■社内紛争未来から社屋ごとやって来たクライアス社さん。
御社曰く、時間を停め、考える事をやめれば、苦しみから解放されるのだと。
それに対して、プリキュアさんが抗うのは勿論、元社員の皆さんも反旗を翻す。
元クライアス社の皆さんは、失敗した方々。
プリキュアさんを倒せなかったコトが失敗なのか、そもそもクライアス社に勤めたコトが失敗なのかは置いておいて、とにかく皆さん、今の方が伸び伸びと幸せそうにやっております。
失敗した人、プリキュアさんに救われた人が、今度はプリキュアさんの助っ人になって現れてくれるという少年漫画的熱血展開。
同時に、プリキュアさんの愛が伝播することで、ヒーローのバトンを受け継いでいけるというテーマでもある。
現行プリキュアさんのバトンを受け継ぐのは次世代の女の子だけではない。
イイ齢をしたおっさんもおばちゃんも、ヒーローになれるのです。
愛は幻想。見えないし触れることも出来ないけれど、信じた者にとっては確かに実在するモノとして現れる。
愛とか、夢とか、希望とか、未来とか…信じる事でしか存在出来ないモノ。
ただま、ビシン君の視点で見れば、ハリーやビシン君の身体を改造したトラウムさんが今更そんなコトを言うかねという恨み節も分かるのだよね。
だからこそ、改造ネズミにされてしまったハリーが、その事実を受け入れると話す事、許しが必要になる。
失敗も、嫌悪も、憎しみも受け入れる。
今話前半はプリキュアさんがあまり介入せず、大人組だけでまとめている。
そして後半。
クライアス社にカチコミをかけたプリキュアさん達は、社長の繰り出す攻撃を次々食らう。
しかしそれは社長曰く、人間自身が行っている現実の残酷さの象徴に過ぎないのです。
凍えさせたり、縛り付けたり、人の心や未来を締め付けるのは同じ人間同士。
だので、それはプリキュアが戦っても解決出来ない。プリキュアが戦っても無意味なのだと、前回に引き続いて社長は訴える。
だから、時を停めて苦しみから逃れればよいと。
しかして、「あきらめない」コトでお馴染みのプリキュアさんは、苦難を前にしても未来を諦めないのだと高らかに宣言する。
弱気になる野乃さんを周りが励ます、エールを贈るコトで野乃さんも復活する。応援の方向が逆転したコトで、野乃さんと皆さんとでエールの交換が行われたことになる。
今話前半は、大人組が過去の失敗や後悔の出来事を受け入れる話。
後半は、子ども達が未来を諦めないと誓うお話。
過去の経験を多く持つ大人と、これからの未来を進む子ども達と、テーマを分け合いつつ昇華させるという構成になっておりますな。
過去を受け入れる話はプリキュアさんだけでもやろうと思えば出来る話ではあるけれど、元敵役の話にする事でテーマが分かり易くなるというのと、クライ社長の言う「プリキュアに世界は救えない」「王国は崩壊する」コトへのアンサーにもなっている。
プリキュア以外の方々に愛が伝播していくことで、プリキュアが介入しなくても世界は救えるのだと提示してくれる。まぁ、後半でやられていましたが…次回頑張ればイイ…はず。
■野花と暗い雨そんなこんなで次回は女子中学生と社長の一騎打ち。
予告を見るに実質最終回っぽいノリなので、最終話はまたクロスオーバーなのかしら。
⇒
プリキュア 各話レビュー
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