? なのが、個人的にはこそばゆくて堪りません。
ボクはあくまで燃え展開希望なもので、えへへ…
のぞみの夢はココみたいな先生になるコト。
この辺は気持ち良く予想したところに収まってくれます。
ぶっちゃけそうなんだろうなぁ…と視聴者は薄々勘付いていましたしね。
人に希望を与え、希望へ誘い、子どもとガチで同じレベルになって追いかけっこをする夢原さんは、きっとイイ先生になれるんだろうなぁ…(え)。
■最終回…です…ねそれにしても作画がなぁ…
最終回のクオリティじゃないよなぁ…
そりゃまあ言い出したら切りが無いんだろうけど…製作陣もこれが最終回だと微塵も思っていないってコトなんだろうかねぇ。あは…あはは…
一年間の大目標“パルミエ王国の復活”に関しては、コレットで安易に叶えられるよりも、国民が努力して自分たちで作り上げるというカタチになって良かったですね。
未来の為に今を頑張るというのなら、復興事業という大変な今をちゃんと認めなければならないのですから。
デスパライア様が不老不死になっても結局絶望からは抜け出る事が叶わなかったコトのように、コレットで願いをかなえるコトなんて、最初から出来はしなかったのです。
希望という名の花は、努力という土の上でしかツボミを開く事は無いのです。
よし、いいコト言った、オレ。
変身解除して、拳ではなく話し合いでデスパライアとの決着をつける展開も最終回らしくて素敵でした。
拳でどちらが正義か決める時代は終わったんですよ。
拳よりも言葉の力が人を動かせるのだという、とても現代的決着の仕方で好きです。
あぁ、でもそれやっちゃうと来期の最終回でやる事なくなるんじゃ…いや、まあ、今から心配しても仕方ないんだけど。
ただ、その…封印という展開にいきなり舵を切られたのが、ちょっとね…。
デスパライア様はのぞみの言葉で改心してしまったので、本来ならばそこで終わってしまいます。
しかし、娯楽作品として最終回のカタルシスを作り上げんが為、多少無理が出ても盛り上げる必要性に迫られて、絶望の力が暴走したという展開に至ったのでは…という、そんな無茶苦茶感を感じてしまうんでありますな。うむ。
だもんで、その辺はいきなり過ぎてカタルシスとかあまり無くて、最終回としてのクライマックスと思うと、ちょっと控えめ…かなぁ。う~ん。
ド凄ぇー!とか、悶えるー!とか、そういう強烈さはあまり無い最終回ではありましたが、この一年間やって来たコトに対しての終局、やるべきコトはちゃんとやったなという気はします。
別に、これで来週から全く別の新シリーズが始まったとしても、それはそれで成立してると思います。特別、来期に投げたコトも無く、五人全員自分の夢を見つけるという綺麗な形で終わるコトが出来たのではないかと。
まぁ、増子美香とかおタカさんとか、ブンビーさんとかブンビーさんとかブンビーさんとかが出ていない寂しさも感じますが、あまり最終回らしくしない、その辺が第一期最終回としてのバランスなのかもしれませんしね。
てゆか、ブンビーさんはマジであれでおしまい?
あれならプリキュアに倒された方がまだ笑えたのに(え)。
■来期の略し方は「GoGo!」でイイのですか?来期もあるので、あまり意味が無いかもしれませんが、「Yes!プリキュア5」の番組全体について少し。
「ふたり」から「5」になった事で、“友情”よりも“仲間”というテーマを全面に押し出したシリーズでした。
それは非常に安定感のある運びで、ブレる事も無かったし、成長劇としての側面も今まで以上に強く、5人の関係性がどんどん強固になっていくのがまさにテーマを体現していました。
しかしその… あまりに安定感があり過ぎて、フォーマット準拠な話が多かったのも事実です。
そのフォーマットに沿って作れば、あまりに変な話が出来る事はありません。でも、そのフォーマットにがっちり固められ過ぎて、既視感のある金太郎飴みたいな話が出て来てしまったりもしました。
勿論、フォーマットは非常に大事なモノではあるんですけれど、一度それを強固に作り上げたならば、今度はそれを破壊する作業を行ってほしいんですよ。作って壊して作って壊しての繰り返しでバランスを取るとともに、その中から新しいモノが出来ると思うんですけどねぇ…。
要するに、もっと変な話が多くても好かったなーって。
イケメン幽霊とかシンデレラとかの話なんか、テーマ性なんて特に無かったけど、とにかくぶち壊してやるぜ感はありました。
43話なんかもフォーマット準拠のようでそれを破壊していたりする部分も感じて楽しかったけど…いや、でもあれは演出が好かったから?
その固い感じの一因として、仲間内感が強すぎるってのもありますね。
「仲間」がテーマだからというのもあるんでしょうけど、話をレギュラーメンバーだけで回し過ぎなんですよ。
そりゃあ、レギュラーキャラが多くて、レギュラーだけで話の展開が出来るというのもあるんでしょうが、その分他の人が全然絡んで来ないので、非常に狭い人間関係の中だけで物語が進展してしまっているのですよ。
ついでに言えば、何度か言及してますが、世界観の広がりの少なさもそれに関連している事象ですかね。
もっと家族や他の友人なんかとも絡ませる事で、話のバリエーションも世界観もグッ広がると思うんですけどねぇ…。この辺は来期、構成に余裕が出たりすればそれも可能やもしれません。MHの時のように。
「Yes!プリキュア5」というのは、夢原のぞみが自分の夢を見つけ出すまでの一年間を描いた物語だったんでしょうかね。
プリキュアにならず、ココにも出会わなかったなら、のぞみは今でも自分の夢を見つけていなかったかもしれません。
来期は、5人が全員自分の夢を見つけた上で、その夢の為に今をどうするのかという物語になるわけですね。それはそれで…中学生にしては優等生な5人の話になりそうで、ちょっと心配。
てか、りんかれの夢が…うん。
この二人の場合、花屋と音楽家という親の仕事が明確に語られていた存在だっただけに、親の跡を継ぐという選択肢をどちらか一人でもチョイスしてくれても好かったのではと思う次第であります。
まぁ確かに、親の跡を継ぐという選択では、予定のレールに沿っただけで、本人が自ら選び取ったという印象は薄くなるやもしれません。でも、一番近くで親の背中を見ていたからこその憧れ!というドラマは結構熱いと思うんですよ、マジで。
5人中1人ぐらいいてもイイと思うんだけどなぁ…。
正直、アクセサリー職人よりは、よっぽど説得力あると思う(え)。
なんか…来期があると思うと、どうやってまとめればいいのか分かりません。え、いや、別に自分の文章構成力の問題を人の所為にしているわけでは…無い…よ? うん、ごめん。
まぁいいや。
どうせここまでちゃんと読んでる人間なんて誰もいないだろうし、まとめてないのはいつもの事さ(爆)。
とにもかくにも、何やかんやで楽しい一年でしたよ。
間違いなくね。
「Yes!プリキュア5」という番組、それに携わった全ての人々、またその番組を通じて弱小ブログに足を運んでくれた皆々様に心より感謝の意をお伝えいたします。
「みんながいる――」
「なんでも話し合える仲間」
「私を迎えてくれる人たち」
「大切な仲間」
「親友」
Yes!プリキュア5ありがとうございました!来期はもっとレモンさんの話を増やして下さい(え)。
か、勘違いしないでよね!
べ、別にお気に入りってワケじゃないんだから!
とりあえずネタにしやすいってだけなんだからね!
新シリーズの始まりが楽しみですね。
え、明日? ご冗談。
⇒
プリキュア5 各話レビュー
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コメント
終わりと始まり
そのおかげで、私は最終回を観て、なるほどっと思えました。いつ観ても安心して見ることができるってのは、私のような人にとっては大切です。
GoGo! の初回がもう明日ですね。とりあえず、いつものように第1話は見ようと思ってます。
2008/02/02 20:09 by いかちょー URL 編集
◇コメントありがとうございます!◇
シンプルさや王道はプリキュアシリーズの特徴ですものね。
これがいきなり、プリキュアが13人になって互いに殺し合わなければならない!とか言われたら困りますしね。
え、明日から新シリーズ?
おかしいなー、最終回のレビューを今日書き終わったばかりなのに、もう明日だなんて…
どこかでタイムトリップでもしたのかなぁ…
2008/02/02 21:25 by TJ-type1@管理人 URL 編集
略し方は・・・
2008/02/03 09:23 by nationwise URL 編集
◆コメントありがとうございます!◆
なにぃー!
じゃあ、これからプリキュアが車に乗って戦ったりだとか、ロボプリキュアとバイオプリキュアに二弾変身するという展開が!!
そして最終バトルでは、何故か世界観の違う筈の歴代プリキュアが総登場!!
あ、それはちょっと見たいっす…
2008/02/03 17:46 by TJ-type1@管理人 URL 編集
TJさんと同じく、世界の狭さや、りんかれの扱いは不満ですけど、とりあえず、それを踏まえて(清濁併せ呑む感じでw)あの最終回を見ると、いい最終回だったと思います。
良いんだけど、コレに納得すると新シリーズで皆どうされちゃうの!?って不安はありますよね(笑)
なんとなく、555の最終回は凄い大バトル最終回で、「一期の最終回は何だったの?」みたいな事を言ってそうな気が(^^;)
新シリーズ第1話面白かったみたいですね。
まだ見てないので楽しみです。
2008/02/03 23:38 by 黒森コウ URL 編集
◆コメントありがとうございます!!◆
良い所と悪い所が…そうですよねぇ。話の部分部分もそうですし、作画とか演出とかも素人目に見て差があり過ぎるって…どうなんでしょうね。
この最終回も来期があるという前提で見ているから、それなりに納得いっているだけなのでは…という素朴な疑問もありますしね。えへへ…
555の最終回が超絶バトルというのはリアルにありそうで怖いです。でも、そっちの方が個人的には好きだったりします。
テーマ? はーん?知ったこっちゃねえ!
真っ赤に燃えた魂が俺の心を揺さぶりさえすれば、それでいいんだ!!(グオオオオ)
2008/02/04 00:44 by TJ-type1@管理人 URL 編集