■偶像から自身に国民的人気アイドルとして名を馳せる剣崎真琴。
ですが剣崎さん自身は迷いの中に居ました。
今まで王女様を探す為にアイドル活動をしてきましたが、その王女様は雪山深くに氷漬けで眠っておられた為、テレビもネットも見ることなど叶わなかった。
アイドル活動には何の意味も無かったのではないか…と。
どんなに歌っても、その思いは届いていなかったのではないか…と。
その迷いはキュアエース人間態こと円亜久里さんにも見透かされてしまう。
今の貴様の歌には愛を感じぬ!
セバスチャン自家製のロールケーキを一口食べるだけで、そこに込められた愛を感じ取る円さん。
何かに込められた愛を感じ取るセンサーがとても優れているご様子。
エース人間態の名前は円亜久里(まどか・あぐり)。
“あぐり”は「これで最後」という意味で付けられるコトが多い女子の名前。男子が欲しいのに女子ばかり生まれる家で名付けられるとか何とか。
始まりを意味するエースでありつつ、最後を意味する名前をも冠している。さらに円はぐるぐると廻る無限を意味しているようでもあり…。
初めから最後まで…無限をも内包した、トランプで言うところのどんな数字にでも成り代わるジョーカー的な存在のようにも感じる。
ジョーカー…じょーかー… うぐぐ、やはりこいつの正体は…!
王女も見つかり、もはやアイドル活動に意義を見出せなくなった剣崎さんは引退を決意。普通の異世界人に戻ろう…。
相田さん達がお面やオーケストラ、子守唄で必死に引退を撤回させようとするものの決意変わらず。
相田さんは楽しそうに歌うまこぴーを見て自分も嬉しい気持ちになっていただけに、引退は残念でならない。
しかし、厳しいプリキュア業を前にして楽しんでいる暇なんて無いのだと剣崎さん。
歌によって自分が楽しんでいた事を否定する。
歌はあくまで王女さまの為に歌っていたのであって、自分の楽しみの為ではないのだと。
ですが、ラビーズによって通信した王女様によれば、剣崎さんの歌は氷漬けとなった王女にも届いていたとのコト。
歌を聴くとポカポカと温かくなり、元気が出た。
剣崎さんのアイドル活動は決して無駄ではなかった。届いていないと思っていた思いはちゃんと届いていた。
なんと王女様には地上波デジタルをキャッチする機能も備わっていたのか…さすがである。
王女は更に、自分の為に歌を歌って欲しいと告げる。
誰かの為ではなく、自分の為に歌う事。
それは誰の為にもならないかもしれない、無意味かもしれない。
でも、自分が歌いたいという気持ち、歌う事が楽しいという気持ちの為に歌う。
ジコチューと言われれば確かにそう。
しかし、相田さんが言っていたように、自分が楽しんで歌うことが誰かを楽しませる事も出来る。
自分の為に歌う事が、人の為に歌う事にもある。
ジコチューと他者への献身が同時に存在しうる。
遂に“自分の為”“人の為”というテーマが明確に、そして意識的に融合を果たした瞬間で、結構な胸熱を感じる。
中盤でここに辿り着くのかーという気もして、もしかしたら更なる高みも用意されていたりするのかしらん…。
しかし、王女の為に歌う事が“人の為”で、アイドルとして歌う事が“自分の為”なのか…。そこは丸っきり逆だと思ってましたなぁ。
王女探しが“自己愛”で、アイドル(ファンのため)が“他者愛”なのかと。
番組当初はソードさんは個人主義重視だったから、“自己愛”の強かったまこぴーが相田さん達やアイドル業によって“他者愛”を強くしていったのかなぁ…と。いやほれ、シンデレラ回でもファンの為の芝居が云々言うておったから。
うーむ、まぁその回のテーマによってモチーフが入れ替わるという可能性も無くは無いが…。読み違えたのかしら…。
となると…。
全体的にこのシリーズの前半では“他者の為に自分は何を出来るか”といった献身や他者愛を描いていて、後半にかけて“自分の為に”ジコチューも大切である旨を描いていく…のだろうかな?
まだその辺はふんわりとしか見えない…。
プリキュア5つの誓い
ひとつ――愛とは与えるもの。
大好きことを続けること。それもまた愛。
歌を届けることは、愛を与えることでもある。
“自分の為”と“誰かの為”とが融合して、更なる強い“愛”へと変わるのだとエースさんは言っているのだろうかなぁ…。
そういえば、見方としてはあの氷漬けの王女の言葉は本当の王女のモノではない、という風にも見えるんだな。
今回、王女との通信に使ったのは“鏡”なので、あの王女は実はまこぴー自身で、自分がこっそり思っていた事、言って欲しかった言葉を掬い取っていただけなのだという風にも見える。
自分のやってきた事は無駄では無かったと言って欲しい。
歌うことを自分の為に楽しんでも良いのだと認めて欲しい。
誰かに説かれるように自分の望んだ言葉を言ってもらって自己解決に至れる、そんな“鏡”かもしれない…。
あ、でもそうなると「ジョナサンが一緒にいるので安心です」という言葉と矛盾するか…。
まこぴーが案外と岡田を信用しているという事になりかねん…。
それはいかんな(ぇ)。
■謎生物の細胞を解析して作られた人工コミューンテーマが分かり易く、熱く描かれていて安心の成田にゃん回でありました。
しかし、あのマイクの販促はもうちょっと真面目にやって欲しいなという気がせんでもない。
せっかく商品化されているのだから、あのマイクでジコチューを倒すお話が一回ぐらいあっても許されるよ。
ちょっと前までロイヤルクリスタルでそれぞれの当番回を回していましたが、間にレジーナさんとエース登場を挟み、今度は5つの誓いでローテーション。
年間のシリーズ構成に殆ど遊び回が無いというのも納得である。
…と思っていたら何だよ、あの予告!!
てっきり四葉さんか菱川さんのお話だろうと勘ぐっていたら…凄いカウンターを食らった。
甲子園名物、夏のギャグ回…にはまだ早いんだけど…。
⇒
プリキュア 各話レビュー
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コメント
これが秘密の 秘密の切り札さ
そして今回メインのはずのソードを差し置き、バトルになるとオンステージのキュア小学生。
拘束技にも変化するとは……この分だと もしかして、バリアや斬撃技まで持ってたりしますか。
既存四人の能力みんな兼ね備えた、まさに切り札ビッグワン……?
ついでにジコチューと言えば相田さん、もしや今回、初めて自分のためのわがままを言ったのでしょうか。
アイドルのまこぴーが大好きだから、歌い続けて欲しいって。他人の仮面を被らないとそれを表明できないとはまた、意味深な。
>「ジョナサンが一緒にいるので安心です」という言葉
安心できる人でなかったら、彼に預けた責任問題になってしまいますからね(--;
てかあれ「女王さまが無事かどうか不安」な気持ちへのアンサーであって、必ずしも岡田さんを信用してることには繋がらない気が。
2013/07/17 13:39 by kanata URL 編集
2013/07/17 20:33 by オゴポゴ URL 編集
亜久里たん、カワイーッ!
2013/07/18 20:57 by ななし URL 編集
しかし「あぐり」ってことはキュアエースさんはランディックパワーなんでしょうか(え)。
2013/07/19 23:00 by 銀河勁風 URL 編集
◆コメントありがとうございます!◆
ソードさんメインなのにエースさんが出張るなぁと思っていたら、ああいう協力の方法があったのかと…。
それなら前回みたいに2体同時出現にすれば…いや、でもスーツ2着作るのも大変かぁ、お金もなぁ。
ジョナサンのくだりは、不安解消の材料としてならば岡田でも可であるということにすれば「鏡」としての正当性もあるのですね。
岡田さんをまっすぐに信用できるならこんな迷いは生じないのだけれど…。
>オゴポゴさん
バットマンのアルフレッドみたいだとは思っていましたが、自らヒーローになるとは…。
意外と真面目にヒーロー像を描く話だったりするのかもしれませんが…。
>ななしさん
おまわりさん、こっちです
>銀河勁風さん
人工コミューン…ついに劇中科学がバンダイさんに追いついた!
しかしこの作中においてはおよそ半年でそこに至ったわけですから、やはり今シリーズの人物は出来が違う…。
いやまてよ、ナッツさんもこちらの世界の技術を理解してパソコンつくってたか…
2013/07/19 23:43 by TJ-type1@管理人 URL 編集