■2話■6話■7話何度も行われていたはずのループが7話のラストで突如途絶えて、神楽ひかりが転入するルートに入る。
これは、それまでトップスタァになった大場ななが願っていたのは「第九十九回星翔祭(に至る日常)」なのだけど、この話の最後のレビューオーディションにおいて大場ななは「第九十九回(ry」とは言っておらず、キリンの言葉を繰り返す形で「誰も予測できない運命の舞台」と言っている。
つまりその瞬間に「第九十九回星翔祭」へのループは途切れて、大場ななの知らない新しい舞台が始まったコトになる。
大場ななはキリンがループを改変したのではとか、ひかりが外部からやって来たからではと推測しているけれど、実は自分自身が「予測できない」舞台を願った結果だからというコトになる。
これは9話で、大場なながループしながらも変化を願う、進化し続ける舞台少女だったコトが明かされるトコロにもつながるなぁと。
てなことが9話の解決編で解説されるかと思ったのですが、そうでもなかったです。
■8話■10話これまでの回で光っていなかったクロディーヌの武器に付いた宝石が、最後の最後、真矢を高く跳びあがらせるときにだけ光っている。
これまで打倒・天堂真矢と言いながら、今回、天堂真矢をもっと高く跳びあがらせる為に自分の煌めき(武器)を手放し、その瞬間に最も輝いてしまっている。
真矢が1番、自分が2番手でいるコト、そしてそれが最も輝いていると自ら受け入れている。
かたや、ふたりで一緒に飛び、自分の煌めき(武器)を手放さず最後まで戦い抜いた華恋とひかりとの対比。
そこに勝敗を分けるだけの差がある。
そして何度見ても真矢様の「かわいいですよ」で噴く。
■11話8話で神楽ひかりがオーディションで敗北しても全てのきらめきを奪われなかったコト。
8話で読まれた華恋からの手紙では、主役への意欲があったのに時系列的にその後である1話では消えていたこと。
11話で他の皆は何ともないのに愛城華恋のみ舞台へのきらめきを失っていたこと。
子どもの頃に「運命の交換」と称して髪飾りを贈り合った華恋とひかり。
この際、お互いのきらめきの一部も交換されていたと考えられる。
いわば、互いにきらめきのバックアップを残しているというか、共有している状態。
だから、ひかりがイギリスのオーディションで敗北しても、華恋が預かっていたきらめきによってひかりのそれは一部守られた。
一方、失われたひかりの大部分のきらめきと共に、華恋の一部のきらめきも消えた。だから主役への意欲が後退していた。
同様に11話で、本来ならきらめきを奪われていないはずの華恋がそれを失っているのは、ひかりのそれが奪われている影響を受けているからだと解釈し得る。
であれば、この二人にとっては「ふたりともきらめきを失う」or「ふたりともスタァライトする」のどちらかしかありえないというコトなのだろうなー…。
てなことを考えている。
■最終話「鍋」ってのは「一人で作れない舞台」の象徴であり、「みんなで」食べるモノの代表格でもある。
プリキュアとかで「みんなで食べるオムライス」だ「ハンバーグ」だ言われるけど「それなら鍋か焼肉だろ!」と思って来ただけに「鍋」はあまりに正答。
「鍋」があまりにテーマに則す使われ方をされていて胸アツです。
これは1話で全員が違うモノを食べていた事との対比でもありますよね。
「レヴュースタァライト」は、9人の少女が一つの鍋を囲うまでを描く物語だと言っても過言ではないです(過言)。
そんなこんなで一つの大団円へと辿り着いた物語。
星を掴むために目指す物語は、自分の煌めきを見つける物語。
本当に掴むべき星は空に浮かぶ二つの星ではなく、自分のすぐ横にあった。
自分の原点、ポジション・ゼロに。
少女たちが塔を目指す話でありつつ、その実、全てはポジションゼロに回帰するようになっている。
9人の少女が自分の煌めきを掴む、スタァライトされていくのですが、それはいずれも自分の原点(ポジション・ゼロ)に立ち返るコトで、自身の煌めきを思い出すという構成の中にあったのです。
ただし、それは懐古主義ではいけない。
懐古主義になれば、それはループしてしまうから。
失踪した神楽ひかりを見つけ出す時も、ヒントを与えたのは戯曲「Starlight」という原典(ポジション・ゼロ)。
そして原典からの再生産、再解釈によって新たなステージを作り出して活路を開く。
♪ 運命の輪 舞台の上で 踊らされている わけじゃない
いやはや見返すと「星のダイアローグ」の歌詞は最終話そのまんまって感じですね。
タロットカードの「塔(正位置)」は「崩壊」を意味し、「逆位置の塔」は「再生」を意味する。
敗北し、地べたに落ちる事で原点に立ち返る。それによって「再生産」する事が可能になる。
アニメ作中でも、「上に登る」事より「下に落ちる」事の方が作中善として描かれている印象です。
華恋の飛び入り参戦や再生産BANKは勿論ですが、10話の真矢クロ戦でも「上へ向かう真矢」と「下へ落ちる華恋」で勝利をもぎ取ったのは華恋でした。
もっと言うなら、敗北した者から順に憑きモノが落ちてスタァライトされていく話でもあった。
「落ちる」コトが肯定的に描かれているのです。
舞台と言うのは同じ演目を何度も行いますが、全く同じ舞台というモノは一度もない。
失敗すれば次の公演では失敗しないようにと心がける。
失敗を糧に、燃料にしてもっと強くなる。
進化する。
再生産されていく。
基本“ブシロードの犬”な僕なのですが(ぇ)、それはどちらかというとブシロが行うビジネスモデルへの面白さに食いついている人間なので、作品内容についてツボに入るのは珍しいかも。
特撮クラスタとしても、構成厨としても、大変楽しませて頂いた三か月でした。
ありがとうございました。
とはいえ、この後に舞台とゲームが待ち構えており、世界観はさらに拡大再生産されていきます。
「バンドリ!」のような百合厨の福祉施設になれるのか…そこが個人的にキーポイントです。
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