■断罪パジャマパーティーミラージュさんの憎しみは浄化され、神は想いを伝え、ブルースカイ王国は元の姿を取り戻した。世界中からサイアークは消え、世界は平和になったのでした。
めでたしめでたし。
サイアークが消えるのは分かるけど、世界に散っている他の幹部、モメールさんとかはどうしたんだろう…あれもやられるか、その瞬間に浄化したのだろうかなぁ。
その晩は愛乃さんのお宅に一同集合してパジャマパーティが開催されました。これがエンディングで言っているプリキュアパーティなのか…しかし歌詞にある「ごほうび」感はありません。
あるのはジュースと菓子を片手に神様の悪口を言い合う女子中学生の姿です。
女子中学生による神の断罪裁判…なんと恐ろしい…まさしく神をも恐れぬ所業よ…。
神に意気地が無かったのが悪い!とヒメルダさん。
お前が言うのか、という気もしますが。結局、神とミラージュさんがひっつくのであれば、神は一人の人間に特別肩入れしてはいけないと言っていた事情をもうちょっと説明してほしかった気はする。
「神様だから」という理由付けではちょっと弱い気がする。「みんなのアイドルだから」とか言われる方がまだ分かる。
一人を愛するコトによるリスクをね…神は不死身なので人間が死んだ時に辛くなって地球滅ぶ、とか(ぇ)。
他の人の幸せばかりを考える愛乃さん。誠司君はそれが心配でもある。
みんなの幸せを願い、それを喜ぶ。でもそれは、自分が幸福になったわけではないのです。
ヒメルダさんは家族と母国を取り戻し、氷川さんもお姉さんが戻って来た。大森さんは…まぁアレとして。
周りの仲間も幸福になる中、愛乃さんは想い人に振り向かれることもなく、お母さんの病気も治ったワケでなく、プリキュアさんになる前と比較して改善…というより欠損すらしている。
世界の幸福を喜ぶ気持ちと、自分の不幸を哀しむ悔しさとのない交ぜ。
そんな愛乃さんの心の隙を突こうとする火星の神レッド(仮)ことディープミラーさん。
世界を救った者が愛を失い不幸になる間違いを正すべく、世界を自分の望む姿に作り替えようと。
なるほど。平時に語り掛けただけではプリキュアさんも引っかから無さそうですが、「世界を救ったのは自分なのに…」という想いをとっかかりにして正当性を与えるとはえげつない。
そういえばミラージュさんも、月面でラスボスを倒して世界を救った後にあんな風になってしまわれたのだったか。
レッドさん(仮)は今回と同じ誘いをミラージュさんにもかけていたようですが、かたやブルーさんも近くに居たプリキュアさんを失恋させるという行為を繰り返しているというコトでもあるのだよなぁ。
ブルーとレッド(仮)、両者がいることでプリキュアとサイアークは生まれ続ける…これはお互いの活動を止めない為に結託している可能性あるな(ぇー)。
世界は救ったが自分だけは不幸になる。
宝石を渡し終え、みすぼらしい像となって溶かされた「幸福の王子」のように。
しかし、世界を壊して幸せになる事を愛乃さんは望まない。
辛くて苦しい気持ちも飲み込んで、自分が幸せになるために進んでいく。
神の愛は得られなかったけれども、優しく愛を与えてくれる仲間がいる。
プリキュアになったことで欠損したモノもあるけど、得られたモノも多い。
愛を失えば辛い。辛いし不幸だけれど、仲間の愛があれば耐えられる。
誠司君の気持ちに気付いていない愛乃さんにとって、今は「耐える」としか答えられないのだけれど、それでも「仲間」は非常に重要な柱になっている。
300年前にミラージュさんの心が敗北したのは、この「仲間」の存在が無かったからではないかと考えられる。月面ではミラージュさんが単独で戦い、神はドレッサーを持つだけの担当だったようで、他に仲間は居なさそうだったし。
やはりチームを組む事はリスク回避の面でも非常に有効的なのです。世界の存亡を個人のメンタルに託すのは酷すぎる。
世界は救われて、個人的には辛いけどみんなが支えてくれるので耐えられる。
これはこれで…幸福になったワケでもないけど不幸になったワケでもなく、しかし前向きな方角なので、これを最終回エピローグに持ってきてもありかなと思える話ではある。
■Happilessこれまで「みんな幸せハピネス」と言ってきた愛乃さんですが、自分について明確に「幸せになりたい」と言ったのは初めて…かな。たぶん。熱いです。
決して自分を捨てているわけではないというのは、追試回の「自分が最下位になれば」発言と比較して変化が見て取れる気がする。
シリーズ前半は主人公の割に地味な動きが多かった印象でしたが、終盤になるにつけ話が“愛乃めぐみ”という個人の挙動が気にかかるように集約してきて主人公らしくなって参りました。
ハッピーエンドから取りこぼされた人はどうするの?
自己犠牲で世界を救ったヒーローは幸せなの?
といった、結構えぐい部分に切り込んでいく内容でとても面白い。
前回まではよくあるヒーロー番組だが、ここから先こそが「ハピネスチャージ」の「ハピネスチャージ」たる根幹だぞ、といった意気込みを感じられゾクゾクしてまうでな。
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プリキュア 各話レビュー
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コメント
プリでは赤のが、鎧武では緑のが、概ね「お前、世界を救ったのに報われねーぜ。それでいいの?ほれ、こっちきてこんな薄情な世界ぶっ壊そうぜ」という誘惑をして、鎧武は「俺が犠牲になってもいい!俺一人の犠牲で世界を救えるのなら!」、プリは「私は犠牲なんかにはならない!みんなといるから!」と答えた。
実際に世界を救い終わる前か後か、その問いかけを受けた時一人だったか二人以上だったか、当人が持ちうる力がどれほどのものか、どういう意味で報われないのか、といった諸々が対になっててちょっと興味深い。
最終的には紘汰は神的なものになり、一つの星を納めることとし、女もしっかりものにし、世界も守りました。ハピはどうなるかなぁ。話の終わりとしては神の代替わりも視野に入るか…?
仮面ライダーとプリキュアってときどきこういう面白いリンクしますよね。
2014/12/15 01:58 by 師走 URL 編集
◆コメントありがとうございます!◆
似ているようでライダーとプリキュアさんのヒーローとしての違いが表れている部分でもあるのかもしれないです。
ライダーはあくまで孤高のヒーローとして、ひとりで全てを抱えるんですけど、プリキュアさんの場合はそういう時でも仲間が助けてくれるという回答なんですよね。
個人ヒーローとチームとの違いが出ている回答という気がします。まして鎧武はここ最近のライダーでも珍しく、どんどん仲間が減っていく話でしたしねぇ…。
2014/12/19 19:40 by TJ-type1@管理人 URL 編集