この「仮面ライダー3号」は、春映画では久しぶりにメタ要素の強い内容になっています。まさにそこが好きな部分なので、今回の映画の楽しめたポイントでした。
3号というのは、ショッカーに作られながら歴史の闇に消え、本来は存在していなかったはずのライダーとして紹介されます。
仮面ライダーで3号と言えばV3です。ライダーの歴史に3号はいない…。
しかし、初代ライダーの放送当時、雑誌イラストカットの中で実は「仮面ライダー3号」が存在していた、とのこと。しかし実際の3号はV3となり、この3号は何処へ消えたのか。
ちなみに白倉さんは映画のクランクイン直前にその情報を知ったのだとか(え)。
間違いなく存在しているのに歴史から消えた仮面ライダー。
でもそれは、別に映画の中だけの空想のキャラクターではありません。
「仮面ライダー」のリブート企画として映画化された「THE FIRST」「THE NEXT」の1号、2号、V3。
バラエティ番組内でのみ放送された「仮面ライダーG」。
そして40年前に描かれていた3号。
どの仮面ライダーも東映と石森プロから公認された正規の仮面ライダーでありながら、最近のオールライダーの中には含まれず、「仮面ライダー」というコンテンツの歴史からは消えている存在なのです。
今回の映画「3号」では、例え歴史の闇に消えても、未来を守る存在になれるという事が描かれています。
They say "who's that guy ?"
そう呼ばれても 未来に残せる何かを
主題歌「Who's That Guy」より
「MOVIE大戦2010」では、共に戦う戦士でありながら仮面ライダーに数えられていない“電波人間タックル”を登場させ、メタ的にコンテンツとして救済する措置が行われていました。
今回の映画もそれとほぼ同様のテーマなのだと思います。
たとえオールライダーの中に数えられなくとも、間違いなく彼らは仮面ライダーというヒーローであり、今の仮面ライダーコンテンツを支えてくれた存在なのだと訴えている。
上記に挙げたライダーだけでなく、各シリーズの映画にだけ登場してそれっきりのゲストライダーなんかも同様の存在かもしれません。
そういうオールライダーに数えられない、忘れられた仮面ライダーの象徴としての仮面ライダー3号です。
特に「FIRST」組のライダーを救済したいという思いが3号には強く込められているのではないかと、個人的には感じられました。
映画の中で3号は1号と2号を倒しますが、それは「FIRST」のライダーが正規のライダーになる為には、オリジナルの1号と2号を抹消するしかない、という事を示唆しているように見えるのです。
劇中でも、「1号2号を倒さないと俺は本物になれない」といった台詞を言っていたかと思います。
3号のデザインが「THE FIRST」ライダー寄りのデザインであるのも、そんな思いが込められているからではないでしょうか。
「FIRST」も白倉さんの企画ですので、FIRSTライダー達への贖罪や、成仏への念があるんじゃないかな…どうかな…?
そんな感じで、久しぶりに全編に渡ってメタァな内容だったと思います。
好物が沢山入っていて大満足です、ボクは。
なんでやねんと思う所も沢山ありますが、歴史改変マシーンを筆頭に、基本的にそれらは狙ってやってる部分なのでケラケラ笑わせてもらいました。
しかし「歴史改変マシーン」はずるいよ…説明してる尺が無いからなのか、凄く分かり易い名前で笑わせて来る。
最後の最後で「ええ!?」という部分もありましたが、あれは主に続編の「仮面ライダー4号」サイドの引きなので、仕方なしという感じでしょうか。
映画だけだと「何で?」と思う部分も、「合体SP」「4号」を見る事でかなり解消されるので、この3作で1セットの一体感はなかなかに唸るものがあります。
やりおる…。
ただ、ギャレンの登場だけは3作見ても分からないのだ…。
ナズェ...
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仮面ライダー 各話レビュー
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