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2013年 09月 27日
「銀河機攻隊 マジェスティックプリンス」を全話視聴しまして。
まず純粋に単純にシンプルに大変楽しませて貰いました。面白かった。

ロボットアニメというモノに幼少期のノスタルジーが殆ど無い身なんですけども、それでも「俺達の思う“ロボットアニメ”」というイメージをちゃんと見せてくれる内容だったんじゃないかなと感じました。
こちらの“見たい”描写をちゃんと見せてくれるという、ただそれだけといえばそうなんだけど、心地よく入ってくるような。
簡単に言えば“ベタ”というコトなんですけども、どれだけ変化球を投げられるかというコトに注視している現21世紀のテレビ番組の中で、ストレートばかり投げてくるというのは稀有な存在に映りました。

内容に関するイメージとしては、詳しくないので漠然とした印象でしかないのですが…、“90年代の夕方アニメ”という空気を何故かひしひしと感じます。
ロボアニメに対してノスタルジーは無いんですけど、この何故か感じる90年代臭に「うはぁ、懐かし!」とノスタルジーを感じざるを得ず。
そういう意味ではベタというよりは、とても変なアニメですね。

とはいえ、今回書きたいのは内容面に関するコトではありません。
“面白かった”とか“王道ロボアニメだった”とか、そんなんよそ様でみんな書いておる。
個人的に「マジェプリ」で注目していたポイントというのが、“東宝がアニメ事業部を立ち上げて、初めて企画段階から関わったアニメ”という点なのです。
深夜アニメって、基本的に隙間産業みたいなニッチな商売なんですけども、そこに映像業界の“巨人”とも呼ばれる東宝がどういう戦略で立ち向かうのか…。
幼少期より東宝特撮で育った身としては大変興味深かったので、その点についてツイッターでちょいちょい書いていたコトをまとめてみた。

ただし、以下のテキストはほぼ推測に過ぎない事をご了承ください。

■□■□■

まず、「マジェプリ」は深夜アニメとしては異例の放送局数でした。
他の深夜アニメが全国5~6局程度という中、その数およそ全国27局。
放送局数だけなら「けいおん!!(2期)」と同レベル、U局メインでは過去最高だとも聞き及びます。
ちなみに全26局のプリキュアより多い…。

放送局数が多いという事は、それだけ放送するための予算もかかります。
「けいおん!!」は1期の実績があるから分かるんですが、原作も実績もない企画で日本全国をカバーし得るだけの放送局で流す。

それはなぜか…。


普通、深夜アニメにおける予算回収の方法はDVD・BDのパッケージ販売が主だと言われています。
とはいえ、パッケージ販売の売上は変動も大きく、安定性はあまり高くないように感じる。
さらに内容面での評判がよくともパッケージは売れなかったり、あるいはその逆だったり。
もう何を信じていいのか分かりません…。

そこで東宝さんが打ち出した戦略が、パッケージ以外で回収する方法です。

東宝がアニメ事業に本格参入~パッケージやODSも駆使して劇場ヒット狙う ニュース-ORICON STYLE-

深夜のTVアニメは依然DVD・BDでの回収のレンジが大きく、絶えず激しい競争の中でヒットが生まれています。視聴者の嗜好も多様化しており、パッケージを定期的に購入する客層と、劇場で興収10億円を超えて大ヒットするライトな広がりを持つ作品の客層とでは乖離が見られます。我々の強みはやはり劇場を使った興行の部分にあり、TVよりも映像をコピーされにくい劇場作品において存在感を出していきたいと考えています。
(引用終わり)


この記事によれば、テレビ放送によって市場を開拓し劇場に牽引しようという旨らしい。
いかにも劇場興行会社らしい戦略性です。

高額なパッケージを買う層というのは視聴者の中のごくごく一部にすぎません。
しかし「パッケージは高いけど、映画館に行くぐらいなら…」と考えるライトユーザーというのは、そこそこの数が存在すると考えられます。
その層から上手く回収することが出来れば、パッケージ収入だけに頼ることなく、製作費の回収に安定性を持たせることが出来るのではないか…という事のようです。

前述しましたが、深夜アニメというのはニッチな産業です。
深夜アニメの劇場版も、上映館数でいうと全国数十館ぐらいが平均。
「ドラえもん」や「コナン」が300館以上で興行されているのと比べると、およそ10分の1。
要するに“幾ら払ってもいいぐらい好きッ!!!”というコアユーザー向けの商売が多いのです。
だから上映館数も少なくて良い。深夜アニメ劇場版がよく松竹系での興行になることが多いのも、そのレンジに合っているからでしょう。

しかし東宝というのは日本で一番劇場を有している会社なのです。
言ってみれば、小売店の数が一番多い。セブンイレブンだね(え)。
となれば、わざわざ小スケールでの商売をする必要は無いのです。
「ドラえもん」「コナン」「ポケモン」…まではさすがにアレですが、他の会社よりも大きなレンジでの商売が出来る。

ただし、その東宝が持つ全国に広がる興行網を活かす為には、そのタイトルも広く全国に普及していなければいけない。
全国5~6局の放送数では視聴可能地域が狭く、せっかくの興行網を活かせない。
だからこそ全27局という広い視聴可能地域を得る必要があったのだと、そう考えられる。
ニコニコ動画での配信で何度も一挙無料期間が設けられたのも、その戦略ゆえだと考えられますね。
まぁ「一気見の方が面白いタイトルだから」というプロデューサーさんの意向もあるらしいですが。


多くの深夜タイトルが“狭く厚く”を狙う中、「マジェプリ」は“広く薄く”を狙って計画されているタイトルなのです。

他の深夜アニメでもライトユーザーから回収できれば収益が安定するんじゃないかなーとも思ったのですが、この戦略は初期投資がとても大きいので、体力のあるバックが付いていないと真似できない。
巨人と言われる東宝あってこその戦略なんだなと、とても興味深いです。

まぁ、よく考えたら朝や夕方のアニメに近い考え方です。
パッケージではなく、グッズや原作本、ゲームといったライトユーザーからの収益で回収しようというのは。
ただ、それを深夜帯のアニメでやろうというのが新鮮な試みかなと感じます。

ちなみに「マジェプリ」は、パチンコメーカーで円谷プロの親会社でもあるフィールズさんが共同権利者に名前を連ねている。これも「パチンコになったら遊んでみてもいいよ」というライトユーザー向け戦略が合致した結果なのだと思われますね。


そう考えていくと、内容に90年代アニメっぽさが感じられるのも納得出来る点が出てくる。
00年代以降のアニメは深夜アニメが中心となって、コアユーザー・マニア向けの内容が増えていきました。
しかしマジェプリの企画意図からすれば、そういう内容は相応しくない。
出来るだけ間口を広く、深くなくとも多くの層に受け入れられる内容を目指すとなると、結果としてまだマニア向けではなかった90年代アニメの空気に近づく事となったのではないか…と考えられる。

あるいは他深夜アニメよりもターゲット層が若干上、90年代アニメを見ていた世代(購買力のある世代)にマークされているか…。
キャラクターデザインに平井久司さんが選ばれているのも、その辺りの狙いがあるからだと思うと納得出来る。
東宝アニメ事業部が企画した他アニメ(「ファンタジスタドール」、「メガネブ!」)も若干古臭い匂いがするんですよ…。
「メガネブ!」のキャラデザさんなんか、「らんま」や「逮捕しちゃうぞ」の方ですよ。
全て狙いなのかなぁ…だとしたら面白いんですが。

■□■□■

といった感じで、確証はないけど透けて見える戦略について考えてみました。
深夜アニメの本流とは違う、しかしもっとデカい事を企んでいる感じがして、戦略面でもとても面白そうなタイトルです。
これが成功してくれれば、アニメ産業に新たな柱が立つかもしれない。

「マジェプリ」は3DCGにおける戦闘描写の概念を一変させるようなバトル描写も見せてくれて、懐かしいながらも新鮮な内容だったのですが、この戦略性においても新しいカタチを見せてくれたらと凄く期待しております。

完全に特撮クラスタ向けのキャスティングとCM展開で、オレ狙われてる…とも感じましたしね。

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