■比丘尼本日の補習は校外学習、やって来たのは人魚の里。
魔法を使う時に重要な発声の授業を、人魚の先生からコーチングしてもらいます。
歌に通じる者は発声にも通じるのね。
人魚の里は海の底にあります。
陸上の人間が行くためには、水の中に入れる魔法をかければ良いとの事。
本来、海というのは数十mで真っ暗になるはずですが人魚の国はとても明るい陽射しを受けている。これはつまりアイザック先生がかけた魔法がテキオー灯と同様、ただ呼吸が出来るようになるだけでなく視力も強化されるというコトなんだろうかなぁ。
この魔法があれば宇宙空間にもいける…話が広がりますわ。
補習内容は自分の声でマール貝を開かせること。
開かせるだけなら、ガスとフライパンとバターと日本酒があれば出来るのですが…方法を指定されてしまいました。
命令しても大きな声をかけてもうんともすんとも言わないマール貝を、如何様に開かせるのか。
そんな折に出会ったのは人魚の少女たち。
人魚さん達曰く、人魚たちは陸の世界を恐れて隠れてのだとか。
たしかに…人魚とか海底人とか、たいがい地上人から禄でもない目にあわされてますもんね…。捕食されたり全滅させられたり…。
そんな人魚さん達に朝日奈さんとリコさんは、別の世界に訪れる楽しさや、新たな友達との出会いの素晴らしさについて布教します。外の世界にはワクワクが溢れているのだと。
朝日奈さん達は巨大な貝にまつわる人魚の里の伝説を知ります。
かつて人魚は陸とも交流していたし、なんと空まで飛べたと言うのです。
しかし、人魚が空を飛ばなくなり、外と交流が閉ざされたのと時を同じくして、巨大な貝は口を閉じたままになったとか…。
明確な理由が伝わっていないのが気にかかる伝説ですね…。
地上人が不死の力を求めて人魚狩りをし出したとかの一説はないのでしょうか(期待感)。
リンクルストーンを求めて人魚の里へやって来たガメッツさん。
ヨクバールを前に恐れを感じるリコさんですが、朝日奈さんと手を繋ぐと心は穏やかになる。
その穏やかな心に呼応して現れたのがサファイアのリンクルストーン。
サファイアスタイルのプリキュアさんは、空も飛べるぞ!
赤いルビーに青いサファイア。
赤は情熱(怒り)、ならば青は冷静…というのが素直なトコロですが、ドラマというのは基本的に感情の熱を上げていく作り方をする為、話としての盛り上がりを「冷静」というテーマで作ろうとするのは矛盾しているので難しい。
「仮面ライダードライブ」で「あまりに怒り過ぎてクールになったぜ」と言って新フォームを出していた時はかなりの裏技で驚いたものです。そう何度も使える手では無いですからね。
といったわけでサファイアの発現をどう表現するのかなーというのが気にかかっていたわけですが、「冷静」ではなく「穏やかな心」というキーワードに言い換えることで、ドラマとしての流れを自然なモノとしていたのは、なるほどぉと膝を打ちました。
ひとりでは恐れもあるけど、ふたりいれば穏やかな心となる。
プリキュアという作品だからこそ成立するやり方で、本来矛盾したドラマツルギーと「冷静さ」のテーマを解消しているように感じた。
鎖国した人魚の国や、閉じた貝を開かせる授業、別々の世界が繋がる楽しさと増える友達…今回のお話がというよりは、これまでの話でやって来た全てが詰まっている結果としてのサファイアという風にも見える。
穏やかな心は閉じた相手の心を開く際に重要になる。
大きな声で脅かしても、命令しても、心は開かない。
魔法にとって声が重要というのは、穏やかな心で話しかける事が重要だという事を言っているのでしょうか。
やはり魔法とは仲間力…なのかな。
■SAPPHIREそんなワケで穏やかに空も飛べるサファイアスタイルさん。
魔法…魔法っぽい! 凄い、プリキュアさんは魔法を使えるのか!!
必殺技はサファイア・スマーティッシュ。包んで宇宙空間で爆死させます。クシャポイ。
まさか花火が伏線だったとは…。
意外とジュンさんの出番が多かったのも気になりました。
いや、居なくても成立しそうな場面に出てきたりしていて、何か意味があるのかなぁと…。
あと、人魚のサブキャラでドロシーって名前が使われてしまっているのも気になる…オズの魔法使いがモチーフのシリーズでその名前はサブキャラに…いや、それとも意外と重要人物なのか…?
次回はペガサスさんとご共演。
リコさんがナシマホウ回に来ると「うへぇ、羽の無いペガサス!」とかいうお話もあるのだろうか…。
⇒
プリキュア 各話レビュー
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コメント
ひろがる海は どんな話をしたいのだろう
(かつて隣国の同胞が軍拡戦争の果てに設置したまま、現在絶賛大暴走中の無人戦闘兵器や地球破壊爆弾や無差別爆散障壁からは目を逸らしつつ)
……いや真面目に、人魚の飛ばなくなった理由が語られていないのは気になるところなのですが。
余裕があったらあとで拾うし、なければないで想像にお任せってところなのでしょうか。
魔法のコツについては、「穏やかな心で語りかけること」
「努力と根性だ」って声を張り上げてたリコさん、根本から頑張り方を間違えてるというオチなのでは……。
ジュンさんが妙に目立ってて、その割にお話へ特に絡まなかったのは、同じくやはり気になりました。
プリキュアへの変身を目撃するでもなく、友達の輪へ加わって来るわけでもなく。重要な場面でだけ強引に蚊帳の外へとほっぽりだされますし。
これ単純に補習仲間三人へ、順繰りでカメラ当ててく方針とかいったところなのでしょうか。それにしては、ジュンさんばっかりカメラ当たってる気もしますけど。
そして何より、いきなりモブに近いポジションで登場された「ドロシー」さん。この先なにか大事な役で再登場するのか、それとも特に意味なく割り当てられた名前なのか。
すわ将来の追加メンバー?なんて考えたくなる名前ですけど、さすがに人魚の少女がプリキュア候補とは考えにくいような。
補習組に続き、今度は人魚の少女三人組で二組目なのには何か含意が、とか深読みしだすときりのないところではありますが。
なおかつ、ついでに。はーちゃん(妖精)のお世話をモフルン(妖精)がしてる光景も、なかなか衝撃的でした。
かつてはタルトが似たようなことしてましたけど、彼が実質ただの一般人だったのに対し、モフルンは純然たるファンタジー生物で、変身アイテムそのものですからね……。
2016/03/26 23:57 by kanata URL 編集
◆コメントありがとうございます!◆
そのうち陸上人と人魚との争いが描かれたりする可能性もあるのでしょうか。イルカが攻めてきたぞ、の絵を思いだしてしまいます。
まてよ…校長先生が不老なのはまさか人魚を…これ以上は…いけない…。
モフルンさんがはーちゃんさんのお世話係と化しているのは微笑ましくもあり、妙な光景ですね。
当初はモフルンもお世話対象なのかと思っていましたけど、始まってみると一番まとまな気さえしますし。
一番苦労人って感じします。
2016/03/28 21:11 by TJ-type1@管理人 URL 編集
>やはり魔法とは仲間力…なのかな
最近やっと映画を見てきたのですが
人が人を思う心のことなのかもしれませんね。
>「あまりに怒り過ぎてクールになったぜ」
番組を見たことないのに
あまりに斬新なセリフで笑ってしまいました。
あとジュンを見てるとどうしてもスイートの和音がチラついてしまいます。
2016/04/14 16:14 by アメ猫 URL 編集
◆コメントありがとうございます!◆
怒り過ぎてクールになるというこじつけは、こじつけの上手いことに定評のある三条さんのお話の中でもかなり強引な部類かなと思えて、本放送時も驚いたものです。何をしても熱血キャラになってしまう主人公ゆえ仕方がなかったのですが。
ジュンさんは和音さんのスーツの再改造かなという感覚で見ています。
セミ人間がバルタン星人になったような、よくあることです…。
2016/04/24 05:03 by TJ-type1@管理人 URL 編集