■今週もパーティ魔法界の料理研究家にしてリコさんの母上・リリアさんがやって来られました。リコさんの誕生日を祝う為、家族総出でナシマホウ界まで参上したのです。
しかして、毎年盛大に行われ過ぎる誕生日会が恥ずかしく、リコさんはメランコリック状態に…。
リコさんのご両親は考古学者と料理研究家。
朝比奈さんのご両親は電機メーカー勤務とアクセサリーショップ経営。
前にも書きましたが、両親それぞれに古い物と新しい物、過去と未来のモチーフが使われている。
過去の膨大な時間があって生まれる考古学や宝石の結晶。
未来へ向けて新たな物を生み出そうとする料理研究や家電開発。
過去と未来のモチーフを持った両親から生まれた子ども(みらい・リコ)にも過去と未来のモチーフが与えられ、そこにまた新たに子ども(はーちゃん)が出来るという世代を超えた継承が描かれている。
ふとメタ的に考えると、古い物(伝統)と新しい物(刷新)のミックスで生まれるモノってプリキュアシリーズその物だわなぁって気もする。
盛大過ぎる誕生日パーティでは、豪勢な料理に巨大なケーキが並び、家族からプレゼントが渡される。宝石の原石に、インクでまんねん筆…(関西弁)。
そして母上からはリコさんが子どもの頃から好きだったという絵本の読み聞かせ。
仲良しの二つの星ありけり。
二つの星は強風に引き離されても可視光通信によって心を通わせていたが、両者の狭間に分厚い雲がやって来てそれも出来なくなってしまった。
それを哀れんだ二人の女の子が願うと、雲は消え、両星は再び出会うことが出来た…とのこと。
「二つの星」が魔法界とナシマホウ界で、「女の子」がプリキュアさんを指しているとすると、今後両世界が分断される危機が訪れるというコトでしょうかね。
デウスマストさんが星を消す存在、ムホーの方々が風神や雷神、烏天狗ぽいのは、絵本の中の強風や雲に重ねられる。
初めに「仲良しのふたつの星があった」という書き出しは、もともと両世界はもっと近しい存在だったのだと読み解く事もできますね。
ナシマホウ界における魔法の伝説、それは過去のナシマホウ界では魔法界との付き合いが今よりも活発に行われていた、とても近い存在だったという意味なのかもしれない。
しかし、現在のナシマホウ界にとって“魔法”はもはや伝説でしかない。古(いにしえ)の力。
“魔法”は「過去」のモノ。
とは言いつつ、“魔法”というモノはしっかりイメージを固めていないと発動しないのだとずっと語られている。
今回、リコさんのお母さまが言っている“料理が美味しくなる魔法”も、美味しく食べてもらう相手への“想い”であると言っている。
つまり“魔法”というのは“想い”や“願い”といった「未来」の力でもある。
“魔法”とは「未来」の力。
「過去」と「未来」の両面性を持つ“魔法”の力。
魔法つかいプリキュアさんの基本フォームがダイヤなのは、過去と未来を貫く「永遠」を意味する宝石だからなのだ…と。
敵さんに目を向けると、ドウロクシー様は古代の魔法から生まれたし、ムホーさん達も古代の遺物から出てくるし、「過去」しか担っていないと言えるのか。
「過去vs未来」ではなく、「過去vs過去・未来」という対立軸の中でプリキュアさんの主張が生きるのであると…。ふむ…。
話を戻して。
リコさんにとって恥ずかしい憂鬱だった誕生会も、そこには家族の温かい想いが込められていたのだと理解する。お馴染みの両面性・意味変化。
これによって父・母・姉、リコさんが家族に対して抱えていた劣等感やら寂しさといったモノが、全てポジティブな意味付けに変化したのだとゆーコトとなりますね。
お、終盤っぽい…。
ミトメールされたタンザナイトも、以前のリコさんメイン回でリコさんと同期させられたストーンですし、シリーズ流れの中で一体感あるミトメール。
というか、今回みたいにバトル中にミトメールしてそのストーンを使うという流れの方が、これまでのラストにミトメールするよりも綺麗ではないでしょうかね。
ディケイドのライダーカードみたいなノリで好いと思います(ぇ)。
■世界を繋ぐ魔法界とナシマホウ界の距離が近まっているという新情報も飛び出した今回。
次回からは魔法界とナシマホウ界を日帰り留学しちゃうとの事。
魔法界編、ナシマホウ界編とやってきましたが、二つの世界を仲良くさせた結果、融合世界編がとうとう始まった…のかもしれない。
ライダーだったら戦争が始まる事態。
そのうち、畳を裏返したら魔法界だった、ぐらいのレベルに至るのかしら。
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プリキュア 各話レビュー
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