2018年 01月 30日

平成プリキュア14作目、お菓子のプリキュア落着。


■Kirakira

前回から一年の時が流れ。
各自が自分たちの道を進もうという中において、宇佐美さん以外の皆さんがキラパティを離れる日がやって来た。
仲間が一堂に介し、繋がり合う為の場だったキラパティから、自分自身の夢を追う事で結果ばらばらになってしまう。

世界の人々を繋げるというエリシオさんとの約束に思いを馳せる宇佐美さん。繋げるコトとはどういうコトなのかといえば、宇佐美さんの回答は「笑顔」。
「元気と笑顔」、宇佐美さんにとって「笑顔」は誰かと出会う事で生まれるモノ。出会い、繋がりの象徴。
しかし、世界へ羽ばたくコトに興味を持つも、キラパティの経営もあるので行くに行けないとのコト。
移動店舗だから持っていけば…と思わんでもないですが、町に固定客がついてしまったのだろうなぁ。

みんなが羽ばたいていき、ひとり残される宇佐美さん。
この宇佐美さんのドラマがまだ解消されていなかったと感じられていたのですが、よもやラスボス戦の後に用意されているとは。ラスボス戦よりこっちがメインじゃいと言わんばかりの構成。

第1話、宇佐美さんは帰国する母親の為にケーキを作るも結局帰国が叶わず落胆するというお話でした。
「ウサギは寂しいと死ぬ」なんて有名なデマもありますが、この物語は宇佐美さんの寂しさを埋めるための物語でもあった。仲間が集まって寂しさを埋める中、再び仲間が去って行っても一人で笑顔でいられるようになる変化の話。
宇佐美さんに他メンバーが助けられる話であり、宇佐美さんが最も救われていたりもする。
第1話で母親の為にだけ作ったケーキは、前回48話でみんなの為・世界の為のケーキとなった。世界や繋がりが広がって寂しさを埋めるに至る。

キラパティ経営があるから外の世界へ行けない。
これ「みんなの幸福のために自分が犠牲になる」というコトで、「母親が世のため人のために頑張っているので自分は我慢する」という初期宇佐美さんの状況を表している。
同時に宇佐美さんが母親側の視点に変換されてもいる。
残される子どもの気持ちも、旅立つ母親側の気持ちも、双方分かるから板挟みとなる。

そんな折、2年間放置されていた長老の肉体が突如暴れ出す。
カラッポだった肉体に精神が宿ってしまったらしいとのこと。
エリシオに似た状態と言及されてもいるし、ずっと放って置かれて怒ってるというのは、言って見れば母親に会えずブチ切れた宇佐美さんみたいなモノだとも読める。
最終回は宇佐美さんが救われるお話だので、ブチ切れた宇佐美さんの象徴の方が近いかな。

暴走する長老を制止するのはペコリン以下の謎生物群と、新たなプリキュアさん。
宇佐美さんが育てた(?)者たちが成長したという表れでもあり、メタ的にも次世代を担う存在がバトンを継ぐ様を見せてくれる。
であるから、宇佐美さんは安心してこの町を離れて、自分の大好きを追いかけられると。母親と同様のルートに至りつつ、母親よりも上手く攻略を果たしたのであるなぁ。

キラパティの面子はそれぞれの道を進むコトで離れるものの、同じ想いを共有しているから寂しくない。
キラキラルは互いの心を巡るモノだから、自分の心は相手の中に、相手の心は自分の中に存在している。

宇佐美さんは世界を駆け、その手にはキラパティがある。
スイーツは出会いによって誕生するモノだから、世界中の人と出会い、笑顔を広げようとする宇佐美さんの横にキラパティがあるのは必然なのだ。


ラスボス戦後の最終回にしては重い印象なのですが、唯一(たぶん)残されていた宇佐美さんのドラマを昇華し、次期シリーズの客演もテーマの中で消化させる事が出来ている。
前シリーズ最終回の時も思ったけど、こういう客演は雑に出てくるだけでも充分に面白いのに、結構真面目に本作のテーマの中に落とし込んで登場させていて感心します。
メタ好きおじさんとしてはメタ解釈要素が増えて大変嬉しい。


■a la mode

前シリーズが割とユル目の作風だったコトもあるのか、今シリーズは堅めに作られているなーという印象のままに走り抜けた1年間でした。
キャラクターの変化の話、成長譚にかなり注力しているなと。

しかもそれを6人…いや、キラリン・ピカリオは1セットなので7人ですか。
メインエピソードと7人分の成長譚で1年間みっちりギュウゥッと詰め込まれていたなぁと感じます。
その分、箸休め的な、気の抜けたエピソードが挟まる余地も無かった様子。個人的にはもっと気の抜けた野球回とかが欲しいわけですが、今期はキュウレンジャー野球回が最高だったからいいか…(なに)。

また、個人成長話がメインなのでか、意外と各々の関係性を深めるエピソードが少なかったですね。こんなに関係性を描く話が少ないのはプリキュアというシリーズにおいては結構異色な部分だったのでは…とすら感じるぐらいでした。
この辺も前シリーズからの振り戻りのようにボクとしては感じていた。前作は逆に、成長云々より関係性全振りみたいなシリーズだったし。


「動物」は自分の個性。「スイーツ」は他者との出会い。
自分と他者との出会い、混ぜ混ぜによって新しい自分になれる。
変身出来る。それがプリキュアなのだ。

「動物」と「スイーツ」という結構に無茶なお題でしたが、最終的にはいつもの「プリキュア」に落とし込んでいます。
動物が個性だとか、スイーツが出会いだとか、そこだけ聞いても「なんやそれ、全然関係あれへんやんけ」としかならんですが、1年間かけてそんな無茶な理屈にも筋道を立てて舗装を行き届かせたのだなぁと感慨深い。
いや、改めて見ると「なんだその無茶な理屈は…」だもんな。1年見てるとまんまと騙されるのだ。恐ろしい。


“プリキュア”といえども限界があるので、その存在が波及しなければ世界は救えない――というテーマは「ドキドキ!」ぐらいから描かれていて、以降のシリーズではほぼ代替わりが、あるいはそれに準ずる描写が成されています。

大体において、主人公が他のプリキュアさん・王子様・岡田などといった存在からバトンを受け取り新世代のプリキュアさんになるといったコトです。
そんな「ドキドキ!」から続いているテーマの流れで見てみると、今作の最終回では、主人公よりも新世代のプリキュアさんにバトンが受け継がれるという描写が遂に表れるのです。ダイレンジャーや。

テーマ的にはペコリンがプリキュアになるコトが意義深いけど、ヤパパなる謎生物と新シリーズ主人公が同キャストなのも、庇護される者→プリキュアという流れで同義的に捉えられる。メタおじさん歓喜。

これによって、「ドキドキ!」からおよそ5年続いていた「幸福の王子」解決論は完成に至ったと見れるのではないでしょうかね。
来期も子育て要素があるので引き続き入れ込むかもしれないけれど、ひとまずココで完成に至っているというのは違いないと思います。
感慨深いわい。



てなわけで、大体思いついた事は書き留めたか。
毎年、「思ってたんと違う!」「なんでそうなる!?」とか色々あった挙句「いつもの着地点」に辿り着くお馴染みの感じで今年も楽しませて頂きました。

来期は15周年記念とのコト。
この機こそ歴代変身をば…(毎年言ってる)。

そんなこんなで、「キラキラ☆プリキュアアラモード」を自分なりに整理するレビューでした。
制作に携わった皆々様に感謝です。ありがとうございました。

プリキュア 各話レビュー
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COMMENTS

Commented by アメ猫 URL at 2018-02-03 18:31 #- Edit
Title : 1年間レビューありがとうございました
最終回、自分の中ではうまく言えないけどなんとなくもやっと残るものがあったのですが
こちらのレビューで補完させてもらって納得できました。

第1話での母との話から長老透明化の話の決着、
次作への引き継ぎまできっちり収めたというわけですね。
ただ欲を言えば最後のアニマルスイーツはもう少し個性的なのが見たかったです。
なんか料理にひよこの絵を描いただけみたいなのがちょっと物足りなかったので。

「いつものプリキュア」にすごく同意ですが、ネットの反応を見ると何が悪かったのか、
一部のいわゆる大きなお友達の不興を買ってしまったようですね。
でも個人的には非常に楽しませてもらいました。直近3作品の中では一番好きです。

こちらのレビューもすごく面白かったです。
ハグプリのレビューも楽しみにしています。
Commented by TJ-type1@管理人 URL at 2018-02-08 00:19 #- Edit
Title : ◆コメントありがとうございます!◆
>アメ猫さん
肉弾戦が無いとか、関係性のエピソードが少ないとか、そういう意味ではクセの強いシリーズでもあったかなと思いますね。その辺の好き好きはあるでしょうね。まぁ、プリキュアさんのシリーズは毎年「何か変」なクセがあるのですが。
個人的に最終回足らないと思ったのは、最後のお菓子作る実写パートぐらいでしょうか。なんとか頑張って入れてほしかった。

本当は前回でてきた、地球サイズのお菓子を作ってもらいたかったのですが…。

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