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『仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!』

先のMOVIE大戦では宇宙生命体と友達になった如月弦太朗。
今回の映画でダチになろうと試みるのは衛星兵器の機械生命体。

学園と地球と宇宙を舞台に繰り広げられる「フォーゼ」の集大成です。
■爆発!爆発!!

お話は、毎度便利な噛ませ犬であらせられる財団Xの取引現場が襲われるところから始まる。
財団Xは何やかんやと毎回痛い目にあってるなぁ…ご愁傷様。
強襲をかけたのはアリシア連邦工作員インガ・ブリンクと鉄人ブラックナイト。
インガさんは衛星兵器のⅩⅤⅡに搭載された超重力子砲を使って世界を混沌の渦に飲み込ませようとしているのである…と弦太朗たちに教えてきたのはオスト・レガシーなる外宇宙開発機構の白山さんと冴葉さん。
そうなる前に衛星兵器を破壊する為、ライダー部に助けを求めてきたのだという。
ライダー部の面々は宇宙へ行く為の訓練を積み、ⅩⅤⅡへカチコミをかけるのであった…。

計らずも「自分の力で宇宙へ行く」というユウキの夢が叶ってしまっているようにも思えますね。テレビシリーズの方では宇宙飛行士選伐はうやむやになっていましたが、これはこれで良しなんじゃないかなーなんて、うん。

ストーリーは、ⅩⅤⅡに行く為に訓練し、宇宙へ飛び立ち、破壊工作して、しかし実は…といった風にガンガン進んでいきます。
とにかく「MOVIE大戦 MEGAMAX」同様に、アクションが多い多い!
ここは繋ぎのくだりだからサラッと済ませてイイだろうという部分でも、これでもかというアクションの分量!
擬似ホロスコープス相手に40個のスイッチを全て使い切る怒涛のアクション。スイッチの使い方が上手いと言われる坂本監督だけあって、40個のモジュール全てに見せ場を持って来ているのが見事。
個人的には「ウォーター」→「スクリュー」の使い方に感心しました。うわ、そんな手があったのかと。

このくだりでは次期ライダーのウィザードさんもご登場。
声の加工がこれまでとちょっと違うみたい。
果たして男児相手に指輪が受けるのか…これもまた新たなチャレンジだなぁ。

ⅩⅤⅡへの破壊工作は衛星兵器の機能を止めるものではなく、人類への反逆を画策する機械生命体・宇宙鉄人キョーダインの封印を解くものだったのでした。
かたやインガさんとブラックナイトは、それを止め様としていたのだという。ここまでの善と悪の図が逆転してしまう。


■おにぎりライダー 対 宇宙鉄人

フォーゼ対キョーダインで、宇宙最強とんがり頭決定戦とは塚田Pの言ですが、キョーダインが最後まで悪役を貫いていたのは「おッ」と、ちょっと意外でした。
過去ヒーローのそういう扱い方も有りなのかーと。ちゃんと石ノ森プロの許可は得ているそうですがね。
今回のキョーダインは、兄弟のキョーではなく、凶悪のキョーだってね(へー)。

個人的にはキョーダインに対して世代的な思い入れも無いのでさほどのコトは感じないのですが、この点に納得出来ないオールドファンもいらっしゃるらしいですね。
うーむ、でもまぁ…コレはスターシステムみたいなものだと思えばいいんじゃないかなーと思うンですけどねぇ。
キョーダインという役者が、時に善人、時に悪人を演じているだけなのだと。
(そもそもキャラクターとしては別のキョーダインだけど)

テーマに照らし合わせると、フォーゼの「友情」に対して、キョーダインは「家族」と見る事が出来る。
どちらも一般的には充分に正当性のあるテーマなのだけれど、「仮面ライダーフォーゼ」という番組における最も重要な劇中善は「友情」なのです。
であれば、たとえ「家族」「兄妹」であっても、「友情」の前に敗北するのは仕方の無い事だったのだろうなと、そう思うんだなー。


■みんなで宇宙キターッ!

「仮面ライダーフォーゼ」は『宇宙モノ』であり『学園モノ』でもある。
ここまで宇宙を舞台に描かれてきた物語は、クライマックスで一気に学園へと戻ってくる。

ライダー部の面々が弦太朗を助ける為にと、40個のスイッチを学園の生徒・教師たちへ託す場面。
これまでライダー部が、弦太朗が、関わってきた、友達になってきた人々が次々に登場する。
弦太朗に助けられた友人達が、今度は弦太朗を助ける為にスイッチを押す。

涙・腺・崩・壊
気付いたら眼球が潤っていました。
これまで新しい友達が出来る度に、使えるスイッチを増やしてきた弦太朗。
スイッチは友情の絆そのモノなのです。

これはもう…この一年間「フォーゼ」という番組を見てきた人達へのご褒美みたいなクライマックスですね。

画面には映っていなくても、視聴者もあの40人の中に入っているのです。
映画館に居た誰もが、あのカウントダウンでスイッチを押したはず。
たとえ現物がその手にあろうと無かろうと、その親指を思わず動かしてしまったコトでしょう。
視聴者もこの一年間でまんまと弦太朗の友達にされていたんだぜ、まったくよぉ。

「ダブル AtoZ」の際にも、これまでのゲストが登場するというシリーズの集大成的なクライマックスが用意されていましたが、今回はそれをさらに明確に強化させた印象でした。
物理的に40個の絆が映像の上でも表現されていますからね。

映画のサブタイトル「みんなで宇宙キターッ!」。
そういう事だったかと膝を打つぜ。
あとEDロールでの怒涛の「友情出演」でもちょっと涙腺がぶり返しました。
うーむ、まさに紛う事なき友情出演であるな。

新たに生まれたフュージョンスイッチの力でフォーゼが変身するのはメテオフュージョンステイツ。

CMなどでフォーゼとメテオの姿が融合したそのビジュアルを見た際には、コズミックステイツがライダー部全員の絆の力で出来上がったというのに、今更フォーゼとメテオの二人分の絆での新ステイツってのはパワーダウンじゃないか?と思ったものです。
しかし、実際にはそこに40人以上の絆の力が加わっているのだとは…いや、なるほど上手い事やるもんだ。

この映画のクライマックスが「フォーゼ」というシリーズ自体のクライマックス過ぎて、これがテレビシリーズじゃないってのがちょっと悔しくもあるんですよね。
これをテレビで出来ていたらホントにとんでもないコトになっていたかもしれんわ…うむ(メインステージはあくまでテレビという考え方なので)。

この映画を見る事で「仮面ライダーフォーゼ」というテレビドラマは完結する。
そう思うぐらいに見事な集大成を見せてくれていると思う。


■Switch ON!

細かいコトを言えば、40個のカウントダウン完了と同時にフュージョンスイッチが弦太朗の手元に現れて変身、といったテンポの方がテンションはさらに上がるだろうなぁーとは思ってしまったかな…。
途中の、賢吾がフュージョンスイッチを届けるくだりは映画的に省いてしまって好かったんじゃないかなーって…な。
感動シーンから直接テンポを繋げて欲しかった。そこだけどうにも勿体無く感じる。

そんなこな言うてますが、クライマックスの高揚感はこれまで見てきたどのライダー映画のそれよりも強く感じました。
この一年間、番組を見てきて良かったと、この番組終了時期に公開する事をしっかりと巧みに利用しているのが「ダブル」同様に憎いです。

記事を書いている時点で最終回は見ていないワケですが、この映画でもって一つの大きなカタルシスと満足感は得てしまったなぁと思い至るのでありました。


仮面ライダー 各話レビュー
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コメント

友情は素晴らしい

あのスイッチオンの演出など友情というテーマは十分描けていたと思います。
そしてアクションも素晴らしいものばかりと十分評価するに値する作品です。

ただ、個人的にはキョーダインを何の説得もせずに倒したことを除けば。

オールドファンからしてみたら、当然納得するのは難しい扱いだと思います。
いくら別のキャラクターと思ってくれと言っても久しぶりに出たキョーダインが悪役というのはね。

正直ファンなら善玉として出して欲しかったと思うので、そういうファンを大事にしないキャラクター作りはどうかと思います。

この先キョーダインがいつでも出せるというわけでは無いのですから。

それにいくら友情が大事だからとはいえ、自分達の友情のために一方的に相手を倒す行為が善として扱われるのはなんか嫌なので。
自分達が良ければ自分を邪魔するやつは消してよいのかと。

そりゃキョーダインは自分たちのためにライダー部を利用し、博士やブラックナイトを消した邪悪な存在です。

でもそいつらと同じことをやったら同じ穴の狢だと思うのですよ。

友達の方が家族より数が多いから良いというわけ無いでしょうし。

フォーゼという作品は人の死が少ない作品です。だからこそ、相手を倒す時はもっとしっかりした意味付けをして欲しいと思います。
倒れた者は生き返らないのが基本なんですから。

◆コメントありがとうございます!◆

>バディムの人さん
悪役ではあるけれど、映画にたっぷり登場できたから美味しい、という見方もまたあると思うんですよ。
現実的にマイナーキャラが前面に取り上げられる事自体が稀有ですからね。
人気の無い過去キャラは登場出来る機械があるだけでもありがたい話なのだとは某氏が言ってましたが。
悪役だけど出番が多いか、正義だけどチョイ役か…どちらがイイかは捉え方によってような気もします。
「ウルトラ銀河伝説」でウルトラマンマックスさんが一瞬でやられた際には「くそう!」と思ったモンです。

あとキョーダインを倒しちゃってイイのかについては、どこかで劇中善と劇中悪の線引きをしないといけないって問題がありますよね。一応伏線として「衛星兵器とも友達になる」とは言っていても「キョーダインと友達になる」とは言ってないんですよね。
もうひとつ言うと、もし今回の敵が「キョーダイン」じゃなかったなら、倒しても誰も何も感じなかったかもしれない…という気もします。
キャラクタービジネスもまた戦場なのではないでしょうか。

泣けました

「衛星兵器とも友達になる」は力技でも弦太朗ならありかな、と思わせる事はできただろうけど、賢吾に「アストロスイッチも機械だよな」と確認するシーンを入れる辺りに作品作りへの丁寧さを感じました。JKが新田に頼み込む所が得に印象深いです。Wに比べたら初見の人には置いてけぼり感が強かったのでしょうね。坂本監督の安定感はすばらしい。

機・人・超・越

多少テンポの悪いところもありましたが、それ以外は本当に大満足の出来でした。
キョーダインが終始悪役だったのは確かに残念ですが、それに目をつぶれば本当によくブラッシュアップされていると思いました。デザインもさることながら、目玉の超絶変形や元に戻るときの掛け声など、知っていればニヤリとする点も多かったですね。自分がリアルタイム世代ではないのでそう思えるだけかもしれませんが。

弦太朗とライダー部、そして天校関係者の友情の絆で完成したフュージョンスイッチ。その設計図はXVⅡから送られたものなので、同時に弦太朗とXVⅡとの友情でもあるというのは見事でした。
自分は40個のスイッチの下りよりも、自爆しようとするXVⅡを弦太朗が説得するシーンに涙腺がやられました。機械と人との友情とかには弱いもので。

◆コメントありがとうございます◆

>北風小僧のスナフキンさん
「アストロスイッチも機械」のくだりは、「機械と友達になる」コトを見ている子どもに分かりやすく説明しているなぁと感じましたね。キッズ向けとしての視点をしっかり守っているなぁと。
テレビシリーズの集大成的な作りだけに、一見さんお断りという部分があったのは確かにですね…。
映画だから出来た事とはいえ、出来ればテレビのクライマックスで見たい展開でもあるんですよね。


>銀河水晶さん
キョーダインはチェックしてないんですが、色々とオマージュは多かったらしいですね。
インタビューとかでスタッフのみんなが口を揃えて「パクパク」言うてるのが気になります。
弦太朗の味方をするXVⅡのパーツは、キョーダインに支配される前に本体から切り落とされているので行動も思考も自由に動けた、というのが細かいトコロながらなるほどと思っていました。
バッテリー積んであるのかといった疑問はありましたが。

宇宙鉄人だけじゃない

宇宙鉄人だけじゃなく、あの大鉄人まで!あの登場はサプライズだったので正直驚きました。
キョーダインが悪役だったのは正直言って「ファンに申し訳立つんだろうか」と疑問でしたけど。今回の石ノ森ヒーローのオマージュキャラは善悪が逆転していたように感じます。原点の大鉄人17だと敵ボスの名前がブレインというコンピューターでしたから、今回はそれを善玉にして善玉のキョーダインを悪側にしたんでしょうね。「じゃあそれに何の意味があるのか」と言う疑問はありますけどw
フォーゼ最終回にXVⅡがフォーゼの救援に駆けつけるとかやってくれたらなぁ…

◆コメントありがとうございます!◆

>乾坤一擲さん
途中で善側と悪側が入れ替わるので、始めに善側と言って近づいてくる人がオリジナル番組での悪役だと見え見え過ぎるってのもあるんですかね。
MEGAMAXで財団Xが使用していた宇宙船が、今回はライダー部が使う事になったりといった善悪の逆転もありますけど。
とりあえずXVⅡが友達になったことで、今後のスーパーヒーロー大戦でライダー側が巨大戦に取り残される事はなくなったのかもしれません。

キョーダインだからという訳でなく

 友情出演として、ああいう形も無しではないと思います。
 ただ弦太朗が説得しようとする素振りすら見せなかったのは、さすがに少々気になりました。

 ついさっきまで仲間だったはずの人たちを、ああもあっさり敵扱いで割り切ってしまうのかなと。
 会話が通じるかどうかすら不明な、ⅩⅤⅡと友達になるため宇宙へ上がった弦太朗なのに。

 本性を見せた宇宙鉄人に対してもあらためて友情を説き、手酷く拒絶される経緯くらいは踏んで欲しかったところです。
 ファンの怒りに火を注ぎかねませんが、そんなのは生身の弦太朗をなぶらせてる時点で覚悟の上でしょう。

 この部分の違和感さえなければ、他は本当に良くまとまったいい映画だったのですけどね。
 フォーゼ側の主張が終始「絆の勝利」なものだから、なおのこと落ち着かなくなってしまい(汗)

◆コメントありがとうございます◆

>kanataさん
友達になるというテーマと、娯楽映画として最後に敵さんを倒したいという目標は落としドコロが難しいですね。
ちょっとでもキョーダインを説得してほしかったという意見も結構あるんですよね、なるほど。
映画では、倒す事が決定事項なので最初から考慮の外という流れになっていますが。説得して友達になれなかったら倒すというコトとどちらがイイのか…。それはそれでヒドイ気もする。

敵さんと友達になるというクライマックスは、映画でなくテレビで味わえるという名目は立つかもしれないのですがねぇ。
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もう最終回終わったのに、2日目に見に行ったのに感想書いて無くてすみません(´・ω・`) ということで、映画は追記に・・・。

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