■暴れたいファッションショーのモデルをするコトとなったアンリ君から、同じくモデルをしてくれないかとお誘いを受けるルールーさんと愛崎えみる。
パリまですってんころりんしてしまう危惧を抱えつつ、その誘いを引き受ける事に。
不安が増長しやすい愛崎さんをルールーは応援するという。愛崎さんと一緒だからルールーさんも新しい事にチャレンジしてみようと思えた。
かたや愛崎さんの方は、ルールーならモデルも卒なくこなせるだろうと信じている。
互いに相手の事は信じているが、自分の事は信じられていない。
ショーのテーマは「女の子だってヒーローになれる」。
「女子だって暴れたい」は「ふたりはプリキュア」の企画書ですが、まさかそれをファッションショーにしようなどとは…具体的にどうやるのか大変気になります。
いざ当日、ステージに上がらんとする愛崎さんの元へあのお兄さんがやって来て、「女の子はヒーローにはなれない」と言い放つ。
その言葉に再び「怒る!」ルールーさんですが、ルールーさん自身もまた「アンドロイドはプリキュアになれない」と思っているので、お兄さんのその言葉を否定できるだけの理屈を提示出来ない。
愛崎お兄さんの言った言葉はルールーさんの言葉でもあるから。
かたや素直に怒るのは野乃さん。
誰の心にもヒーローに憧れ、そうなりたいと願う心はある。「誰かの心を縛るな」と。
そう、「心の中の宇宙は誰からも自由」なのです。
「女みたいな恰好をして」と笑われても意に介さず、自分のなりたい姿になってみせる若宮アンリ。自分の心に制約をかけるのは人生の無駄だとすら言ってのける。強い…。
若宮アンリという人は、「誰かの為」ではなく、いつも「自分の為」に行動するキャラクター。自己愛、自己本位でもあるけど、それだけに自分の心を一番大切にしている人でもある。
初登場時はそれこそ野乃さん視点では「敵」役のポジションでもあったけれど、今回は圧倒的に力強い「味方」として描かれている。
面白いなーと思うのは、彼自身の心理は初登場時も今回も「自分が第一」であって、そこは殆ど変化していないのに、まるで敵から味方になったように映るというコト。
自分だけ煽られている時は言い返していないのに愛崎さんが居る時には言い返していたり、崩れる瓦礫から愛崎さんとルールーさんを守ったり、「誰かの為」の行動を見せているので、彼もまた野乃さんからの影響による変化はあるのかもしれない。
けれど、彼の本質的なテーマである「自分が一番大事」という部分は揺るいでいない。
内心ではなく、ちょとした立ち位置の変化だけで、ここまで力強い味方になり得るのかと思えて大変面白い。
誰に何を言われても自分を愛せよと若宮アンリ。
自分の事を信じられていなかったルールーと愛崎えみるに必要なモノ、それが自分を愛する心。
それによって、ようやっとなりたい自分の姿を信じられるようになる。
作中登場するキャラクターの中で自分を愛せよと率直に言えるのは若宮アンリしかいないんですよね。プリキュア氏3人はなんやかんや自分に自信が無いドラマを抱えているし。
若宮アンリも愛崎えみるも、えらく重要なポジションになっているのですね。そして一条蘭世さんの活躍は果たして今後あるのか否か…?
今回のお話、初代「ふたりはプリキュア」のコンセプトを、より直接的に描いてやろうという気持ちが溢れています。
愛崎さんのお兄さんが、いかに作中悪とは言え、あまりに直球に時代錯誤な感覚である風に思えたのも、この話の為だったのか! と納得が活きました。
「女の子だって暴れたい」「心の中の宇宙は自由」といった15年前から続くコンセプトを、「ダメと言うばかりでもダメ」なのだと今作の育児ネタと絡めつつ、新たな「ふたりはプリキュア」の誕生に合わせて、改めて提示して見せている。
その為、愛崎お兄さんというキャラクターは「アンチプリキュア」を体現したようなキャラクターになっていたってなワケですね。
要するに鳴滝のおっさんみたいなもんですね(ぇ)。
そのアンチの気持ちもハグするのはプリキュアらしいところ。
ディケイドはまだ鳴滝とハグ出来てないからな…。
「ふたりはプリキュア」の企画書を物語化したような…というか、ややメタ的にプリキュアシリーズの存在を描いたお話ですね(メタ大好きおじさん)。
シリーズ15周年だし、あえて立ち返って「ふたりはプリキュア」のテーマ性を描いて見せてくれていたりするのでしょうかね。
だから追加も「ふたりはプリキュア」なのかしら。
しかし、「プリキュアになりたい」と本人が決めて成れるもんなのかな…と思わないでもないですが、今作のテーマ的には「なりたい」と思う事こそがクライマックスなので、「なりたい」と思った人は成れるもんなのかな、そうかそうか。
しかして、プリハートは残り一つしかありません…。
とりあえず…ジャンケンですね…。
■35億初登場のクライアス社幹部ジェロスさん。
ネーミングは「ロスジェネ世代」からのようですが、ルールーさんが把握していない人、“LOST GENERATION”、そして未来から来ているといったコトなどを鑑みると、「存在しない未来・歴史」からの使者の可能性はなかろうかと思えたり。
失われた歴史…やはりクライアス社は歴史改変マシーンを完成させていた…?
といったわけで次回は新しいプリキュアさんが登場。
ギリギリまで誰が資格者か分からないです…果たして誰が…。
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プリキュア 各話レビュー
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