■南北海藤グループからのお誘いを受けてリゾート地へと再びやって来た春野さんら一行。今回は七瀬さんも来てるんや…。
今日は船上にて次期グループ中核を担う人材として、海藤さんのお披露目パーティが開催されるとのこと。
お母様も娘がグループ経営に関わってくれる意を示してくれたことを大変喜ばしく思っているとの事。
ひたすらナチュラルに絵に描いたようなセレブオーラを発し続ける海藤家が眩しい。
そんな折に海藤さんが出会ったのは獣医の北風あすかさん。
海の生き物を専門とする医師の働きぶりを興味深く見る海藤さんに、北風さんは獣医に向いているかもと言ってみる。なんとなく。
これまで家業の経営に加わる事こそが自分の夢と信じて疑わぬ海藤さんでしたが、その前に別の道がある事も示される。
「父や兄のようになる」というのが海藤さんの夢として今まで描かれて来ましたが、これはある意味で「プリンセスになる」以上に漠然とした目標。
番組当初より気になるポイントではありましたが、海藤さん自身がその問題に意識的では無かったために、今日まで問題として顕在化せずに歩んできましたが、とうとうそれがやって来たわけです。
てっきりシリーズの前半でやるかなーと思っていただけに、結構待たされた印象。
北風さんは海藤グループに誘われるも、自分の心に忠実でありたいがために誘いを断る。組織の中に居ると自分を見失ってしまうかもしれないから…だと。
北風さんは何よりも自由である事を貴しとしているのです。
家業の経営に加わるというのは海藤さんの幼い頃からの夢です。
しかしそこには、今回のお母さん描写のように、喜んでくれる家族がいるから自分はそう選択する…という「他者」への意識が内在する可能性があるわけで。
ま、可能性というか描写的には「ある」んでしょうけども。
かたや北風さんの誘いは「あなたに合っている」とか「なんとなく」といった理由付けだけで、獣医という選択をしたからといって北風さんや他の誰かが喜んでくれるかといえば別にそんな事は無いのです。
そこにあるのは「自分」が喜べるのかどうかという部分だけ。
家族の夢の為に自分の自由を捨てるのか、自分の自由の為に家族を捨てるのか…。
ラスト、互いに別の道を進んでいく海藤さんと北風さん。
これは今後の海藤さんが獣医への憧れを膨らませて家族の呪縛を立ち来るための種蒔きの話なのか…。
あるいは、家族の為に自分の自由を捨てる決意を固めるという話なのか…。
この1話だけでは判然とはしません。
とはいえ、自分の自由を捨ててフィニッシュという結論は番組テーマ的に沿わないので後者は弱いわけです。
心の中の宇宙は誰からも自由! …な様を描くことが綿々と続くテーマですから。
では最終的に海藤さんは家族の呪縛を振り切るのか…というと、家族に対してもそこまでネガティブ描写はされていないので、これもまた決め手にかける。
ここでふと思い出すのは「ドキドキ!」で医者と百人一首を両てんびんにかけた菱川さんの話。
親の期待と自分の想いとの板挟みになるお話でしたが、どちらも取るという欲張りな結論で決着していました。
そして今回の海藤さんことマーメイドさんは、北風さんの夢を閉じ込めたゼツボーグと対峙しつつ、父母の夢である船も守っていた。
これは家族の夢も自分の夢もどちらも守りたいという意思の表れにも見える。
他者の為だけでも自分の為だけでもない生き方に答えがあるのではと…。
プリキュアさんの姿は自分の理想の姿を表しているという事を鑑みれば、海に関わりの薄い目標はそもそも行きつくはずもないのですけれど。
■せれぶりてぃこういう設定の家族の場合、お金持ちで高圧的な家族のプレッシャーに押しつぶされそうになる子ども…といった描写がパターンなだけに、すごくナチュラルで悪意の介在しないように描かれていたのが新鮮ですらありました。
どこかで金持ちは悪人であってほしいという気持ちがあったのかもしれない(ぇ)。
今週はニンニンジャーで「ロミオとジュリエット」をやっていましたが、来週はプリキュアさんの方で「ロミジュリ」をやるとのこと。
⇒
プリキュア 各話レビュー
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