■フコウ引き続き赤い星は地球めがけて止まらない。
レッドさんの対処はハピネスチャージ組だけが引き受けているため、各地で拳を振るう世界のプリキュア諸氏は祈るしかない。
大概において祈るという行為の対象は神様仏様なのですが、ここではその神自身が「祈ろう」と言っていて、神の無力感を禁じ得ません。自虐ネタかな…。
今のところ神が起こした奇跡らしい奇跡といえば、破れた自分のズボンを直したぐらいだからなぁ…。
刹那の愛に救えるモノなど何もないと、愛を否定し消し去ろうとする神・レッド。
しかしてプリキュアさん、愛はみんなの心の中にあるものだと説く。それを消し去ることなど出来るはずがないではないか。
私たちの心の中の宇宙は誰からも自由なのよ。
番組も前半からイノセントプリフィケーションの唄が流れ出して驚きましたが、アクションから必殺技への流れを邪魔しない演出になるほどと感心。
いっそ口で唄いながら殴り合っていても好かった(ぇ)。
ですが、イノセントプリフィケーションによってもレッドさんは浄化出来ない。
それにしてもブルーには戦闘能力無いのに、レッドさんは戦っても強いとは何とも不公平で理不尽だ。
プリンセス、ハニー、フォーチュン、誠司君他を封印したレッドさんは昔話を始めます。
かつて火星…ではなく赤い星の神として星を見守っていたレッドさん。しかし、いつしか文明も命も全て滅び去り、残ったのは虚しい絶望感のみ。愛を信じて裏切られた。
それなのにそれなのに、青い星・地球は愛に溢れて楽しそう。
同じ信仰を持ちながらあまりに理不尽、不公平。
そこでレッドさんは地球も同じ目に遭えば良いのだと嫌がらせを仕掛けたというのです。
なんということ…。
完全に八つ当たりでした…。
ブルーと昔の因縁があるのかなーなどと推測を立ててもいましたが、予想のハードルの下をくぐるせせこましい動機だった。何だよ、ブルーは悪くないのかよ…っち。
あまりに理不尽なその理由。
しかし、その理不尽さこそが宇宙の真理なのだと言い放つレッドさん。
俺が不幸だからお前も一緒に不幸になれと引き摺り下ろす。
それで自分が幸せになるわけでもないと気付いているはずなのに、俺をお前と同じぐらい幸せにしてくれとは言い出せない…。
ブルーとレッド。
何故に両者の星は繁栄と滅びの運命とに分かれたのか…。
それは特別な理由も無く理不尽な偶然なのかもしれないのですが、ここでふと、先に言及した二人の神の戦闘能力の有無が気にかかります。
ブルーは自分で戦う力は無いものの、女子中学生に戦う力を与えることが出来ます。しかもその数はほぼ無制限。
かたやレッドはプリキュアさんをも凌駕する戦闘能力を有している。
もしかしたら、星を守るための力をレッドは自分一人で有し、ブルーは多くの人間に分け与えるという選択肢を選んだのではなかろうか。
愛する星を自分一人で守るのか、あるいは多くの人と協力して守るのか。
二つの星の運命が分かれたのがそこにあるのだとすれば、テーマ的にも納得。
レッドさんにも、女子中学生にヒラヒラの服を着させて戦わせるという軟派な気持ちがあれば、こんな不幸は起きずに済んだのだ…哀しいね…。
レッドさんはラブリーさんに、自分を愛して一緒に滅びようと言う。
まさしく「一緒に不幸になれ」の極み。心中ですね…。
たとえ大事なモノを失った哀しみがあったとしても、嬉しかったことや楽しかったことの思い出まで消えるわけではない。それを思い出してと訴えるラブリーさん。昔のイノセントな想いを。
地球に居る世界のプリキュアから…あるいはそれ以外の人々も含まれているかもですが、小さな愛の光がラブリーさんの元へと集まって、新たな姿・フォーエバーラブリーさんへと進化する。
一つ一つの愛は小さいけれど、集まればビッグな愛になる。
ここでもまたハニーさんが世界中のプリキュアを助けて来たラインが活きたのかな…強いッ。
繋がりあう愛で皆と共に闘う姿となったフォーエバーラブリーさん。
もはやレッドさんにもイノセントな記憶があったと分かってしまった以上、あとはボコボコに殴り倒して思い出させれば解決です、やったぜ!
■Forever LOVEといったところで次回はとうとう最終回。
テーマ的にはミラージュさんと誠司君の件で到達している印象なので、レッドさんはそのおさらいという感じですね。
「俺が不幸だからお前も不幸になれ」というテーマは非常に分かり易くて、この「ハピネスチャージ」作中のラスボスらしいテーマなのですが、それにしてもただの八つ当たりという小物っぽさが実にジワジワ来ます。
これまで作中の恨みを一挙に引き受けていたのはブルーでしたが、ブルーは別に悪くなかっただなんて…くそう(ぇ)。
さてさて最終回。
戦うより抱き合いたい、それによって世界がどのように変容するのか。
そんなエピローグ部分が個人的にはとても気にかかる。
ブルースカイ王国は共和国になるのかな…?
⇒
プリキュア 各話レビュー
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コメント
神様ブルー、スボンは、はきかえただけだとおもうよ…(ぇ
ブルーとは過去の因縁もなく、ただのやつあたりだったという展開になったことで、とたんに物語性がなくなってしまいましたよね。せめて、その昔、レッドはブルーに失恋したショックで愛を信じられなくなり、ひいては惑星レッドへの愛も弱まったがために惑星レッドの危機にさいして守りきれず滅んでしまった、つまり惑星レッドが滅んだのはブルーおまえのせいなんだ、だからブルーおまえを許さない困らせてやる、おまえの大切な地球も惑星レッドと同じ運命にしてやる、と、こじつけでもいいから、そんな動機がほしかったなと。
2015/01/19 09:51 by ミルク苺 URL 編集
2015/01/19 15:15 by 名無しさん URL 編集
ブルーさんが!
2015/01/19 19:02 by 名無しさん URL 編集
地球と惑星レッドは双子星になるのか?
な~んてネ。
でも、キュアAは亜久里ちゃんだからダメだけど(笑)
2015/01/19 21:29 by ななし URL 編集
だいたいブルーってやつのせいなんだ・・・
ミラージュとブルーの関係といい、ひめといおなもめぐみと誠司もそうだけど なんか相手とちゃんと向き合っていれば 起きなかったであろう問題ばかりだな。
ブルーとレッドに関しては翌々考えるとミラージュの時と同じパターンな気がする。博愛優先過ぎて個人をちゃんと見れてないみたいな
2015/01/22 14:29 by 名無しさん URL 編集
◆コメントありがとうございます!◆
「俺が不幸だからお前も不幸になれ」という理不尽な悪意を描くために、ブルーに恨みがあるといった論理的な理由付けは無くしたのでしょうね。テーマ優先だからもう「そ、そうか」としか言えませんが。
それにしても数ある星の中で何故地球がターゲットとなったのか…「隣の芝生は青い」が如く「青い星」だったのが理由なんでしょうかね。
類義語に「隣の花は赤い」というのもあるので、いつ立場が入れ替わってもおかしくはないのですよね。
>名無しさん
描きたい事、テーマは既に出揃っていると思います。
ただ視聴者が期待する描写だったかといえば、難しいところもあったかもしれません。
テーマ自体にはとても真面目に取り組んで描いているなぁと思うだけに、番組としてのバランスの取り方は難しいですねぇ。
>名無しさん
テーマ的にはまさに幸せの王子ですよね、ブルー。
まぁブルーなら溶鉱炉に沈んでくれても別にいいか…て気もするんですが。
不老不死の神が人間と恋愛するのはなかなか哀しい結末もあるでしょうし、それもあえて飲み込んでの神の決断…というのを説明してくれていると、視聴者にも神の気持ちがちょっとは分かるような気がするんです。
>ななしさん
新たに神となったラブリーが生き物のいない惑星レッドをサイアークと共に新たな楽園にしようとする…そんなラストかもしれません。
MOVIE大戦にはちゃんと出演していただきましょう。
>名無しさん
しかしレッドの場合、ブルーに何かできたのか…というのは疑問ではないでしょうかね。
つい先日やっとレッドの仕業だと気付いたようですし。
飲み会とかで「地球は愛に溢れてるんだよ~」と酔った勢いで自慢しまくったという可能性もなくはないのですが。
2015/01/23 21:18 by TJ-type1@管理人 URL 編集