ゲーム世界と現実世界を行き来するという設定からして、これまでの春映画以上に複雑なベースを作っているなと感じます。
そのうえ、ゴライダーにアマゾンズ、キョウリュウジャーブレイブといった販促、そしていつもの如く針の穴を通すようなスケジューリングによるキャスティング…と、過去の春映画の中でも最もゴチャゴチャしている印象を受けました。
これは…交通整理が大変そう…。この恨みを晴らすように冒頭で白倉さんが酷い目に合わされていたのかもしれないな…うん。
「超スーパーヒーロー大戦」というゲームは、ヒーローをルーレットで選んでチームを結成して戦うというもの。マイティアクションはマリオ、タドルクエストはドラクエ…じゃあこの元ネタは…と思いましたが、なるほどこれはソーシャルゲームですね。
ガシャでゲットしたヒーローでチーム結成、ボタンを押すと特に脈絡なく名台詞を喋る。うむ、まさにソシャゲーのそれだ!
そのゲームは、かつて飛彩が手術を出来なかった少年エイトの作り出したもの。ゲームの中にいるもう一人の飛彩は、エイトのためにゲーム世界と現実世界を反転させ、ゲーム世界を現実にしようとしている。
ここでどうでもいい情報が脳裏をかすめたのですが、最近のライダーゲームを開発している会社の一つがエイティングっていうんですよね。必要以上にメタに読み解こうとする悪い癖なのですが。
エイティングはジョークにしても、エグゼイドが平成2期の8人目ってトコロからエイトなのかなーという気はしますね。ゲームを作り、そこに閉じこもろうとする少年は、ヤミ落ちした永夢ともいえるわけで。
飛彩は失敗したことが無いドクターなので、作中では「手術できなかっただけ」という風に描いているのですが、医療モノであるという前提で考えると、「手術に失敗して死んでしまった子どもと、それを悔いている医者」と受け取った方が分かり易いのではなかろうか。
ゲームと現実を反転させようとしているのは「ライダー大戦」を思わせる言及で、これはゲームと現実に置き換えてはいるけど、やはり「死者」と「生者」の話なのではと思えてくる。
エグゼイド本編でも描かれているように、ゲームの世界には死は無い。
だからこそ現実で死んだヒーローやショッカーがその中では生きている。
テレビ本編では永夢が医者として死に向き合うコトを描いていたけれど、この映画は飛彩のそれを描いている…のかもしれないなとも思ったり。
とはいえ、やはり例年以上にゴチャゴチャしていて大変そうだという印象が残るのです。過去のヒーローを引っ張り出してはいるけれど、ゲーム内キャラクターなので特にドラマとして必要になるわけでもないし、ゴライダーの色合わせ的な意味合いの方が強いのではと思えてしまう…うん…。
てなわけで、いつも以上に大変そうだこれは…と勝手ながら心配してしまいました。あまりの詰め込みっぷりに、いつか米村さんがブチ切れるのではないかと不安なのだ。
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仮面ライダー 各話レビュー
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