■SWORD前回、サイボーグ001よろしくにパワーを使い切って眠ってしまわれたはぐたんさん。
その責任は自分にあると感じる野乃さんはプリキュア業務を辞任すると言いだす。
薬師寺さんや輝木さんと違い、特技も何もないのだから資格者足りえないのだと。
自己肯定感の失われた野乃さんは母親にその気持ちを吐露。
親から見れば、子どもは生まれてきて笑ってくれるだけで周りは幸せになるのだと伝えられる。それだけのコトで多くに人に幸せを与えられる。
その感覚は、野乃さん自身もはぐたんさんと出会って感じていた。
赤ん坊の柔らかい肉感と笑顔を見るだけで、自分も幸福になる。
何も出来ない、特技が無いので何の役にも立っていないと感じる野乃さんですが、例えば、自ら何も出来ない赤ん坊が世の中に必要ない存在かといえば、断じて否なのである。
意図せざる所で他者に幸福を与えている。
「はなは大人になった」というコトだと母親から評されていますけど、思春期特有の自意識の芽生えによる悩みと同時に、はぐたんと居る事で必然的に大人としての感覚を知ったコトを意味しているとも言える。
薬師寺さんと輝木さんから、改めて野乃はなの良い所を、二人が憧れている所をたくさん聞かされる。
自分の自己肯定力が弱まった際、仲間がいる事で再び還元するコトが出来るのです。
それはプリキュアさんのシリーズにおいて幾度も語られているコトでありつつ、それこそが「応援」という行為であると。
応援はクラウド型バックアップシステムに似ている…(ぇ)。
はぐたんさん復活の為にタワーに向かうと、そこでは吹奏楽部の演奏会が行われていました。前回言われていた、それぞれの音を奏でるという言葉を思い起こします。吹奏楽部の同級生、メインゲスト回も無いし、主人公が憧れるという役割も無いのに、凄く重要なキャラクターです。追加戦士枠、ありえますね…。
それぞれ別々の音が合わさって一つの曲が奏でられる。
野乃さんらは、はぐたんさんに鼓動を効かせることで復活に成功する。
鼓動を聞かせるように抱くと赤ん坊は安心して眠れるという育児スキルに合わせつつ、音≒鼓動≒人間そのもの と定義し、世に要らぬ者などないというテーマを語り上げている。
逃げず、人々の笑顔と元気を守ると決意し復活する元気のプリキュア・キュアエールさん。
想いの高まりから現れた新たなミライクリスタル。さらに登場したのはハリーさん曰くの“プリキュアの剣”。名前そのまんまやんけ。
しかし、それは野乃さんの思うなりたいプリキュア、なりたい野乃はなのアイテムではない。つまり物騒過ぎる。
おそらく前に使っていたプリキュアさんのモノと思われるだけに、前任者は武力行使に躊躇しないタイプだったのだろうなぁ。
頑張れない、才能もない、未来が無いと悲観するチャラリートさんに共感し、その弱った心を抱きしめるキュアエールさん。
弱い心を切り捨てるのではなく、抱きしめ癒す。ハグにはそういう意味もある。OPの映像でもう描いているのだけれど。
エールさんが望むアイテムの姿は、剣ではなく楽器だった。
先に語られたように、色んな音を奏でるその様は、色んな人間が居て良いという世界を表している。切り捨てるのではなく、一緒に奏でる。包み込む。抱きしめる。
思い返すに今回までのお話の流れ、メロディソードさん登場への布石をかなり前から敷いていたことが分かります。今シリーズ自体には音楽というテーマは無いので、メロディソードというアイテムは普通にやればポッと出感がありありになるトコロなのですが、吹奏楽部の彼とかテーマとかドラマとかが全部合わさって、新アイテムのメロディソードという姿に至っている。
ソードという名称なのに楽器という矛盾点すらも全て解消して見せている。かなりレベルの高い構成での販促だと感じます。
坪田さんはこれまで元々サブライター回でも販促の構成が上手ぅございましたので、メインになって更に発揮されている感があります。
ドラマとテーマ、販促が混然一体となった熱さがあって、とても楽しい。構成のクオリティが高い…。
この直後のメロディソードCMで「攻撃!」って言っちゃう台無し感も含めて、楽しい。
これはリアタイ組にしかない楽しみであるなぁ。
■響く剣メロディソードの技でようやっと「HUGっと!プリキュア」という名称を叫びます。何時言うか何時言うかと思っていましたが。
そういえばラスボスとも思わしき気怠い男性も再登場。野乃さんは彼を指して「この前の変なおじさんだ」ではなく、「大人の人」と言うんですけど、あれが野乃さんの思う「大人」という意味なのかしら。
なかなか見ないタイプの大人だけに、野乃さんの中での位置づけが気になります。
次回はパジャマパーティー。
予告からあふれ出る輝木ポンコツ回。
⇒
プリキュア 各話レビュー
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