■ラブの無いカニ(crab)みなぎる愛によって誕生した、キュアハート様
変身前から既にスペックの高さを見せ付けてくれていたハート様は、いきなり幹部二人を翻弄。
まだ力を完全に操れるわけでなくともこの対応。
ハート様はスピードタイプなのかしら。
ジコチューは人間の中にある自分勝手さや、わがままな心
しかしそれはイーラさんやマーモさん達によって無理やり暴れさせられているだけで、本当は当人の心もそんな事をしたいわけじゃない。
それを感じ取り、その心を助けたいと願うハート様の胸からは新たなキュアラビーズがころりんと排出され、ジコチューの浄化に成功する。
胸のあれはただの飾りじゃなかったのか…。
相田さんは困っている人を捨てておけず、生身の状態でカニの怪物に説法を説くような、とても徳の高いお方です。
これまでのような「なんだか分からないけどやってみる」と変身し、ワケも分からずとりあえず殴りかかるタイプの主人公とはちょっと違う。
それだけ徳が高く優しいお方なだけに、さきほどまで説教していた相手に変身した途端に拳を叩き付けるのは行動として矛盾が起きるのではないか…? という危惧が生まれます。
ですが、ハート様は自分がジコチューを殴る事が被害者の心を救う事になるのだと理解する。
説教で怪物を更正させようと思う人が暴力に訴える、という矛盾を早々に解消してくれています。
これで、誰よりも広い心を持っている優しい主人公でありつつ、バトルアクションものの体裁もしっかり保てるわけですね。
なんとなくのルーティン的な流れで戦うのでなく、ハート様の決意をしっかり説明した上で戦うというのがありがたいね。
カニさんを浄化し終えると、謎の光でタワーの破壊は直りました。
ちょくちょく破壊が元に戻るシリーズはありますが、謎の光の登場は新鮮。誰かしらの意思が介在しているかのように感じられてしまう。
そのうち光の正体は明かされるのでしょうか…。
カニにやられっ放しだったソードさんは、ハート様に助けられながらも「仲間じゃない」と突っぱねる。
あんたなんかプリキュアってだけで、友達でも何でもないんだから!
以前、鷲尾Pだったかが「プリキュアにスレた子はいない」とか仰っていたのですが、既にプリキュア化しながらスレているってのも、これはこれでドラマ的に美味しいと思うんですよねー、うん。
ただ、こういった仲間要素を突っぱねるタイプの人は一人切りでも充分に強い事がお約束だと思うのですが…ソードさんの場合はその強さがさっぱり感じられないよね(うわぁ)。
弱いくせに仲間にも頼らないって…なにそれ、この人どうしようもないじゃん…。
■オスカー・ワイルド他人の幸せばかり考えて自分の身をすり減らす「幸せの王子」。
菱川さんは相田さんの事をそのように称する。
「幸せの王子」といえば自己犠牲を描いたお話として有名ですが、最後には宝石や金箔を失ってみすぼらしい姿となった王子は町の人々に捨てられ、相棒のツバメも凍え死ぬという苦い結末。
優しさに気付けない町の人々への皮肉もありますが、今の価値観で読めば、他人のことを考えるばかりで自分の幸せを考えられなかった王子にも問題があったと読み解ける。
「みんなが幸せになる」の中に自分が入っていなかったのですよね。…あ、あとツバメも。
高スペックで寛容で完璧にも感じられた相田さんですが、とても危うい人でもあるのだと菱川さんは指摘する。
完璧超人っぽい相田さんが周囲の人間を変えていく物語なのかなーとも思っていましたが、むしろこれは相田さんの方が変わっていかなくてはいけない物語なのだと示唆している。
そうしなければ、相田さんはいつかみすぼらしい「幸せの王子」になってしまうかもしれないのだから…。
序盤でいきなりバッドエンドルートを指摘され、相田さんの物語は結構厳しそう…。
■まずオムライス食べなオムライスを食べて回復した相田さんは、菱川さんにプリキュアになった旨をちゃんと説明しようと思い立つ。
しかし謎生物たちからプリキュアの事は秘密にしておかなくてはいけないのだと釘を刺される。
ジコチュー(組織名?)と戦えるのはプリキュアだけ。プリキュアのコトを知ってしまえば、その人を戦いに巻き込む事になるかもしれないから…。
意外と理由がハードでした…。
バレたら恥ずかしいだとか、条例で決まっているだとかじゃなかった。
なんやかんやと今年は端々がシリアスだなぁ…。
菱川さんに話せぬモヤモヤが募る中、新たなジコチューさんが学校に現れました。
「マックスハート」1話に登場した信号機怪人のリメイクですね。なるほど、これが10周年記念作か(え)。
今後も十面鬼やアポロガイストみたいに新規造形による過去怪人が登場するのですね。分かってる、みなまで言うな。
生徒たちを逃がし、相田さんは菱川さんの前で変身。
2話にして変身バレという熱い内容でグッと来ますね。
しかもすぐにジコチューに固められ大ピンチという展開。
ソードさんを捕まえたカニを操る幹部二人を翻弄するハート様を一撃でピンチに追い込む信号機ジコチューという…2話にして色々凄い事になってます。
菱川さんの協力によってピンチを脱したハート様はジコチューを浄化。
プリキュアの理解者を得つつ、戦いは続くのであった…。
…といった第2話。
信号機の後ろにボタンがあった際は声出して笑わせてもらいましたが、なかなか熱くて面白かったです。
相田さん視点、菱川さん視点、どちらから見ても熱くてドキドキする。
歴代主人公の中でもかなりのスペックを有する相田さんなだけに、ハート様は歴代最強ぐらいの力を持っていてもおかしくないなと思っていたのですが、カニにしても信号機にしても、ハート様は一人では勝てなかった。
ソードさんや、「幸せの王子」の手伝いをするツバメになりたいと言ってくれた菱川さんがいたからこそ、ハート様はジコチューに打ち勝つ事が出来た。
高スペックではないにも拘らず、友人の為に生身で怪物に向かっていく菱川さんが相田さん以上に格好よくて熱いです。
一人で戦おうとするソードさんと、何でも一人でやろうとしてしまう相田さんは意外と似た存在。
しかし相田さんは菱川さんに叱られ、友達を巻き込み、協力者として迎え入れる。
プリキュアは一人では戦えないのだから。
早速、超人だったはずの主人公が変化していて面白いです。
1話の時点では超人ッぷりが全面に出されていて感情移入し辛い面があったけど、“完璧だからこそ人に頼れない”ダメさとか、普通の感覚を持った菱川さんが入った事で、グッと見易く、入り易くなったなと思います。
そのおかげで熱さもドラマも感じられて面白い。
あぁ、この“燃え”重視が今後も続きますように…。
■ダディヤモンド次回は菱川さんがダイヤモンドさんになられるとのこと。
流れとしては今回で変身していてもおかしくないぐらいの活躍は見せていました。
ハート様の時と同様に、変身する前にヒーローの素質があることを提示してくれているように見える。丁寧だわね。
ただ、正体がバレたら仲間に引き入れるっていうのはちょっと怖い。
パーマン的な発想ですね…(え)。
あれ…そういえば…黄色って…?
⇒
プリキュア 各話レビュー
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コメント
菱川さんにプリキュアフラグ
って、名前から考えたらすぐにわかるじゃんか、とこういったツッコミは幼女向けアニメに入れてはいけません。
もちろん、信号がジコチュウーになって交通が混乱したのに警察が出動しないとツッコムのはもってのほか(笑)。
このようなツッコミを入れたくてがまんできなくなったら、大友隔離用プリキュア?アニメのビビットレッドを見ましょう(笑)。
でもビビットレッドのおかげで、今期のプリキュアは幼女目線で見ることができるようになりました。
もちろん、プリキュアとビビットレッドの両方見て萌えてますが(笑)。
2013/02/13 21:08 by ななし URL 編集
2ダウト!! 王子と燕
ソードさんは特別強くないにも関わらず、他者との関係を持とうとしない…というのは、かつてトランプ王国を守れなかったことを引っ張っているのでしょうか?下手に関係を持って、また守れなかったら…とか。
2013/02/13 21:30 by 銀河勁風 URL 編集
愛しさと切なさと心強さと
シリアスの比重は専らソードかと思いましたが、各自が抱える傷とそのケアにもしっかり踏み込んで描いてくれそうですね。
2013/02/13 23:27 by ゼノドレイク URL 編集
“P”はどこにいる?
変身後の方がむしろ「抜けて」いて、変身前に被ってた「完璧」な顔が崩れているのですよね。
素顔で生徒会長やってる時にはしなかったミスや、お茶目な表情を露呈するのが変身後という。
必要以上に人の話を聞こうとする「相田さん」と、問答無用の肉体言語に訴える「キュアハート」は、かなり意図的に対比されているような。
2013/02/13 23:38 by kanata URL 編集
2013/02/14 15:16 by はっさく URL 編集
たった1人きりのキミの存在が いつか世界のすべて変えるだろう
六花ちゃんが信号機ジコチューのボタンを押す、燃える展開! ジコチューの存在を一般人が認識できる設定が上手く活かされていましたね。一般人が戦闘に介入する事って、フレッシュだと結構ありましたけど、他のプリキュアだと雪城さんや星空さんの祖母様のような浮世離れした方や、
芸人さんくらいでしょうか?
ただ…ドキドキでは、戦闘終了後に破壊された物は修復されるみたいですけど、戦闘中に一般人が巻き込まれる危険性もあるんですよね…。そう思うと、シャルルがプリキュアの正体を隠すよう
マナちゃんを諭すシーン、説得力がありました。
これって、マナちゃん達の基本スペックが歴代最強クラスな事に対するハンデなのでしょうか…。
2013/02/14 20:33 by 寒色派 URL 編集
◆コメントありがとうございます◆
劇中の人間には名前に数字の入っている人も多いので、そういう方々もみんなプリキュアになるのかもしれません。ついにクラス全員プリキュアに…。
次週登場するというキュアダイヤモンド…いったい何者なんだろう…。
>銀河勁風 さん
完璧ゆえの欠点というのは有機的意味が合って好いですね。どちらかと言うと今までは主人公とは別の人が担うキャラクターでしたけど。普通ならソードさんの方が一見カンペキであるはずですからね。ところがどっこいあの人は…。
ソードさんは仲間がいなくなる辛さを味わいたくないから…みたいなコトでつるまないのかもですが、これからもジコチューにやられて助けられても「仲間じゃないし!」って言い続けるのかしら。
>ゼノドレイク さん
「ドキドキ」は結構丁寧に描いてくれているなという印象があります。
これまでのなし崩し的に変身させられるのとはまたちょっと違って楽しいです。
となると問題は出番の少ない黄色ですね…ソードさん以上にぼっち臭がするのですが…。
>kanata さん
相田さんがパー子なんですか。ソードさんはアイドルなのに…。
確かに変身後の方が飾っていないという面もあるかもですが。
プリキュアにおいては肉体言語はまさに言語なので、殴りあいも会話に等しい。
ならばハート様もまた対話による解決を望んでいると言えるかも。殴るけど。
>はっさく さん
映司は自分の問題に気付くまでシリーズ後半までかかってましたが、相田さんは2話で指摘されているというこのペースが見易いです。この欠損部分を何とかしないと、というのが視聴者に分かり易い。
1・2話のパイロットで既にゴールの姿がうっすら見えてテーマが濃縮されているというのも楽しいです。
>寒色派 さん
一般人にも怪物が認知されるけど、壊れたモノは元に戻るという今までのフォーマットのハイブリッドですね。
怪物が広く認知されるのはヒーローものとしての展開は幅が広がり易そうなんですが、今回みたいに非戦闘員を巻き込んでというのも楽しそう。
「押してください」がありなんだから、もっと色々あっていいもんなぁ。
2013/02/15 20:38 by TJ-type1@管理人 URL 編集
王子とツバメって…
このコメントのタイトル、「ツバメ」の言葉の意味から考えると、あの娘が喜びそう。
「ア●エリ●ンE●O●」で腐ってたあの娘。
中島某の声の腐ってたあの娘。
菱川嬢の「燕発言」は結構話題になってまして、確かに「一つ間違えば…」ってな際どい発言でした。
>高スペックで寛容で完璧にも感じられた相田さんですが、とても危うい人でもあるのだと菱川さんは指摘する。
第1話の時点である程度危惧してましたが、実はとんでもない暴走娘だと確信しました。己のスペックの高さを過信して、キャパシティの限界越えかねない事を平気でする。
それが例え人様の為になる事であっても、予想に反して出来なかった時の事考えると…。
そういう危険性孕んだキャラクターだからこそ、菱川嬢の様に苦言を呈してくれる人の存在って大きいですよね。
だけど、相田嬢はホント後先考えないっていうか、「出来る子かと思ったけど案外バ●だ」っていう意見もチラホラとあるみたいで、やっぱプリキュアのピンクポジションは“賢くない娘”がやるのが定番みたいです。
2013/02/16 12:06 by オキクルミ URL 編集
◆コメントありがとうございます◆
高スペックに過信して…というよりは、何でも引き受けようという性質が先にあって、それをこなすためにスペックを上げてきた…てことかもしれません。
その分の辛さや苦しさを自分が請け負うという意味ではやっぱり幸福の王子なのかしら。
しかし幸福の王子とツバメときますと、もう黄色の存在意義はどこにあるのか…。
2013/02/16 17:22 by TJ-type1@管理人 URL 編集
はじめまして
固まったハートを抱えてキューティーエスケープ、とはいきませんでしたね。その間にハートの顔がなぜか変わっているという事態に(違
ソードを見ているのは橘さんではなく速水校長(ぉ
2013/02/19 22:09 by 幻影 URL 編集
◆コメントありがとうございます!◆
ダークネビュラに消えた速水校長はここにいたんだ…!
2013/02/22 20:35 by TJ-type1@管理人 URL 編集