fc2ブログ

Yes!プリキュア5 #43「こまちの決意とナッツの未来」


うわぁ~…
もう、だんちっすね。演出段違いっすよ。
シリアスもギャグもバトルも濃密に積み込まれ、全員に見せ場があって、カッコ良くて面白くて可笑しくて。
どうしてこれを20分強の時間内に全部入れられるんすか。

また、ゲスト演出だからこそ、ちょっとフォーマットを崩した感じを出せているんでしょうか。期待値をひょいと超える出来だなぁ…。
ちくしょー面白いぜぇ…。
■わたしは光♪

今回の演出では、光と陰の演出がとても強調されていました。
ざざーっと見ていくと、それは「未来」のメタファーな気がしないでもないなぁと思い立ち、「光=未来」の線で今回は勘ぐってみたりします。

アバン。
ラストシーンの執筆が進まない事をかれんに話すこまち。
自分とナッツの姿を投射したその小説、その書けないラストシーンは、ナッツとの別れを受け入れたくないこまちの気持ちの表れです。

そう話しながら歩くシーンでは、町並みに太陽の光が途切れ途切れにされています。
別れという未来を感じながらも、それを受け入れたくない、直視したくないという、葛藤するこまちの心なのですね。

また、図書館でかれんに気持ちを打ち明けるシーン。
熱に浮かされたようだった気持ちを表現したいと思って書き始めたものの、書く内に夢が叶えばその人は遠いところへ旅立ってしまうという事を、より切実に、よりリアルに感じるコトになり、別れというラストを受け入れられない自分に気付く。

この時、こまちはずっと顔を下に俯かせていて、光を、未来を、自ら受け入れられていない状態になっていたりします。

さらに公園でナッツと話す件。
みんなは自分の事を心配しているのに、自分は分かれたくないという自分の事ばかり考えていたコトへの自己嫌悪を抱えるこまち。

堪えているのにどうしてもポロポロと溢れ出てしまう涙という描写をやってのける作画も気合の違うシーンですが、ここのこまっつぁんもやはり俯いています。

そして、ハデーニャさんとヌリカベさんによってシールドを破られ、ナッツも気絶してしまう件。
何も守れない、何もしてあげられない自分の弱さに苦しみます。

ここでもまた俯いているわけですが… てか、なんでいつも、こまっつぁんメインの話は、こまっつぁんが(特に精神的に)ズタボロにされる話ばかりなんでしょうね。こまっつぁんでノー天気な話とか無理なんでしょうか? のぞみみたいに…ハクシュッ

顔が下を向いていては、相手の顔は見えません。
それは相手とのコミュニケーションの拒絶を意味し、逆に言えば自分の内に入っている、自分を見つめている行為というコトでもあります。
そう考えると、今回のこまちは始終、俯いて自分の事ばかり考えているわけですが、んまぁ最終的には「自分の為なのは悪いことじゃない」という結論へ導かれ正当化されるので、こまっつぁんが自分勝手であるという否定にはならないという救済があります。ほぅほぅ。

とはいえ、ミントさんの必殺技は防御。
「守る」という行為は、自分ともう一つ別の、人でも物でも何か別の何かが存在して、初めて成立する行為です。
他者がいて初めて自分も存在意義を持つ「守る人」にとっては、他者に何も出来ない、何もしてあげられないというコトは自分の存在意義を揺るがす大問題なのです。
だからこそ、自分の事ばかり考えていた自分への自己嫌悪も強い。

でも、パルミエ王国復興という夢はみんなの夢でもある。
だからこの戦いは、ココナツミルの為であると同時に、自分達の為でもある。人の為は自分の為。
人の為に何かするのは確かに尊い事です。
でも、だからって自分の為に何かする事が浅ましい行為なのかといえば、決してそうではない。
人の為も自分の為も、結局は繋がっていると説く事で、こまっつぁんの自己嫌悪を解放してあげます。

ちなみに、未来が見えない、光が見えないこまっつぁんの顔を上へ向かせたのは、図書館の時もバトル時もかれんさんだというのが、何ともふたりの絆を表している気がするんだよなぁ。
こまかれこまかれ。

ヌリカベさんの腕を、天高く真っ直ぐ駆け抜けて行くドリームさん。
彼女は光の射す方へ、自分の未来へ真っ直ぐ突き進んでいる。
その姿を見て力を取り戻すミント。
ナッツがのぞみを見習うよう言ったのは、アホっぽくノー天気に、という意味ではなく、こういう真っ直ぐな疾走感の事なんでしょうねぇ。
ルージュさんも一緒に走ってはいたけど、特にミントさんの眼中にはありません(うはっ)。

自分とちゃんと接してくれた人と向き合う為、どんな未来が来てもちゃんと受け入れられるようにする為、顔を上げて戦わなければならない。
最後、図書館で本を運ぶこまちは、窓から射す光に自ら顔を向けています。
どんな未来でも受け入れる決意が出来た、こまっつぁんは少し強くなったという事なのだと思います、ふむ。


■こまち最強伝説

他にも、ハデーニャさんが逆光でプリキュアさんの前に現れたのは、未来の前に立ち塞がる障壁という意味を持ち合わせているように感じたりして、勘ぐれば勘ぐるだけ結び付けられそうな気がして、そんなノリ代の多い演出が素敵です。面白い回の時はさらに脳みそがプラスに動きますしねぇ。

何というか、演出が西尾さんという事で、期待通りというか…いや、期待以上の回になっていましたね。
こまちメイン回にしては作画も可愛いかったし(ちょ)。

何よりミントの格闘センスが素敵過ぎます。
腕だけで全ての攻撃を受けとめたり、シールドの応用のミント砲とか。この人、実は一番強いンちゃいますのんか?
久しぶりに惚れ惚れするような漢ッぷりをプリキュアに感じました。
満足満足、わふ~…

プリキュア5 各話レビュー
関連記事

コメント

映画とはまた違った戦闘でした。

 こんばんは~TSです。体調は治られたでしょうか?
この時期色々こぜわしいのでお気をつけて。
 
 相変わらずトラバとばないのでコメントさせてもらいます。
さすが!西尾さんといった戦闘でバトルがらしかったですね。
映画のダークミント戦の方が個人的にはよかったのですが、
書かれているように、障壁を打ち破ると考えるとらしいのかなと。では~。

◇コメントありがとうございます!◇

>TSさん
ご心配おかけします。
体調はとりあえず良くも悪くも普通に戻りました。
日曜日はテキスト書くだけで精一杯で…もうイラストなんて付けなきゃすぐ更新できるのに!というジレンマに襲われました。てゆか、今でも抱えてますけど。

西尾さんは確かに凄かったです!
実際「無印」「MH」のシリーズDとはいっても、各話演出には殆ど顔を出していなかっただけに、今回のように実力を見せ付けられると「流石!」としか思えません。
ちょくちょく演出ローテに入ってほしいなぁ…なんてーのは高望みなんでしょうね。

TB、FC2さんはSo-netさんも全排除してしまうようして。何とか上手いこと出来ないものなんでしょうか…FC2さぁん
非公開コメント

トラックバック

Yes!プリキュア5 第43話こまちの決意とナッツの未来。

朝日放送 | Yes!プリキュア5 こまちは、ナッツのことが好き改めてそう感じました。小説の主人公がこまち 自身のことで少年はナッツ。この小説は2人のことなんですね。 ハデーニャ、カワリーノからあの黒い紙を渡されそうになりましたが、ハデーニャは それを拒否、

Yes!プリキュア5 第43話

「こまちの決意とナッツの未来」 脚本:村山功 演出:西尾大介 作画:奥山美佳 美術:井芹達朗 「こまちが変われば、ラストも変わる。・・・小説のはなし」 小説のラストシーンで行き詰まっているこまち。見かねて「ナッツに相談してみたら・・・」と言うかれんに、こ

Yes!プリキュア5 #43

自分とナッツをモデルにした恋愛小説に、こまちは行き詰まってしまいました。そんな時、デスパライアから黒いカードを渡されそうで本気になったハデーニャがやって来ました。今回は、...

Yes!なプリキュアレビュー(「こまちの決意とナッツの未来」・43話)

小説のラストシーンで考え込むこまちさん。題材がナッツとの恋愛というノンフィクションなだけに、パルミエ王国が復興したときなど、ナッツとの関係が気になってしまいます。そして、今回はそんなこまちさんが見つけた答えと大活躍をみせた、恋愛的、ギャグ的な話でした。...

[Yes!プリキュア5]Yes!プリキュア5第43話感想&備忘録「こまちの決意とナッツの未来」

 小説を書くことで「ナッツとの別れ」を意識した事で、自分の「醜い心」の意識や、恋、夢、友情、全てについての「未来への不安」に波及し、無力感まで感じてしまった秋元先輩が、親友の水無月先輩やナッツの言葉や、夢原さん達の一生懸命な姿に、「未来」へと立ち向かうお

Yes!プリキュア5 第43話 「こまちの決意とナッツの未来」

パルミエ王国に見切りをつけ、ムツゴロウ王国を視野に入れ始めたココとナッツ。 全編SNT(スーパーニヤニヤタイム)だ!こらぁぁぁぁぁぁぁ!! 今週のプリキュアで一週間分くらいはニヤニヤしましたよ! ニヤニ

Yes! プリキュア5 第43話 こまちの決意とナッツの未来

のっけから鬱なこまちさん。 もう、ナッツのことで頭がいっぱいです。 かれんさん:「ナッツに相談してみたら?」 図星すぎる。動揺するこまちさんの様子から、事情を察するかれんさん。 伊達に歳くってません。 ナッツハウスでは、ナッツが熱心に読書。 ナッツ:「パル...

Yes!プリキュア5 第43話

今回はこまちが小説の今後の展開で悩む話。 その小説のモデルを考えればそれは当然自分の今後の悩みなんですよね。 中身も良かったですが作画と戦闘が絶好調、とくにミントとアクアがもう熱すぎました。 いつもとノリが違う感じで、随所で笑わせていただいたもの。 ...

Yes!プリキュア5 第43話 『こまちの決意とナッツの未来』

いつもご覧いただきありがとうございます。当サイトは全力で『現実逃避』した結果、『Yes!プリキュア5』をはじめとするプリキュアさんを応援しています。インプットとアウトプットが連結しないのは仕様です。 番組開始前。 涙目になるくらい必死の絨毯爆撃をするタカラ

Yes!プリキュア5#43「こまちの決意とナッツの未来」

う~~~んう~~~ん、どうしようこまちは、書いている小説のラストシーンをどうしようか迷っていた。それは少年と少女が別れるシーン。少女はその思いを言葉にしないが、少年に気持ちは伝わるというもの。だがこまちは、本当の言葉にして伝えた方がいいのではないかと悩...

Yes!プリキュア5 43話

私はここで退場なの!? 進退窮まったお姉さんコンビ、こまち心の叫び! ……ウソです。もう一人の恋する乙女、その決意をとくと見ろ。 ハデーニャさんが吹っ飛びすぎの43話です...

こまちの決意とナッツの未来

☆トラックバックさせて頂きます☆こまち、覚醒!凄かった、何もかもが凄かったとしか言えませんでした。流石かつては無印・MHの監督を務めた西尾大介さんの演出、鳥肌が立つほどの爽快感がありました。大体今日の脚本が良く出来てる!シリアスとギャグという素材を上手く...

こまちは大変な小説を書いてしまいました。

いやぁ~、今回のプリキュア5はレビューが書き難い内容でしたわ~。 こまちさん、この前のうららちゃんが演技に悩んでいる時に、ケリがついたんじゃなかったんですか?やっぱりこ...

Yes!プリキュア5(第43話)

今回は秋元のラブ、一周間空けて夢原ってことですかね。 今回はとってもかわいかったですが、ところどころ表現(表情)が行き過ぎのところがあって、若干興ざめ、ってとこでしょうか。 秋元ははっきり自覚していて、水無月もなんとなく誰のことかわかってて、もしかした

Yes!プリキュア5#43 .

 今回もこまちさんがメインです。しかし、番組当初、緑色で年長組、しかも「癒し」特

「YES!プリキュア5」 43話目

 プリキュア達が歌って踊って。 ドリームライブにはまってる管理人です(^_^;) いやもう、小さなお子様に混じってやってますよ、楽しいですねー。ゲーム自体はお子様でも出来る程度なんで単純なんすけど、なんか楽しい

Yes!プリキュア5 第43話 総括

 今年もあと半年、街中ではクリスマスや年末に向けて騒がしくなってまいりました。アニメの方もまた然り、クライマックスや新作に向けて様々な憶測が飛び交っております。今回はそ...

Yes!プリキュア5 第43話「こまちの決意とナッツの未来」

今回のお話は、こまちさんが小説のラストで悩むというお話でした。 また、小説を書いているこまちさん。ところが、ラストが上手く書くことができなくて、お悩みモードでありました。ナッツさんに相談するように言われるも、自分と彼がモデルなので、はずかしいので、こ...

Yes! プリキュア 5 (Pretty Cure) Web漫画

いや、もう、別のアニメかと…(^^; 映画 Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険! アニメコミック

カレンダー

プルダウン 降順 昇順 年別

03月 | 2023年04月 | 05月
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -


LATEST ARTICLE

CATEGORY


CATEGORY TAGS

LINKS



魔法つかいプリキュア! Go!プリンセスプリキュア ハピネスチャージプリキュア! ドキドキ!プリキュア スマイルプリキュア! スイートプリキュア♪ ハートキャッチプリキュア! フレッシュプリキュア! Yes!プリキュア5GoGo! Yes!プリキュア5 ふたりはプリキュアS☆S ドラえもん 動物戦隊ジュウオウジャー 仮面ライダーゴースト 手裏剣戦隊ニンニンジャー 仮面ライダードライブ 烈車戦隊トッキュウジャー 仮面ライダー鎧武 獣電戦隊キョウリュウジャー 仮面ライダーウィザード 特命戦隊ゴーバスターズ 仮面ライダーフォーゼ 海賊戦隊ゴーカイジャー 仮面ライダーOOO 天装戦隊ゴセイジャー 仮面ライダーW 仮面ライダーディケイド 侍戦隊シンケンジャー 仮面ライダーキバ 炎神戦隊ゴーオンジャー 仮面ライダー電王 獣拳戦隊ゲキレンジャー 仮面ライダーカブト 轟轟戦隊ボウケンジャー 仮面ライダー響鬼

これまでの記事