2015年 11月 17日

今年のプリキュアさんの映画は3本立。

短編・中編・長編という新たな編成の、ひとり東映まんが祭り状態で戦に赴きます。


△▼△▼△

早速始まるのは短編の「キュアフローラといたずらかがみ」。
謎の鏡とオバケっぽい謎生物に絡むフローラさんを、台詞無しで見せるアニメーションらしい一本。

続いては長編「パンプキン王国のたからもの」。
カボチャの国に拉致されて来たプリキュアさん達がプリンセスの座をかけて覇を競う大会に参加します。

そして中編「プリキュアとレフィのワンダーナイト」は、昼を奪われ夜だけの世界になったパンプキングダムなる国を救うお話。

てっきり短編・中編・長編という順番で、尺が長い長編を最後に据えてドラマの頂点を作る構成だろうと…当たり前のように思っていたので、2番目に長編が来たことには驚きでした。
監督やプロデューサー氏のインタビューを読むには、長編メインという意味付けはそのままに、その後の中編はアフターストーリーとして楽しんで貰おうという狙い…らしいですね。
ボーナストラック的な意味付けなのだと。

中編にはテレビシリーズのEDと同期させるモノも仕込まれているので、だから最後に持ってきたのかなーとも思いましたが。

3本の映画はそれぞれ別々のモノとして成立してはいるのですが、所々僅かながら要素が繋がっていたりもします。
短編ではカボチャを被るし、長編ではレフィの人形が登場するし。

3作共通のモチーフは「ハロウィン」ですが、ハロウィンそのものの定義に迫るといったストーリーではなく、カボチャとオバケを味付けに使っている程度。
プリキュアさんの秋映画は毎回、テレビシリーズのテーマを凝縮した内容になるので、登場する異世界もそれに倣ってテーマに合わせた異世界が描かれる。
ですが、今年はハロウィンの時期に公開するからカボチャを目いっぱい出しているだけで、それ以上の意味は特にないんだろうなぁ…と思っていました。カボチャとプリンセスの共通項なんてシンデレラぐらいですが、この映画からシンデレラっぽさは感じないなぁと。

そう思っていたわけですが…。
短編「いたずらかがみ」を見ていて「お?」と思わされる。
終盤にフローラさんがカボチャを頭部に被るくだりがあるのですが、それが王冠のように見えるのです。
そう思ってみると、プリンセスプリキュアさんのマークもカボチャっぽいなと気付く。


ティアラ・王冠とカボチャのカタチは似ている。
つまり「カボチャ」=「プリンセス」の象徴であると読み解ける。
ハロウィン時期に公開というだけでなく、プリンセスプリキュアのメインモチーフとカボチャは融和性の高い題材として必然であったと考える事が可能なのです。
毎年、テレビシリーズのテーマ凝縮な秋映画を作っているプリキュアさんですが、今年も決してその約束を反故にしてはいなかったのだ。
なるほどなぁ。

きっとそうだ、うんうん。

△▼△▼△


今年もテレビシリーズの凝縮である秋映画。
ですが、そのテレビシリーズのテーマやフォーマットをしっかり順守しようとする姿勢だからこそ…気にかかってしまった点がありまして。
ストーリー物である長編と中編、この2作のストーリーのベースがほぼ同じになっているなぁ…というのが気にかかってしまいました…。

王国が敵に襲われ、お姫様のHELPを受けて、プリキュアさんが敵を退治する――

それは「プリキュア」というブランドの基本フォーマットだし、まして「プリンセス」がテーマなら王国とお姫様が出て来るよ、というのは分かっています。
分かっていますが…この短い時間でほぼ同じ話をほぼ同じキャラクターで見るのは、ちょっと吸収に時間がかかりました。
70分で2つの王国と2人のプリンセスの設定を咀嚼しなければいけないのですよね…。

そんなわけで個人的な嗜好としては、同じキャラクターを使う併映だったなら、もっとガラッと違う内容の方が好いし、違うキャラクターを使用するなら似たような話であっても潰しあいにはならないのではないかなーとは思う次第です。
ポケモンでもドラえもんでも、その辺は併映同士で被らないようにと気を使っていますからね。もし次もこのスタイルであるならば、その辺のコンセンサスは取って頂きたいなぁと思うのです。


長編のお話なぞはどうしても尺の短さが気にかかる忙しなさを感じますかね。企画時は例年通りの70分だったのが、どんどん短くなって50分になったとの事なので、苦労が偲ばれます。
とはいえ、70分の中でアプローチの違う3つの映像を味わえるというのは非常に贅沢な時間だなと。

割と元も子もない事を書くなら、予算対比効果が非常に高い映像だと思いました。
おそらく例年の作品と予算は対して変化していないでしょうに、その中で新規3Dモデル及びその背景を幾つも作っているのには感心しきりでした。

短編では最後にマーメイド、トゥインクル、スカーレットが。
中編では最初に変身前の春野さんが。
どちらも「え、その1カットしか登場しないキャラの為に3Dモデル作ったの!?」と結構な驚きでした。
特に短編は、1シチュエーションの、フローラさんのモデルだけで見せる事でクオリティ維持しているんだなーと思いながら見ていたので、ラストに全員登場した時は「出るんかい!」と。
じゃあ全編出しとけばいいのに…レンダリングは大変でしょうけど。

△▼△▼△

やや覚束なさも感じるのですが、新たなチャレンジを感じる映画となっておりました。
例年3章立てのMOVIE大戦が今年は1章仕立てになるのに対し、プリキュアさんは3本立てで構成して来たりと、全般的に東映さんのラインナップが例年とスタイルを変えたチャレンジが見受けられます。

東映の武器とも言えるフットワークの軽さを活かした反転攻勢を応援したい。

プリキュア 各話レビュー
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Tracked from blog mr at 2015-11-18 22:42
タイトル : 『Go! プリンセスプリキュア Go! Go!! 豪華3本立て』
 これ、『豪華3本立て』ってタイトルなのね。  でも映倫の番号は一つだけだったから、厳密には「三本立て」ではない。当たり前か。