2012年 12月 19日
MOVIE大戦も今回で4作目。
前作が昭和・栄光の7人ライダーの客演だったのに対し、今回は第2期平成ライダー勢ぞろい。

ダブルからの4作でもうこんなにいるのかぁ…と思ったけど、第1期平成ライダー初期4作の場合だったら、その時点で20人超えてるんですよね…。
それ考えたら大したコトなかった。



■PART FORZE

フォーゼ編はテレビシリーズから5年後のお話。
理事長が去り新しく生まれ変わった天ノ川学園には、教師となった弦太朗の姿が。
教師になっても尚、弦太朗のモットーは変わっていない。
俺は学園の連中全員と友達になる教師だ、と。

話は弦太朗が受け持つクラスの生徒、現役ライダー部唯一の部員・ミヨッペと風田三郎を取り巻く内容。
超能力に覚醒した三郎達「怪人同盟」は旧人類たちに戦争を仕掛けようと、宇宙飛行士となったユウキの帰還船を破壊しようとしているという。
そして、それを食い止めるために結集する初代仮面ライダー部の面々。

アクションに定評のある坂本監督なだけに、これでもかというアクションシーンの数々。今回は格闘だけでなくヤマカシまで取り入れている…。
ただ毎回思うのは、アクションとアクションの合間に本編ドラマがあるような気がしてしまって、ドラマパートをもうちょっとゆっくり見させて欲しいなぁと思ってしまうトコロ。
今回で言うと、「旧人類に宣戦布告するために宇宙船を破壊する」とか言い出す場面が唐突な印象で「なんでや!」と感じてしまう。
展開が早くてアクション多くて落ち着くシーンが無いよなぁと。
いや、去年も思ったけど、それはもう若くないからそう思うだけなのかもしれんが…。

今回のお話では、弦太朗と三郎の対立と同時に、ミヨッペと三郎の対立も描かれている。
つまり、いつものように弦太朗が三郎と友達になれたとしても、それだけでは解決しない問題になっている。
弦太朗以外の二人、ミヨッペと三郎が友達になってくれなければ意味が無いのである。

だから弦太朗は二人に伝える。友達の大切さを。
教師から生徒へ教え、心を受け継ぐコト。
佐竹先生や賢吾から「まだ本当の教師じゃない」と言われていた弦太朗は、この瞬間に本当の教師になれたのだと。

しかしこの映画を見ていると「これはフォーゼの映画じゃなくてイナズマンの映画じゃないか」と思う人が多数な気がします。
超能力を手にして周りの人間から阻害され、心が捻じ曲がって怪物のようになってしまった三郎が、正しい心を取り戻してヒーローに生まれ変わる物語…ですよね。
クライマックスもフォーゼじゃなくてイナズマンだし、完全にイナズマン誕生を描いた映画に見える。
次のスパヒロ大戦出るのかな? あ、時系列が合わないか。

中島かずきさん曰く、「フォーゼ」はコレまでの話の中で全てやり切ったので蛇足的なコトはしたくない、とのことなのでこういうスタイルの話になったのかなーと思うんですけどもね。
蛇足にならず、教師・弦太朗としての姿を描くとこうならざるを得ないのだと。

弦太朗個人の話とかも見たかったりもしたのですが、番組として支障も無かっただけに描く必要も無いか。
それはそれで残念ではあるんだけどね…。


■PART WIZARD

ウィザード編に登場するわ美少女仮面ポワトリン。
アクマイザー達に囚われていたゲートのアンダーワールドに潜った晴人は、美少女仮面ポワトリンと出会い、その正体がアンダーワールドの主である上村優であると知る。

その世界ではポワトリンの誕生日という一日が繰り返され、街の人々は怪人と戦うポワトリンに熱狂的な支持を贈っていた。
誰もがポワトリンを羨望し、憧れ、期待する世界。
晴人はその世界から優を取り返し、現実へと戻そうとする…。

ヒーロー(ヒロイン)に憧れるという視点がフォーゼ編とも重なるような気がします。
ただ、ヒーローになったイナズマンとは逆に「夢見てないで現実に戻れ」というかなり現実的な解答を示しているのが世知辛い。
いや、でも浦沢さんはギャグに内包してリアリズムを描く作風でもあるだけに、らしいと言えばらしいお話なのかもしれない。

しかし今期のプリキュアさんを見ている身としては、ただ「辛くても苦しくても現実に戻らなきゃダメだ」と言われてもなぁ…という気はする。
晴人は「現実に戻ろう」と言うばかりで、「現実も捨てたモンじゃない、イイ事あるよ」とか言わないんだよね。その説得無しで辛くて苦しい現実に戻れというのは厳しいンじゃなかろうか…と思ってしまうかな。
それだけ現実を苦しいことばかりの世界だと捉えてるというコトなのだろうか…うぬぬ。

この「現実を生きろ」というのは、晴人がよく言っている「今を生きる」と通じる彼のモットーだったりするのかなとも思えますけども。

その後、ポワトリンは子どもに乱暴を働く悪魔に反抗し、ウィザードと共に戦う事に。
晴人の説得は世知辛いものであったけど、ポワトリンもまたヒーローになることが出来たわけですね。


■MOVIE WAR

MOVIE大戦編はウィザード編からの延長で、アクマイザーとの対決が描かれる。

フォーゼ編の新人類とウィザード編のゲートが繋がっているというのは上手いこと繋がって考えられている構成だなぁと感心しました。
フォーゼ編では「いきなり急に新人類とか言われてもさぁ…」と思っていただけに、しっかりその唐突感を解決してくれて助かりました。ふむふむ、なるほど。

しかし五年後の未来であの何ちゃらってな道具を回収しなきゃいけないのに、その前に世界を壊滅させちゃうのはタイムパラドックスじゃないのだろうか…。
悪魔に時間は関係ないのかしら。他で時間モノの統合性を保っているだけに、ここはちょっと引っかかる。
弦太朗の写真のオリジナルはどこから持ってきたんだろう…というのは、「ドラえもん」でもちょいちょいやられているコトなので問題ないと思う。ボクはね。

さてさて。
ウィザード編とMOVIE大戦編は、ナンセンスシュールな作風でお馴染みの浦沢さんが書くと聞いて思わず筆舌しがたい期待感を持って映画館へ行ったのですが、個人的な印象を述べると…その期待より浦沢色が薄いかなと(え)。

いや、浦沢さんがギャグだけでなく真面目なモノも書くということは重々承知ではありますが…ありますが…うん。
ボク個人としてはウィザードの映画を見に行くのではなく浦沢さんの映画を見に行くという感覚だったんですよね。その期待値からすると、どうしてもオーソドックスなモノに見えてしまう。
ただしこれはボク自身の期待値の問題なので、映画自体には何の問題も無かったコトは強く強く記させて頂きます。

いや、ちょくちょく変な場面はあるんだけど、もっと狂気的なモノが見たかった…のよね。
それこそ、あの最後の大オチのようなモノをもっと見たかったのです。
あれはひどい…ひどいよね…。

ストーリーはタイムリープなんかも取り入れて、コレまで以上に3編が一体感あるモノとして出来上がっていたように思います。
またアクション同様に坂本監督らしくお色気もよく利かしている。やたら脚のカットが多いぜぇ。
あれも大オチを見た後だと印象が変わるけど…う、うん…。

映画のストーリーとしてはよく出来ていたと思うのだけれど、浦沢作品に何か嗜好の強さを押し付けすぎた期待を持っていってしまったのかなーと。
カーレンジャーで特撮に回帰してきた身なモノで、なんかこう…夢を求めちゃうんだよね…。

是非テレビ本編にも参加して、かき回して頂きたいなとも思う…。

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COMMENTS

Commented by 銀河水晶 URL at 2012-12-20 23:30 #701gxeB2 Edit
Title : 青・春・教・師/仮面の魔法使い/究・極・魔・法
世界観と時間を超えた今回のMOVIE大戦。アクマイザーを主軸に今までで一番作品感の壁が薄かった印象がしました。変身後はともかく生身での戦闘シーンがちょいとくどかったですが、それを含めても今までのMOVIE大戦にひけは取らない出来だったと思います。

欲を言えばイナズマンにもちょっと出番が欲しかったですね。ポワトリンも最後に魔法でサポートしてましたし。まあでもファングジョーカーがカットされるような(おい)時間配分だったようですし無理ですかねえ。次回の『ヒーロー大戦』に出るにも時系列の壁が・・・。

>期待より浦沢色が薄いかなと
自分もカーレンジャーやらカブトボーグレベルの話になることに身構えた結果、ちょっとポカンとしてしまいました。予習としてポワトリン一気見したのは逆効果でした(え)。
最後の最後にはしてやられましたが安心もしました。
Commented by ゼノドレイク URL at 2012-12-20 23:58 #zHTyKSPE Edit
Title :
例年以上に結びついた両パート、変身前後共に怒涛のアクション、昭和ヒーローや先輩ライダー達への愛と、
副題の通り究極な程見所は数多くあったものの、やはり駆け足気味でシナリオに少々余裕が無かったのが惜しいですね。
ウィザード編では普段持て余され気味の凛子ちゃんや瞬平が活躍したりと、坂本監督ならではの新たな可能性が見い出せたのは良かったですけど。

>浦沢色が薄いかなと
初稿の段階では、「ライダー達がカラオケに行く」だの、
「宇宙温泉で宇宙サロンパスを貼る」といった案もあったそうですし、
クロスオーバーの共闘映画として無難な形に落ちついたんでしょうね。
尤も最後のアレは下手なファントムより、よっぽど絶望させられるぐらいの破壊力でしたが…w
Commented by 北風小僧のスナフキン URL at 2012-12-21 19:56 #BejLOGbQ Edit
Title :
三郎が変身するのが「イナズマン」である必要もなく、夢の中のヒロインが「浪速の美少女仮面」でも良かった訳ですが、大人の事情と言う縛りを上手い事料理するもんだと感心しきりです。子供達がかざした指輪からライダーが出て来るなんて完全に反則(販促)です。子供達のハートをがっちり掴んだ事でしょう。
過去の弦太朗が疑いもせずドライバーを渡してしまうのがいかにも弦太朗。個人的には、生身でアクマイザーに歯が立たず借りる事をひらめく的なシーンが見たかったです。最後の賢吾の「ドライバー復活の可能性発言」はズルいとは思ったけど、前回の映画で弦太朗が機械とも友達宣言してるので、それも許せるかと。
その他、映司が変身しなかった事、Wがルナトリガーではなくヒートトリガーにチェンジした事、流石分かってらっしゃると感心。リボルギャリー・ガンナーA登場にはもろ興奮(空を飛ぶならアクセルブースターにして欲しかったけど)。ライダーに対する愛着を感じました。
指輪があればライダーが出現という事で、ディケイドはお役御免ですね。
Commented by TJ-type1@管理人 URL at 2012-12-21 21:37 #- Edit
Title : ◆コメントありがとうございます!◆
>銀河水晶さん
弦太朗や流星が並んでいよいよ変身するぞ…と思いきや、生身でかなりの数を戦っていたのは驚きでした。まさかなでしこまで…。
イナズマンはスパヒロ大戦では時系列が…と書いてしまいましたが、よく考えたらディケイド的なメタ世界では時系列なんて関係ないかも。そのうちズバットやキカイダーも新デザインになるのかしら。


>ゼノドレイクさん
映画とはいえ各編が30分程度なのでアクションの多さを考えるとキツキツですね。しかも初めはオマケ程度だったMOVIE大戦編がどんどん長くなっているし…。
ウィザード編も大戦編も、せっかく浦沢さんを起用するのならもっとギャグが多くっても…とは思ってしまいます。ギャグを入れないなら別の人でもよかろうにとさえ…。
なぞの組織に壷を買わされる流星の話とか見たかったんですがねぇ…いや、テレビシリーズでの参戦を熱く期待します。


>北風小僧のスナフキンさん
初めは「指輪で子ども達がライダーに変身するの!?」と思いましたが、そうじゃなかった。でもあれはあれで子どもは嬉しいだろうなぁという部分をくすぐってきますね。
ま、アンダーワールドなので何でもありと言えば何でもありなんですけど、リボルギャリーの登場なんかはやっぱり素直に嬉しかったです。まさに今あるものを全部込めてやるという貪欲な内容になっていたと思います。
Commented by kanata URL at 2012-12-30 02:42 #wJSBs8tE Edit
Title : 時の中を走りぬけて
 いやあ、怒涛の勢いでしたね。ドラマパートは内容の重さに尺がおっついておらず、性急すぎた感も実際ありましたが。

 それはともかく晴人の言葉に重みが欠けていたのって、物語を一度は完結させたフォーゼと未了なウィザードの差だったのかなと。
 五年という時間差を置いたのは、弦太郎を名実とも「先輩」にするための意味を兼ねていたのでしょう。
 その上で言葉の重みが足らなくても、晴人の誠意が届くだけの関係性はちゃんとあったのだというあたり、オチへと絡めた仕込みすら万端。

 またフォーゼパートのあの「五年後」て、実にうまい仕掛けですよね。
 向こう五年はまだ学生の弦ちゃん自身が出られるかもしれない(でも後になるほど忙しくなるから出られなかったり代役だったりするかもしれない)。
 そしてその後のフォーゼはもう完全に、本編と色々違ってたりとか能力が減ってたりとかするかもしれないけど仕方ないんだ!という。もの凄いアリバイ作りもあったものです。

 ……ところで今回の演出からすると、遠からず本気でプリキュアがクロスオーバーしてきそうな予感も少々……
 変身ヒロインをきらきらした効果音つきで、ライダー達の戦場へ投入するための仕込みというか実験……というのは、勘ぐり過ぎかもしれませんけど。ポワトリンのみならず、やたらとヒロインたちの大暴れが目立ってたような。
Commented by TJ-type1@管理人 URL at 2012-12-30 21:52 #- Edit
Title : ◆コメントありがとうございます!◆
>kanataさん
晴人はまだまだ劇中で語られていない部分もありますので、そのバックボーンは影響したのかもしれませんね。あるいは他社の説得云々じゃなしにポワトリンさんが自分で気づくというコトが重要だったと言いたいのかもしれませんが。

これを気に少女モノ特撮の復古を狙っていたりするのかもしれませんね。
最近のプリキュアさんは企画書に、大人ではない子どもの男子も取り込みたい云々と書かれているという噂もありますが、ライダーは逆に女子層を取り込もうとしているのかもしれませぬな。

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