■yo-yoこれまで何度も襲ってきたジュリオなる仮面の人。
勘の良い琴爪さんは、これまでの流れと順番的に、次のメイン回は自分であると察します。
警戒しつつ、琴爪さんは黒樹くんと接触を図る。
黒樹君の分析によれば、琴爪さんは自分の好きなモノが分からない人。
何でも器用にこなせるけれど、それは逆にコレという得意な事が無いという意味でもある。何でも持っているが、何にも持っていない。
琴爪さんのお誘いで、お茶会に参加する事となった一同。
そこで茶道の作法に触れるものの、作法の型よりも大事なのは楽しむ心であると琴爪さんのお婆様から教わる。
琴爪さんはすぐに作法を覚えるけれど、いつも心躍る事をしなはれと言われてはるとのこと。
「型」と「心」。
それは外見と内面を示唆する「美しさ」と「トキメキ」に対応している。
琴爪さんは正直、内面性がよく分からない人なのですが(そういうアイデンティティだし)、「型・美しさ」という外見を繕うのは得意ながら、「心・トキメキ・好き」という内面に関しての自己認識が欠損している人なのかなと、今回のお話では見えてくる。
だけど…というか、だからこそ、本人が求めているのは「心」なんですよね。
いつぞや、剣城さんに「あなた自信はどう思っているのか?」と詰め寄っていたし、今回の話では「自分の悩みも苦しみも自分自身のモノである」(意訳)とジュリオに返している。
つまり、「良きにせよ悪しきにせよ、自分の心は自分のモノでしかない」というモットーの中で動いているのです。
ジュリオと琴爪さんはよく似ていて、だからこそ今回の話で対比させられている。琴爪さんを描きつつ、ジュリオの心を描いている話でもある。ヨーヨーvsアメリカンクラッカー。
何でもカタチをマネ出来るが、心の中は空洞が出来ている。
それを他人の心(キラキラル)を奪って埋めようとするのか、その不格好な心もまた自分のモノであると認めるのか。
今回の話で、琴爪さんは「茶道が好き」なのだと自分の心を少し理解する。
最近のお話(必殺技習得回)では、各自が手に入れた“要素”を他者に与えるという約束があったのですが、それを念頭に見ると、琴爪さんの得たモノ(トキメキ)をお客さんに与えるという行為が、あの茶道流キラパティおもてなしだったのかなと。
他メンバーほど能動的でも無いし、内面性が見え辛いキャラなので、琴爪さんのメイン回は構築も解体も大変そう。
琴爪さんのメイン回で難しそうだなあと思うのは、“ミステリアス”が売りなだけに、その内面性が明らかになってしまうと売りが破綻してしまうのだけれど、しかし内面性を明らかにしないとドラマが描き辛いというジレンマがつきまとうトコロ。
今回もどこまでが本当で何処までがウソなのか分からない。
しかし、「分からない」からこそ成立しているのだ。
■まず用意した大福を…今回のアニマルスイーツは、シロイルカいちごだいふく。
レシピ映像が、既に出来上がっていた大福にいちごを挟むだけだったのが笑ってしまいました。そうだね、大福は買ってくるとラクだね…。
わざわざ各人別のフルーツ(グミ)で作られていたのは、個人個人の心の個性を大事にするという琴爪さんの想いなのだろうか…。
イルカ、この前に出たばかりだし、割と唐突に出てきて、さすがに話に絡ませるの苦労しているな…と感じさせてくれます。
次回は宇佐美さんの心が奪われるお話の様子。
今回、どんな心であれ、それはその人のモノであるというお話を描いたのもその布石だったと言えるのか(まぁ毎週奪われてはいるが)。
⇒
プリキュア 各話レビュー
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コメント
でもだからこそかやはりほかのメンバーの個人回より頭ひとつ抜けておもしろい気がします。
ところで大福の生地って作るのそんなに難しいのかと思って調べたのですが
時間はかかりそうなもののわりと単純な作業っぽかったです。
なんで省いちゃったのでしょうかね・・・
あとイルカじゃなくて前と被らないようにせめて白クジラにすれば良かったのにと思いました。
2017/05/24 19:48 by アメ猫 URL 編集
◆コメントありがとうございます!◆
ゆかりさんの回は捻ってある分、他とは別の楽しみ方が出来るという印象ありますね。
この回も言ってみれば最後に謎解きがあるミステリーみたいなもんですし、いつか名探偵ゆかり回があってもいいわけで(ぇ)。
今回の大福、見た目は顔が丸いのでクジラっぽい印象でしたよね。まぁイルカとクジラに明確な違いはないとも言いますし、研究者によってはクジラ大福であると言う人もいるのかと思われます。
2017/05/30 01:44 by TJ-type1@管理人 URL 編集