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特命戦隊ゴーバスターズ Final Mission「永遠のキズナ」

メサイアさんとの2度の決戦を既にこなしている「ゴーバスターズ」。
その上で最終回で何すんねんと思っていましたが、ちゃんと満足感のある最終回に仕上がっていて、大変楽しませて貰いました。

特にラストでお姉ちゃんがヒロムをぶっ飛ばすところは声出して笑ってしまいました。
あぁ、ヒロムにあんな過保護だったお姉ちゃんがなぁ…。
■特命戦隊

エンターさんとの最終決戦は亜空間へと雪崩れ込む。

ヒロムの中にあるメサイアカードを抜き取るため、陣さんは自分の本体を犠牲にする…。
陣さんのデータが残っていたという話が出た時は、よもやこういう流れになるなどとは思いもよりませんでしたなぁ。

靖子にゃん…だけでなく最近は特撮全般でお馴染みの、最終回で消えちゃう展開。
ゴーバスでのそれは陣さんだったか…と思わせてカードを混入させられたヒロム…といった感じで、「また主要キャラが消える展開ですかー」と視聴者が感じる事も利用して、二重三重に構造を重ねているように感じました。
消えるという意味では同じだったはずなのに、見せ方を変えてきて最後まで魅せてくれたなぁと感心いたしました。

カードが出てきた時点でヒロムとエンターの関係で物語をまとめる事が決まっていたとはいうけれど、そこに消える事ありきで陣さんの伏線を重ねていたのか…やりはるわ。
まぁ、靖子にゃんは伏線だと決めずに色々敷いておいて、後で使えるものだけ使うというやり方を取っていたりもするそうですが。

ゴーバスは陣さんが出てからがグッと面白くなったと思っていましたが、最終回でも陣さんが持っていったという印象だよなぁ。
途中参加だのに凄くありがたい方であった…。

陣さんが消えてしまうというハードな空気に立ち戻り、「ゴーバスターズ」一年間のお話が思い返されて、楽しくて熱い最終回だったなぁと感じます。

割と序盤から謎だったウィークポイントの理由も分かってありがたい。
機械のような完璧な人間になってはいけないという危険回避プログラムだったのかな。

番組開始当初は人間らしさの足らなかったヒロムが、管理局の面々と触れ合う中で人間らしさを獲得し、最後は完璧な人間になろうとしたエンターさんとの対決。
この一年の積み重ねがあるからこその対決はなかなかに快感でした。
見ていて良かった。


■「ゴーバスターズ」

スーパー戦隊35作の集大成的なお祭りシリーズだった前作を経て、これまでにない新しい戦隊を見せようという気概に溢れる冒険作でした。

荒唐無稽が売りであるスーパー戦隊の中で、リアリティある空気を描こうとアイディアがたくさん詰め込まれていました。

特にこれまで等身大バトルの後の消化試合になっていた巨大戦を、構造から見直して有意義なモノに組み立て直したのは素晴らしいなと思う。
最初こそ、等身大怪人と巨大ロボのバトルが別個にあるとチームが分かれていてドラマが分散するのでは…? と気にかかりましたが、その辺はこちらの慣れだったり話のやりようで何とでもなるもんだなと。

この新たな巨大戦のフォーマットは今後も利用されてしかるべしではなかろうか…と思うのですが、次作のテーマが「ザッツ戦隊」ということで、またあのパターンになるのかも。
だとするとちょっと勿体無い…。
「ゴーバス」で育んだ物らが次に繋がってくれるといいなと思います…。

ただその、「リアリティ」を目指しながらも、守らなくてはいけない「戦隊らしさ」とのぶつかりが気にかかるシリーズでもあったかな。
ハードでリアリティあるチームが売りなのにマシンモチーフが愛らしい動物だとか、例年なら気にかからないような事も気になってしまうという罠です。
ライダーにおける「クウガ」の如く、全ての要素を現代的に再構築するとまでは出来なかったのが難しいトコロですよね。
ま、それやったから成功するってわけでもないしなぁ。

個人的には、陣さんとJが出た辺りからグッと面白くなったなぁと感じていました。
あと序盤で気にかかっていた要素がシリーズ後半で次々解消されていったという意味でも後半が楽しかったかな。
勿論それは序盤にかがんでいたからこその飛躍でもありますが。


結局メサイアさんってどうして生まれたの? とか、亜空間って何なの? とか、作中のエネトロンの存在意義って何なの? とか、ちょくちょく気にかかるコトも残っているけど、その辺は飲み込んでおくとしましょうか。

エネルギーに注視すると、どうしても原発問題を重ねられてしまうという危惧があるのに何でそれを選んだのだろうかと結構疑問だったんですよねぇ。
んまぁ、リアリティの高い「ゴーバス」世界において悪役がやろうとする目的って何だろう…と考えた際、「この世界を破壊する」=「エネルギーを奪う」という、割とシンプルな理由だったのかもしれない。
「世界征服」とかいう漠然とした悪の理由はゴーバス世界にそぐわないからねぇ。


■永遠のキズナ

フォーマットが堅牢になっていたスーパー戦隊において、新しい事に挑戦して、風穴を開けようという野心的なシリーズでありました。

全てが全て上手くいったとは思いませんが、しかし次に繋げる新たなスタンダードも生み出してくれたと思います。

新しい事をし続けないと死んでしまうからのぅ。


といったわけで。

「特命戦隊ゴーバスターズ」とそれに関わった全ての皆様へ――

このブログに足を運んで頂いた皆様へ――

どうもありがとうございましたですわー。


スーパー戦隊 各話レビュー
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コメント

理想の未来へ

新西暦、エネトロン、そしてバディ…様々な要素・テーマを盛り込んだゴーバスターズも遂に最終回を迎えました。
"現実"のリアリティと"戦隊"のリアリティを両立させようとしたためか、気になる点がはっきりと目に付いてしまいがちでしたが、それを補って余りある見所も多々ありました。特筆すべきはやはり、不完全なものが周囲との関係により完全に近づく…という点でしょうか。不完全ゆえに他者と繋がるという、"バディ"をテーマとしたゴーバスターズらしさは、終盤の二転三転する展開と合わせて強く心に残りました。

本作も一年を通してのレビュー、お疲れ様でした。

ぶつかり合うこともある でも同じ約束の為

紆余曲折・迷走の軌跡も否めなかったものの、善悪共にロボを密接に描いていく試みは面白かったですね。
金銀コンビ登場辺りから親しみやすさも出てきた辺り、やはり序盤から男児番組としての配慮を念頭に置いた上で、シリーズの新境地を模索して欲しかった所ではあります。

尊い犠牲となってしまわれた陣先輩…次回作の収集アイテムには歴代戦隊もしっかりラインナップされてるそうなので、
MOVIE大戦のライダー召喚式のような一時復活が待たれる所ですね(ぁ

◆コメントありがとうございます◆

>銀河勁風 さん
序盤はちょっと持て余しているなぁというテーマが後半で結実していく様はなかなか楽しかったです。
それだけにシリーズ前半は地味で、色のついたブルースワットみたいな感じでしたが。
しかし今まで巨大特撮としてのやる気があまり感じられなかった戦隊シリーズに新風を吹かせたのは最初から最後までお見事でしたなぁ。


>ゼノドレイク さん
前半と後半の空気が結構違うんですが、それはそれで面白いと言えるかもしれませんね。
まさかギャバンが出るなんて思いもよらなんだからなぁ…。
陳さんは来年の「VS」で、亜空間とちょっとだけ通信出来るようになって一瞬だけ復活!とかありそう。
電池の力で何とか…。
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