■「いいとも」が夕方に放送している衝撃(え)バスもタクシーも無い田舎の町(村?)へと降り立った星空さん一行。
山に囲まれて何も無… 自然がいっぱいのその場所は、星空さんの祖母様が住んでいる土地なのでした。
駅から歩いてきたおかげで皆さん疲弊し切っていた様子でしたが、バスもタクシーも無い土地なら誰かに車で迎えに来て欲しかったコトでしょうに。
おばあ様も徒歩で迎えに来たところを見ると免許持ってないのかしら…不便だねぇ。
おばあ様の家は縁側から山を望む事が出来る風流な御宅。
川の水で冷やした野菜をかじりながら、星空さんは幼い頃におばあ様から聞いた話を教えてくれる。
この山に住む天狗や河童、座敷童などが子どもを助けてくれたお話だという。
その手の話は大概、子どもが悪さをしないように怖がらせる類のモノが多いのですが、おばあ様のお話は全て物の怪に助けられてウルトラハッピーのお話ばかりなんですね。
まぁ、「悪い事をするな」と「良い事をしましょう」という語り口の違いであって、言ってる事は同じなのかもしれないけれど。
孫の「おとぎ話は全てハッピーエンド」思考の原点はここにあったのか…。
見方の問題であるならば、星空さんの目には「マッチ売りの少女」だってハッピーエンドに映っているのかもしれないしなぁ。天国に行けてウルトラハッピーだよ!てな。
今回は全般的に静かな演出なのだけれど、川原のシーンではBGMのせいか若干怖い話なのかなぁとも思えてしまいました。
自宅に戻ったらお母さんから「おばあちゃんは十年前に亡くなったじゃない…」みたいな(え)。
よかった、星空さんの脳は思ったほどメルヘン脳じゃなかったんだ(ぉぃ)。
星空さんはしっかと現実も見ている。
そんな現実的側面から、おばあ様も一緒に七色ヶ丘で住まないかと誘ってみる。祖母一人、田舎で暮らしているのは何かと不安なのであるからして…。
しかし、おばあ様はココには自分の宝物があるから…と。
翌日。
毎年思うところでもありますが、ウルフルンさんは驚異的エンカウント率によって星空さんと遭遇。
もうギャルゲーの主人公かってレベル。
今回の話を見るとおばあちゃんルートもあるでコレ(え)。
お約束通り、バッドエナジーを回収しようとするウルフルンさん。
こんな人のいない土地で集めるこたぁないのにとも思いましたが、なんと星空祖母様には効果がありません。
ははぁ、戦後の混乱期からこれまでを生き抜いてきたおばあ様にとって、狼の恫喝程度では絶望するようなコトなど何もないというコトなのでしょうか。もっと恐ろしい事は今までに沢山あったのだ(え)。
ずっと真っ暗でも絶望しないのか、と揺さぶりをかけるウルフルンさんですが、おばあ様はそれにも動じない。
笑顔で一生懸命頑張っていれば、いつかお天道様は昇るもの。
灯り一つ無い暗闇に見える夜の里でも、空を見上げれば満点の星が輝いていたりするように。
辛く苦しい時こそ笑う。そうすれば幸福は訪れる。
笑う門には福来る。ハッピーだからスマイルになるんじゃない、スマイルを作る事でハッピーになるのであると。
おばあ様の言う「たからもの」。
星空さんは、この里にあるモノ全てがそれではないかと言う。
特別なモノではなくても身の回りにある幸福。
これもまた「青い鳥」のそれか…。
里の危機を救ったのは山から吹いてきた天狗風と、池の中にいた謎の影でした。
おばあ様はその風や影の正体を知っているかのようにも見える。
星空さんが聞いた、天狗や河童、座敷童に助けられた子どもというのは、おばあ様のコトだったのでしょうか…。
星空さん達が人知れず宇宙を救う物語の主役を任せられているように、あのおばあ様が主役の物語もまたここに存在しているというコトなのかな…。
それ、50年ぐらい前にアニメ化してるかもしれないよね…。
19話以来の境演出回で気合の入ったお話なのですが、その19話とこの27話と、どちらも「たからもの」に関する話というのが面白い共通項。
19話の方は、ミステリーのように謎が解き明かされながら黄瀬さんの「たからもの」が何かを描くお話。
かたや今話では、最後までおばあ様の「たからもの」が何かというのは明確にされないのだけれど、日常パートの中でそれとなく示唆され、描かれているモノを自由に汲み取って下さいというスタンスの話に見える。
最後に答えを持ってくる米村流と、話の途中に実は答えが置いてあるという成田流。
どちらも「『たからもの』が何か」を探す話ではあるのだけれど、米村さんと成田さんのアプローチの違いが透けて見えて、両者を比べて見るのも面白いなぁと思いますね。
■河童にやられる裁鬼さん天狗と河童の存在を匂わせつつ、画面には一度も映さないトコロに上品さを感じる演出でした。
夜空の星や青い鳥みたいなもんで、そこにあると気付く人には見えるモンなのかもしれない…。
メルヘンとは信じるコトだとも前に言うておったような気もするしなぁ。
夏っぽい話が続く中、次回も夏っぽく怪談話。
これもまた、そこにいると信じる者には見えるのやろうか。
あと緑川さんは日増しに苦手な物が増えて来ますね。
シリーズ序盤の完璧人間っぽさは見る影も無いや。
⇒
スマイルプリキュア 各話レビュー
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コメント
真・妖怪大決戦
なんだか今期はオールスターズの大海獣的な演出といい
水木しげる作品的なものがちょこちょことありますよね。
おばあちゃんがキャンディに気づいたのも
多分普段から妖怪と関わってるからなんでしょうか?
・・・するとキャンディは妖怪の類?(; ・`д・´)
2012/08/22 21:13 by 人形 URL 編集
高性能ばあちゃん
プリキュアという作品に限らず、永い人生で色々なものを、目で見て肌で触れてきた方の言葉は、
一人間としてそのまま座右の銘として拝借したくなるものですね。
>シリーズ序盤の完璧人間っぽさは見る影も無いや。
この手の堅物は、一度ネタ要素がつくと、みるみる原型を留めなくなっていくことを常々実感しますね。
かの格好良すぎる人や、最高な人がそうであったように。
2012/08/23 08:38 by ゼノドレイク URL 編集
メルヘンは海外だけじゃない!
今回の派遣員はウルフルンだったのは、マジョリーナだとおばあちゃんと被るしアカオーニだと親近感が湧き過ぎて妖怪さん達も攻撃しにくいからだと思います。加えて山姥とかアオオーニが出てきて収集つかなくなったり(チョ)
2012/08/23 21:15 by ミスターグラブシ URL 編集
祖母を訪ねて里山へ
同じ御祖母ちゃんでも雪城さなえさんや花咲薫子さんだったら、声優さんのイメージからウルフルンに拳をお見舞いそうな気も…。みゆきちゃんもやがて、タエさんのような素敵な御祖母ちゃんになるのでしょうね…。
>天狗と河童の存在を匂わせつつ、画面には一度も映さないトコロに上品さを感じる演出でした。
男の子向け番組ならチラッと出していたかもしれませんね。プリキュアが女の子向け番組で、本当によかった…。
2012/08/24 20:50 by 寒色派 URL 編集
◆コメントありがとうございます!◆
「ゲゲゲの女房」が流行ったと聞いてぶっこんだのかもしれませんね。ただそういうモノは流行ってから入れると出来上がった時には遅い。あるいは、「ゲゲゲの女房」で水木作品が盛り上がる少し前に「鬼太郎」を終わらせてしまった東映さんの失策もありましたけどね(うわ)。
妖精と妖怪に大差ないことを考えると、そもそもプリキュアは妖怪アニメだと捉える事も出来るかも。
>ゼノドレイクさん
かなり理想的な大人として描かれていましたね。実際の60代後半のおばあちゃんならどうなっていたか…という気も少しありますが。最近のシルバー世代は若いからあそこまでの域に達するコトが出来るだろうかと…。
緑川さんがどんどん残念な感じになるのは、平成ライダーで最初はカッコイイ人がどんどんへたれていく方程式にあてはまるのですね。
そう考えるとむしろマシだったかと思えてきます。
>ミスターグラブシさん
やはりおばあちゃんは50年前にアニメで主人公をやっているのかもしれないですよ。
その時代の作品なら今はNGのやばい話もガンガン放送してるかもですし、今更ウルフルンさんの脅しごときに脅えないのも分かります。普通に核ミサイルとか出る時代だしなぁ…。
てか、妖怪のたぐいがこの世界にいるのなら、もはやメルヘンランドと何が違うのか分からなくなってきます…。
>寒色派さん
世界名作劇場での恐ろしい出来事の数々に比べれば、あの程度で絶望していられないのかしら…。
結局、ウルフルンの言う絶望も絵空事のメルヘンでしか無いのかも知れない。ありもしないメルヘンと、ありもしない絶望。そこに大した差は無いのかも。
結局、河童などを1カットも出していない演出ですが、これまでスマイルは入れ替わったり透明になったり、何でもありな雰囲気でやってきているだけに、こういう現実的な範疇に留まった演出をされると映える、というのもあるのかもですね。
2012/08/24 21:36 by TJ-type1@管理人 URL 編集