■マスター・マナ生徒会長に弟子入り志願来る。
相田さんの力強く逞しい姿にほれ込み、自分もそのようになろうと弟子入りを頼み込んできた一年生の早乙女純くん。
来るもの拒まずと相田さんは弟子を取り、早乙女くんの付き人生活が始まるのでありました。
サブキャラクターには名前に数字が入っている事でお馴染みのこの番組だというに、純君には数字が入ってないのか…と、ちょいと気にかかる。
髪の毛の先がハネてるので、「純」はジャックの「J」を意味しているのではという気もしないではない。
あるいは「早乙女」じゃなくて「五月女」か…「乙」が「2」を意味しているか…謎は深まるのである…。
購買部の手伝いから始まり、怪我人の世話、書類の配達、ケンカの仲裁、生徒会の仕事…さらには赤ン坊の世話まで。
生徒会長の枠を超えた多岐に渡るその仕事の数々に、純君は思わずたじろいでしまう…。
そんな大変さすらも楽しいと言えてしまうだけの師匠の余裕が純君には無い…。
テニス部員のライバル選手の技をコピーして練習に付き合うという、もはや理解の及ばぬ技能を見せ付けられ、純君の気持ちは更に沈む。
あんなこと出来るわけが無い…もうあんなん人間ちゃうやん…。
何でも出来てしまう生徒会長。
大して何も出来ていない自分。
背も低くて足も遅くて力も弱い自分…。
だからこそもっと強くなりたい…大きくなりたい…。
そんな思いをイーラさんに利用されジコチューとなってしまう純君の心。
さすがにそれジコチューなん?と思うところですが、「人より自分が…」という部分の拡大解釈としてジコチューの範疇なのかしら。
まぁ、イーラさん達は勝手に心を増長させることが出来るのだから、ジコチューだろうと欲望だろうと向上心だろうと、何でもいいっちゃ何でもいいんでしょうけどね。
強く大きくなりたいという思いは象の怪物と化す。
強い先輩のようになりたいという願い。
しかし、強くなれば生徒会長のようになれるワケではない。
相田さんとて初めから強いわけではなかった。皆の期待に応えようと努力を続け、頑張り続けた結果として今の超人的なスキルが備わったのだという。
本当の強さとは、誰かのために何かをしたいと思うその心の事であると。
相田さんが強いのは、それだけ心…ドキドキ…愛が強いというコトか。
また、強くなりたいというまっすぐな願いはジコチューとは違うのだとも付け加えて純君の心を救う。
ではそもそもジコチューとは何なのか…という問題にもいずれ迫ってくれるのかしら…。
今回は戦闘中にゲストキャラの悩みを聞きうけて説得と解決に導いたりと、何とも「ハートキャッチ」っぽい作りのお話に感じる。
これまでは道すがらの通行人の心が悪用されていたし、ジコチューな心は浄化するというだけで成立していたけど、今回はそもそもジコチューじゃなくね?というのもあるから、ただ浄化すればOKとはいかないわけね。
こういうパターンの話もありなのか、なるほど…。
会長のようにはなれなくとも、自分なりのやり方で誰かを笑顔にすることは出来ると分かった純君。
自分の得意技術を活かして、花壇を花いっぱいにするのでありました。
見返すとファーストカットで花壇が映っていて、ちゃんと伏線はあったわけね…。
なるほど、すっきりと好いお話。
…と同時に、じわじわと相田さんの闇が見え隠れしてくる話でもある。
相田さんは自分のようになろうとする純君に対し、「あたしのようにならなくてイイ」と“自分らしさ”を大事にすることを純君に説いていた。
しかし、その相田さん自身はというと、他人の為に尽力するあまり自分がボロボロになっていくという“幸福の王子”。
「自分を大事にしろ」と人には言う割に、自身は「自分」というモノを捨てている部分が散見される。
また、人助けと称して“助っ人”稼業を引き受けているのも、相田さんの中に「自分」が無いからではないかという風にも見える。
“助っ人”として他人の願い事を聞き、他人の役を演じるのは、自分のやりたい事が無いからではないか…と思えてくる。
これは「スイート」前半の、自分の夢が無く助っ人ばかりしていた頃の北条さんと重なる姿でもある。
終いには他校のテニス選手の“コピー”まで出来てしまうというのだから、ますます“相田マナ”というオリジナルは何処にあるのだと思えてしまう…
相田さんは超人的に何でも出来るのだけれど、「何でも出来る」というコトは「何にも出来ていない」のと同じコトでもある。
ただ全ての平均値が高いだけで、何も特別に秀でてはいない。
言わば、超人的無個性なのではないかと…。
前回のお話では、チームに頼らずに一人で背負い込もうとする相田さんの問題点が見えました。で、今回は恐ろしいまでの無個性さを感じとるコトが出来ました。
一方では独りよがりのジコチューであるとも見えるし、一方では自己中心の自己が無い人だとも見える。
矛盾しているようでもあるけれど、自己犠牲的という意味では共通している。
ジコチューだけど自分が無いっていう…矛盾した解釈になってしまってまだ上手いこと言葉では掬い取れませんが、相田さんが大きな爆弾を抱えている事はだいぶ見えてきたような印象。
話を経るごとに、相田さんの中にある、およそ人とは思えぬ恐ろしさが感じられて怖くなって来るんだよね…。
■やっぱり7人おるんやろうか…プリキュアさんがパワーアップしているのに対しジコチュー軍団側もビースト化して強化していますが、さらに人員補強も行う模様。
ナベクミさんが女の子の声アテてる!という新鮮な驚きもありつつ(え)。
次回は久方ぶりに四葉さんのメイン回らしき装い。
今回のような学園エピソードだとナチュラルに絡めないだけに、どう盛り返すのかが気にかかります。
わざわざ一人だけ違う学校なのはちゃんと意味があるのだと信じたい。
べ、別に嫌われてるワケじゃねーし…!
⇒
プリキュア 各話レビュー
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コメント
絶チル!?
そういえば、純ってよく見ると絶チルで陸軍特務超能部隊に所属していた時の兵部京介に似ているような気がするな。
などと、純と絶チルの京介をダブらせて見ていたら、これまた物語の終わりでレジーナという絶チルの蕾見不二子にそっくりな女の子が登場!
そして、エンディングのクレジットを見たら純の中の人が絶チルで私のイメージしていた京介の中の人ということで、絶チルのアニメが東映の製作だったら京介の中の人は純の中の人になってただろうと、とても楽しめた話でした。
しかし、純の中の人が中の人だけに、薄い本は、マナたちが裸になって純を覚醒させるとか、数年後に純がマナを孕ませるといった内容になりそうな気がするのは私だけではないだろう(笑)。
>ナベクミさんが女の子の声アテてる!という新鮮な驚きもありつつ(え)。
ナベクミさんの女の子の声は、PC-FX版『女神天国』のルージュを忘れないように。
でも、レジーナがナベクミさんということは、絶チルのアニメが東映の製作だったら、不二子の中の人はナベクミさんになるだろうな(多分)。
2013/04/24 21:58 by ななし URL 編集
12ターゲット!! 生徒会長の弟子
そして確かに"無個性"と言われてみれば、相田さんは有能ですが「これ」といったものが無いように思えますね。最近で言えば「ウルトラハッピー」だったり「音楽」だったり…そういうものがまだ見えてないように感じます。
次回は謎に包まれていた四葉さんの境遇に迫るようで。過去回想を除いて1クールも引っ張るとは…でも学校じゃなさそうですね。そちらもいずれやるのでしょうか。
2013/04/25 21:30 by 銀河勁風 URL 編集
◆コメントありがとうございます!◆
絶対可憐チルドレンとの共通項がボクの中ではあまり感じられないのですが…。
GS美神は東映でしたっけね。
>銀河勁風 さん
見返すとテニス選手のコピーは背筋が寒くなる描写でもあります。怖いよ…。
きっとテニス部の彼女は強豪選手の攻略練習に付き合ってくれ、ぐらいしか言ってないと思うのですが…。
コピーという意味では…ディケイド…10周年だなぁ…もやしもテニスしてたっけな。
次回の話は映像から察する限りではお嬢様同士の熾烈な戦いって感じなんですかね。
庶民からしたら「勝手にやってろ」という感じにならないか心配だなぁ。
2013/04/26 20:40 by TJ-type1@管理人 URL 編集
ここにもプリキュアとの関連性が・・・
そうです。事もあろうにプリキュアと同じ枠だったのであった・・・。
>でも学校じゃなさそうですね。そちらもいずれやるのでしょうか。
うーん、どうもフレッシュ同様「ハブ」られる予感がヒシヒシと・・・。
2013/04/27 23:54 by 畑中 智晴 URL 編集
◆コメントありがとうございます◆
あえて、ぼっちであることがテーマ的に重要だったりするんでしょうかね。
財閥の子が公立中学通うのはリアリティないからというのは分かるにしても。
2013/05/02 01:43 by TJ-type1@管理人 URL 編集