2016年 09月 29日
人間の可能性は無限大であることを感じる、とにかく大きな器の平成ライダー第17作目。


■世界の終わりと始まり
グレートアイのご褒美によって無事に蘇った天空寺タケル。
死んでいた半年の合間を埋めるのは大変ですが(そういえばほぼ半年間の出来事だった…)、その痛みも苦しみもまた生きているが故だと、生の実感を味わう。

そんな折にタケル達の前に現れたのは、謎の少年アユム。
タケルがゴーストであること、生き返ったことなどを何故か知っている。そして未来に夢も希望も抱いていないという…。

未来に絶望し、世界を変える力を求めて、黒いライダーが持っていた奇妙なカセット型ツールをかっぱらうアユム。
更に、タケルには人間に戻るより世界を変える力を持ったゴーストのままの方が良かったのではないかとまで言う。

未来に絶望しているアユムに、まずは自分の心が何を望んでいるのかを見つけてみようと諭すタケル殿。
とはいえ、いつもタケルがそばで見守ってくれるわけもないと嘆くアユム。
タケルは、たとえ離れていても心で繋がっていると話す。
人と人は出会った事で心で繋がる。
得心したアユムは自分の世界へと帰っていく…。


素直に見ると…この少年は未来からやって来たタケルの息子なんだろうなぁと思える。
父親を求める姿と何故かタケルを求めている姿から推察されるし、何より亡き父親との対話が天空寺タケル自体の物語を繰り返すものになるので、それが今度は息子の世代で起きているのではないかと当然思える。
そうなるとまたタケルが早死にするコトになるが…。

と仮定すれば、それは第1話の回想にあった龍とタケルの関係性との対比になっていて、タケルが今では父親の如く成長した様を見せていると言える。

…という風にも見えるわけですが、個人的にはメタ視点で読み取れる話にもなっていたのがツボ。

「ゴーストのままの方が良かったんじゃないの?」「タケルがいつもいてくれるわけじゃない」というのは、「仮面ライダーゴースト」という番組が終わってしまう事を嘆く子ども達の言葉であるように聞こえます。
世界を変える力を求めたのは、番組終了を回避したいがため。
アユムが大天空寺から走っていくとエグゼイドの敵キャラらしき方々やステージパーツが配置されている空間に彷徨い、「ゴースト」と「エグゼイド」の世界が融合し、徐々に新番組に浸食されている様が見て取れる。

そして、そんな「ゴースト」終了を嘆く子どもたちに、「たとえ番組が終わってもう見れる機会が無くなっても、この出会いを大事に、そして心で繋がっている」と、今まで作中で伝えていたテーマによって諭すタケル。
ラスト、カメラに向かって「未来を作るのは君だ!」と言うのを見ても、この最終回は視聴者の子どもたちに向けて語られていたというのが分かる。

しっかり作中のテーマを活かして子どもたちに語り掛ける話で、メタ的にもかなり良く出来ていて、満足感の高い最終話でした。メタ好きやなぁ…(再確認)。

あえていうとゴーストとエグゼイドの命に関しての会話はMOVIE大戦でしっかり見たかったという気も。いや、大戦でもやるかもしれないけど。
凄く美味しい要素なだけに、もっと見せろという気になってしまう。


■GHOST SERIES

熱血主人公と刑事ドラマというフォーマットを要する「ドライブ」の後を受け、偉人と対話する切ないライダーとして始まった「ゴースト」。

印象としては、正直プッシュするほどの“切なさ”は全体的に感じませんでしたが、「ドライブ」が熱っぽさによって進んでいく話だったのに対し、要所要所ではちゃんと切ないドラマによって展開していた「ゴースト」は、確かに“切ないライダー”だったのかもしれない…。

大まかな印象としては、話が前に進んでいるのか後ろに下がっているのか掴み辛いシリーズではあったかなぁと感じる。
作中、一番の目標は「タケルが生き返ること」なのでそこに向かって進んでいくワケですが、その為に必要な条件はまず“15個の眼魂を集めること”。
というわけで眼魂を回収する序盤はエピソードのフォーマットもあったりしてそこそこ分かり易いのですが、中盤、眼魂が使えずに願いが叶えられなくなった辺りから「じゃあどうすればいいの?」という疑問が宙ぶらりんのままずっと浮かんで、話が進んでいるのか否かが掴みづらくなって来た印象を持ちました。

15個の眼魂を集めればいい→集めたけどダメだった→15人と心を繋げばいい→アカンかった→ガンマイザーとアデルの計画を潰せばいい、という風に一応生き返るために必要な中目標は変化していくのですが、その中目標を達成した事によって大目標に近付いているんだかいないんだか分かり辛かったのではなかろうかとも思う。
だからか、「ずっと同じところをグルグルしてない?」という印象を強く持っていた。

タケルが何度も復活する展開にも、グルグルしているような印象を抱いたかな。復活それ自体はテーマの中で理解できたのですが、何故何度も…。
うむ…難しい…。

だもんで、これはシリーズ構成に集約される事であろうかな…とずっと思いながら見てました。
所謂「シリーズ構成」を司るのは東映特撮の場合、メインライターとチーフPの役割が大きいとの事ですが、メインライターさんは特撮番組初めてだし、チーフPもチーフ初めてのシリーズだったし、そういう意味では詮無いなと思いつつだったというか。
そういえば、一つの番組でメインライターもチーフPも、両者とも初めての特撮番組は珍しいように思う。ふと思い返してみても他に見当たらないのでは…。

などと、一人勝手に納得しているだけですが…。

とかく難しいシリーズだったかなぁと思うのでありました。
ただ、この分かり辛い感じが無性に「あ、昔の平成ライダーっぽい」と思わせる部分もあったのですが…。

色々と妙なコト、不思議なコトがあったけど、まあゴーストはオカルトだしな…という奇妙な懐でもって受け入れてくれるシリーズでした。
ピラミッドパワーが出た時は、これだけあればいいのでは…と思わせてくれたしなぁ。強い。


といったわけで平成ライダー17作目「仮面ライダーゴースト」。

関係各位の皆さまに感謝しつつ、レビューは終了であります。
ありがとうございました。

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Tracked from MAGI☆の日記 at 2016-10-02 19:54
タイトル : 仮面ライダーゴースト 特別編「未来!繋がる想い!」
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