■Mermaidフィギュアスケートの大会で優勝を手に入れた輝木さん。
次の目標へ向けて決意を新たにする中、さっそくの猛オシマイダー襲来。
エトワールさんとハリーはオシマイダーの中に吸収され、人魚姫のVR空間へと閉じ込められてしまう。
人間の王子に恋をした人魚姫は、人間になる薬を飲んで王子に近づくが、それは願いが叶わなければ泡になってしまう危険な薬。
王子の一番の相手になれなければ、人魚姫は消えてしまう。
実際の「人魚姫」のお話では、声を失った上に泡になるというとてもリスクの高い賭けを強いられる。
王子は自分の命を救ったのが隣の国の王女だと思い、人魚姫は泡になって来てしまう…という悲恋のお話。
ドラえもんが口を出してハッピーエンドにする話を思いだすわぃ。
今回の作中では「王子の恋人になれなければ」ではなく、「王子の一番になれなければ」という但し書きになっている。
つまりこれは、輝木さんとハリーさんの片思いの行方と同時に、フィギュアスケートにおける一番(優勝)の事を指している。
恋と夢の行く先を「人魚姫」の物語で暗示して、結構多重的構造。
王子役のハリーには元の記憶が無く、素直に王子を演じている。
その中で、ハリーには最も大切な想い人が他にいるコトを知らされる。
ハリーには他に大切な人がいる。
だから輝木さんもビシンも、ハリーの一番にはなれない。
叶わぬ想い。失恋。そんな辛い思いをするならば、そんな想いは無かった事にすればラクじゃないか…と海の底へと沈められる。
沈んだ海の底で聞こえてくるのはエールさんの声。その応援を受けて再び跳びあがる。
辛い思いをして動けなくなっている時も、仲間の応援があれば動き出すことが出来るのだと。
輝木さんもビシン君も、ハリーに想いを寄せるが叶わないという意味でよく似ている者同士。
自分の心を消したり、ハリーの想い人を消そうとしたり、辛い思いは消してしまえとするビシン。かたや、辛い思いもそのまま一緒に抱きしめて連れていくとする輝木さんなのです。
上述の通り、これは片思いの失恋に対する語りだけでなく、スケートで思わぬ結果が得られなかった時のコトも示唆している。
負けて辛い思いをした際、初めから夢など抱かなければと思うより、その辛さも一緒に抱えて進んでいこうじゃないかと、そう描いている。
童話の世界をモチーフにしているので、もっとカオスなお話になるかと思いましたが、予想外に真面目だし、「人魚姫」に対して多重的にテーマを重ねていて上手い事出来ております。ふむぅ、なるほど。
■Rat失恋(?)に至って泣きじゃくるビシン君と、慰めるリストルさん。
リストルさんもやはりネズミだったのでした。まだ出撃もしてないうちにリストルさんは何とかなりそうだな感が出てしまった…。
次回は…若宮アンリ君のお話…?
まさかのメイン回?
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プリキュア 各話レビュー
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