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仮面ライダーウィザード 第51話「最後の希望」

ウィザードの本編も今回で最終回。

だけどまだ予告があるという不思議な気持ち…。
もやし…もやしいいぞ…。
■□■□■


グレムリンによって笛木は倒され、コヨミは賢者の石を抜かれて消えた。
賢者の石の力によってソラさんは強化され、ゲートを求めて手当たり次第に街の人間を襲い始める。
全ては魔力を集めて人間に戻るために。

量産型魔法使いを物ともせず、戦いは晴人とソラの一対一に。
望まずに魔法使いとファントムにされた似た者同士の両者。
勝敗を決したのは、過去に囚われるか、未来を目指すかの違い…。

晴人は結局コヨミを蘇らせようとはしませんでした。
それがコヨミの願いであり、たった一つコヨミの心を救う方法だったから。

前回、晴人も仁藤も「コヨミを助ける」と言っていた際にはどんな裏技を使って生き返らせるのだろうか…と色々と考えましたが、結局命を救う事は出来なかった。
救えるのはコヨミの最後の希望、心だけ。

ちょっとしんみりとした決着ではありますが、ずっと「今を生きる」と言っていた晴人が最後まで信念を貫いた結果でもあるだけに、納得のいくカタチには収まったなという印象。
死んだ娘を蘇らせることも、失った人間の肉体を取り戻すことも、それは過去に縛られて今を生きていない事になる。

魔法がモチーフなのだから、ちょっとした奇跡が起きてもイイのに…と思わないでもありませんが、それやっちゃうとテーマがブレちゃうので仕方ありません。
辛くても哀しくても希望を失わずに今を生きていけとずっと言ってきたのだから、その晴人が哀しみを受け入れないわけにはいかない。

こじんまりしたラストだといえばそうなんだけど、世界の危機という大きい話は前々回で終わらせてるから仕方ない。
結局、コヨミを救ったのは晴人で間違いないけれど、世界を救ったのは仁藤の方だったんですね。
いつも「みんなを助けたい」と言っていた晴人と、自分の周りの小さな世界だけに関与していた仁藤でしたが、ラストはその役割が逆転していて面白い。

基本的に食欲と自分の知り合いの為にしか動かない個人主義の仁藤が、最後は世界を救う為に自分の命を懸けるっていう、なかなか熱いヒーロー像でした。
名護さん以来のサブライダー主人公かもしれない(え)。

しかし、素直に考えるならば、その「世界救出」と「コヨミ救出」という柱は二つ同時にクリアした方がカタルシスとしては大きいですよね。
ラスボス倒す=世界とコヨミをどっちも救う、という構図の方が。
でもこの番組ではそれがわざわざ別々に描かれているんですよね。それがこじんまりとした印象の一因なんでしょうけども。

これはあくまでウィザード・晴人が主人公の物語であると見れば、本当にやりたかったのは大きな世界を救う話ではなく、このコヨミを救う話なんだという解釈が出来る。

世界は救えなかったけど、たった一人の少女の心を救った仮面ライダーが仲間の元を離れ、バイクで走り去る…その孤高の物語。

ウィザードがアンダーワールドで戦うのも、その人の希望・心を守る為ですもんね。
世界のことはどうか知らんが、一人の人間の心を救う事こそがウィザードの使命であり、それを最後まで貫いたってことですね。

世界も命も救えなかったけれど、心だけは救った。
その正義だけは守り抜いた仮面ライダーだったのです。


■□■□■


なんとなくシリーズ全体について思う事。

最も思うのは活かし切れていない要素の多さ。
瞬平や凛子といったレギュラーキャラ、あるいはアンダーワールドの持て余しっぷりが、ほぼ一年間気にかかってしまいました。

瞬平や凛子ちゃん、シリーズ後半のほぼ店で待機しているだけのコヨミ。
そこまでレギュラーキャラクターが多いわけではありませんが、それでも扱いには困っていたという感がひしひしと感じてしまわれた。
元々、「ダブル」~「フォーゼ」といったコンビやチームで戦うライダーが続いたので、そろそろ一人で戦う昔のライダーみたいなモノをやろうよという話で作られたのが「ウィザード」。
だから瞬平や凛子にあまり必要性が出てこないのは仕方ない事ではあるのですが…。

なんでしょうね、テレビドラマとして一定数のレギュラーキャラを確保しておかないと不安っていうのがあるのかしら…。
いや、分かりますよ? ライダーとヒロインと指輪作るオッサンの3人しか出てこないドラマじゃ絵的にも辛いっての、凄く分かりますけどね、ええ。
でもやはり、登場するからにはもそっと意味づけが欲しかったですね。

特に瞬平ですよね…。魔法使い好きの魔法使いの弟子というポジションがどう役立つかと思っていましたが、まぁ…なんでしょうね。
その知識を使って、「あのファントムは××が弱点です!」とか言うてくれるのかと思いましたが、ゲートを匿う役目しか思い出せない。うむむ。

アンダーワールドは、「心を救う」というテーマの分かり易さが見えるのは好かったなぁと思うのですが、ファントムを倒した後に戦うだけに、消化試合感が否めないのが残念。
いつぞや出て来た、アンダーワールドに入り込めるファントム。
最初からああいう戦い方にしておけば、一つのバトルにテーマを集約できたんじゃないかなと思うんですけど…何故しなかったのだろう。

あとアンダーワールドってバトルするだけの場なんですよね。
そこの描写によってゲートの心が救われるというドラマの構成にはなってない。
ドラマ的には指輪を渡して「俺が最後の希望だ」の時点でゲートの心は救われている。だからバトルはバトルの意味しか無い気がする。
「電王」過去編みたいに、そこでのひとくだりがあって、ゲートの心が救われるというカタチではないのよね。
とはいえ、それやると毎回アンダーワールドに行くフォーマットになるので、それはそれで面倒ですね。お金もかかるしね…。


■□■□■


希望の仮面ライダー。

では何をもって「希望」というのか。
ソラの「人間に戻りたい」というのもある意味「希望」でしたが、それは過去に囚われているのがいけなかったらしい。
「希望」とは、今を生きて未来へ向かうためのモノ…といったトコロだろうか。
あるいは「心」という意味合いでも使われておりましたな。

また、指輪の仮面ライダーでもある。
では「指輪」とは何なのかと。
指輪は贈る贈られる物というイメージも強いので、誰かとの「絆」の表れなのではないかと思える。
魔法使いになった人間はみんな、身近な誰かの事を思って絶望を乗り切っていた。その身近な人たちこそがゲートの希望的存在であり、絆あってこそではないかと…。

と同時に「ウィザード」の仮面ライダーはとても孤高です。
どの魔法使いも、誰かに助けられたわけではなく、むしろ誰にも助けられなかったからこそ自分ひとりの心の強さで助かるしかなかった、という感じなんですよね。

この最終回にしても、仲間の力は何も借りず、晴人は一人で戦って、そして一人で去っていく…。
最近のライダーが「みんなの力で」戦っていただけに、この孤高さはとても際立ちます。
この一年で凛子や瞬平、仁藤といった仲間も出来ましたが、最終的には晴人とコヨミの関係だけに集約している。
乱暴に言うなら、晴人とコヨミ以外の関係はどうでもよかったのです。
そして晴人はコヨミを失った…。

メインライターのきだつよしさんは昭和ライダーが好きというコトでしたので、「ウィザード」で描こうとしたのは、現代的な「みんなで戦う」ヒーローではなく、たった一人で戦う「孤高」のヒーロー像だったんじゃないかな…と、そう思えます。

おかげで多少持て余したモノもある気がしますが、そのヒーローの哀しさはしっかと感じられる最終回となっていたような気がする。


といったわけで大体思うところは書き連ねました。

まだ特別編が残っていますが、「仮面ライダーウィザード」の物語はこれにて落着。
制作者、関係者の皆様に感謝!
よもやこの記事を全部読んではいないであろう貴方にも感謝!

ありがとうございましたー。


(実は最終回よりディケイドの方が楽しみだったなんて言えない…。)

仮面ライダー 各話レビュー
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コメント

仮面ライダーウィザード1年間ありがとうそしておつかれさまでした!
\(^o^)/
いつもたのしく拝見させていただいてます。
鎧武でもたのしい記事ドキドキ待ってます!

希望の魔法使い

>そして一人で去っていく…
街を守り続けたり、友の帰りを待っていたり、学校や部活でのダチとの絆が残ったり…といった過去三作に比べ孤独感のあるウィザード/晴人。「彼らの物語はこれからも続いていくんだなあ」という感じがあまりなく、それどころか軽く「もう帰ってこないんじゃないか」という気もしますし。戦い終わって去っていく、というのがいかにも仮面ライダーっぽいですが。
最終決戦のスケールがこじんまりしていたり、いつものことと思ってたら消えてしまったコヨミなども相まってしんみりとした終わりでしたが、こういう終わり方もいいかな…とは思いましたね。

まあ翌週色々と破壊されながら繋がっていくでしょうけども。もやしが!もやしが喋ってる!
しかしキマイラさん帰ってくるの案外早かったですね。実際どうだかわかりませんが。

◆コメントありがとうございます!◆

>DXナツメドライバーさん
ありがとうございます。
鎧武さん…の前にひとまずディケイドさんの雄姿を心に刻みましょう。


>銀河勁風さん
平成2期の中では、こじんまりと、しんみりと終わったなぁという印象ですね。
「涙をこらえる」という悲哀ある昔ながらのヒーロー像なんですけど、明るさは薄い。
やはり、きださんの好む昭和ライダー的なのかもしれません。

まぁ、それよりももやしですよもやし! 鳴滝さんは出るのかな…?
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