2012年 05月 17日
全てのライダー世界を繋ぐことが出来る仮面ライダーディケイド。

全てのスーパー戦隊が一つの世界に存在している海賊戦隊ゴーカイジャー。

そして両ヒーローが激突しあうのが―― 「スーパーヒーロー大戦」の世界。


互いに戦い合い、潰し合う、仮面ライダーとスーパー戦隊。
ヒーローと邪悪な存在が結託して、互いに相手の一派を倒さんとしている。

ライダー・大ショッカー連合の大首領は門矢士・ディケイド。
スーパー戦隊・大ザンギャック連合の大帝王はマーベラス・ゴーカイレッド。

仮面ライダーとスーパー戦隊…
この世界に生き残れるのはどちらか一つしか無いという…


■だいたい分かった… ような

「オールライダー」「MOVIE大戦」「レッツゴー」といった白倉・米村布陣のオールライダー映画の系譜を継いでいる作品だけあって、ストーリーのフォーマットもスーパー戦隊の「VS」シリーズというよりは、オールライダー映画のそれと言った方が相応しい。
歴代“キャラクター”が共演する「ゴーカイジャー」の世界観ではなく、歴代“作品”が共演する「ディケイド」の世界観なのです。メタァ。

だから死んだはずの敵キャラクター達も当たり前の様に再登場。
海賊連中が敵キャラに対して「倒したはずなのに!?」などと仰っていたのは、「ゴーカイジャー」がメタ要素の薄い作品だから、そういった展開には慣れていなかったからなのだと察する事が出来る。
劇中での生死なんてメタ世界においては関係ない。
その世界における死とは、お客さんに忘却される事なのだから…。
分かり易い例が「MOVIE大戦」における電波人間タックルだな…(ぅゎ)。

映画のストーリーは「オールライダー」や「ディケイド」TV最終回によく似ているなぁという印象。
3年経っても同じ事してるのかディケイド!と笑ってしまう点でもある(ちょ)。
あ、でもさすがに前回の経験があるからなのか、今回のもやしは騙されるのではなく騙す側に回っているけど。
おのれディケイド!

東映のクロスオーバー作品といえばスーパー戦隊の「VS」シリーズがお馴染み。
その戦隊の「VS」シリーズの場合、最初は対立していた二つの戦隊が、共通の敵を倒す為に協力し合うというのが大まかなフォーマットになっています。
しかし、今回の映画がそのフォーマットを踏襲しているかというと…そうでもない気がする。

元々二つの対立する組織が存在する中、それとは別の第三者が現れ、その第三者が両者の間を行き来することで、戦わなければならない理由を解明し、さらに両者の橋渡しをして協力させる…といった感じのお話。
要するに、黒澤明の「用心棒」(え)。

これは白倉・米村布陣の作品で非常に多用されているストーリーラインでもあります。
「ディケイド」の響鬼編・劇場版、「カブト」劇場版、さらにお二人が始めて組んだ「Sh15uya(シブヤフィフティーン)」。大体、このフォーマットが活用されていると言ってイイ。
パンフレットには、「戦隊のVSシリーズを参考に…」などと書いてありましたが、どう見ても毎度お馴染みのパターンじゃないですかぁ…とニヤニヤしながら見てました(えー)。


まぁ、そんな「ディケイド」の方が映画としてのベースに置かれている本作。
ライダー×戦隊の闘いは、「仮面ライダー」と「スーパー戦隊」というコンテンツ同士のメタ的な闘いを意味している。

同じ特撮ヒーローという土俵にいるライバル同士。
いつかは潰しあって決着をつけねばならないのである…。

この辺のメタな闘いは比喩的な感じで受け取るものだと思っていたのですが、デンライナーのオーナーが「枠を取り合う」などと直接的にメタ発言したのには驚きました。

「ライダーの枠が消えたからスーパー戦隊の枠が出来た」
MBSの系列移動によるライダー枠移動と、それに伴って新たにテレビ朝日に「秘密戦隊ゴレンジャー」が誕生した一件。
それをまさかこんなハッキリと劇中で言及するだなんて…!
その成り立ちを思うと、本来この両者は同時に存在し得ないモノ達なのであるなぁ…。

さらにこれは「東映の春映画」の枠をかけた闘いでもあるのではないかと聞き挟んだりもしました。ふむふむ、なるほど。
「東映の春興行はライダーが貰った!」「スーパー戦隊によこせ!!」「何をぅ!!」みたいな。

----------------------------------------------------------

東映に春映画の枠は一つしかない。
そのたった一つの枠を奪い合うライダーと戦隊。

しかし、その両者の潰し合いを眺めてほくそ笑む者たちがいた。
悪の軍団、ドラえもん・コナン・クレヨンしんちゃんetc.連合軍である。
彼らはヒーロー同士が潰し合い疲弊した所を、圧倒的な物量を誇る東宝興行網(通称:ビッグマシン計画)によって倒さんとしていたのである…。

だが、ライダーと戦隊の対立は実は作戦だった!!
ライダーと戦隊が戦い合うという話題性たっぷりの「スーパーヒーロー大戦」という映画で、悪の軍団を一網打尽にするためのな!!(キリッ)


----------------------------------------------------------

もはやライダー映画とか戦隊映画とかではなく、東映の興行戦略を劇映画で見せているだけじゃないですかー!(えー)


■ブレドランさんは累計で何人死んでるんだよ…。

といった感じで、相変わらずメタに楽しむ映画なのだなぁと思いしるお話でした。

上述のメタ要素を考慮しないストーリーとして捉えると、「実は作戦だった」というだけでライダーと戦隊の闘いの理由が片付けられているのは、やや腑に落ちない点になってしまったりもします。
その理由を求めて今まで旅して(話を追って)いたのに、「嘘でしたー。騙された? ねえ、騙された?」って言われたら、そりゃあ海東だってイラッとしてビッグマシンを起動したくもなりますよ。
でも、ビッグマシンを操縦してライダーと戦隊を敵に回す海東はちょっと羨ましくもある… あの役割は楽しそう(え)。

戦隊「VS」シリーズ的な「ベタ」や「燃え」、あるいは過去の作品群を知ってる人だけがニヤリと出来る小ネタといった面白さを期待していた気持ちも無いでは無いのですが…
そういうのは、まぁ「ディケイド」に期待しても仕方ないのかもしれない(え)。
なにせ、そういうのを破壊するのが彼の仕事だもんで。

「ゴーカイジャー」(あるいは「ウルトラマンメビウス」も)なんかは、原作尊重という名の懐古主義の一面が強い作品でもありますが、逆に「ディケイド」では、原作を尊重するからこそ破壊するという、同じ歴代競演モノでも全くベクトルが違う作風。

今回は「ディケイド」がベースになっているから、こういう映画に出来上がりましたけれど、逆に来年は「ゴーカイジャー」をベースにした全く別の「スーパーヒーロー大戦」になってもイイんじゃないかなーと思ったりするんですなぁ…。

そういや来年はプリキュアさんが生誕10周年記念なんだよなぁ…。
この機を逃してはイケナイのではと、そう強く強く思うのでありました…。
関連記事
≪メッセージもどうぞ。

COMMENTS

Commented by kanata URL at 2012-05-20 01:00 #KqigePfw Edit
Title : 何時か、次元の壁すら乗り越えて
 プリキュアさんが(本編には活用される気配のない)3Dモデル製作に力を入れてるのって、特撮との共闘を実際睨んでいるためではないかと考えています。

 特撮側をアニメの世界に呼ぶと、見た目がどうしても安っぽくなってしまいますからね。
 それにプリキュアさんの枠へヒーローたちを呼んでも、あまり興行収入は期待できないことでしょう。プリキュアさん達をヒーロー世界へ招待する方が、少なくとも「最初の間口」としては広いはずです。

 来年に出して来るとは思えませんけど、将来的にはもしかしたら……
Commented by 銀河水晶 URL at 2012-05-20 21:00 #701gxeB2 Edit
Title : 輝け!! 英雄(ヒーロー)達
面白いと思いつつも胸の中に妙な違和感を感じていましたが、何となく理由が分かりました…ライダー映画(というか米村さん)なんですよね、話が。クライマックスまで今ひとつスカッとしないというか…。無意識に最近の『VSギャバン』や『ゴーカイ』本編を意識していたんでしょうけども。

しかし初の本格的な戦隊とライダーの共演作だけあって、それを補って余りある見所がありましたけどね。ゴーカイレッドVSディケイドもさることながら、同時期放映組の共闘が凄くよかったです。1時間ぐらい延々あれでもよかったぐらいに(おい)。
あと海東については「ここに来てそりゃないぜお前よー」と思いつつやっぱりちょっと羨ましかったですねえ。あんな化け物メカに乗って戦隊・ライダー両方を相手取るとか悪役冥利に尽きそうですし。

最近本当に戦隊・ライダーとプリキュアが共演するんじゃないかと思えてきましたが、よく考えたら初代は児童誌のCDで当時の戦隊と共演してるんですよね…もう壁壊れかけですよ、アリですよ(え)。
Commented by TJ-type1@管理人 URL at 2012-05-22 01:27 #- Edit
Title : ◆コメントありがとうございます◆
>kanataさん
あのやたら力の入った3DCGと実写特撮の共演は…実際やったらどうなるのか見てみたい気持ちですね。アニメなんだけど、立体物として破綻の無いモデルだし、2Dアニメとの合成とはまた違う味わいが出るの…かしら。
とりあえず、長編が無理でも同時上映の5分間短編みたいので試してもらいたいなぁ…。
あるいは電王フラッシュアニメでの共演から…(え)。


>銀河水晶さん
王道とかベタではない、結構クセのあるフォーマットって感じですね。ディケイド慣れしてると、「またか」って感じがしてニヤッとするか辟易とするかに分かれる事でしょうが。
今回の映画はライダーと戦隊が「枠」を取りあうコトが戦いの起点だとされていたので、同時期に放送されていたライダー・戦隊が共闘するのは、その「枠」を取り合っていた同士の共闘という意味を持つんですね。

とりあえず短編でプリキュアさんと共演、評判が良ければ長編という企画書を出しましょう(え)。
Commented by オニギリ URL at 2012-05-25 01:01 #- Edit
Title : 水たまりに映るセカイ
基本的に『ディケイド』を観に行ったんで、まぁネタとして面白かったんですが…。

多分、米村さんは昨年の『199ヒーロー』を見て、前年の戦隊は「誰だお前」という位にキャラを改変しなければいけない、と思ったのでしょう。
そんなキャラ改変されたジョーさんと、海東さんが主人公という…感情移入すべきキャラクターが見つからない、不思議な作品でした。

石丸謙二郎が「ライダーの枠が無くならないと…」とか言い出した時は、本気で「やめてくれ!」と叫びそうになったのですが、そのエピソードって、後は編集でバッサリとカットされてますよね。
で、そこからはもう話が全く繋がらないし、突然水たまりが出てきて泥試合だし、黄色は当然のごとくハブられるし…でも、ゴーオンの攻撃にちゃっかりキバが混ざってくる所は「来るぞ来るぞ……キターーッ!」って感じで良かったです。

ところで、電王チームは最初からマーベラスとグルだった…と考えれば良いのでしょうか?
Commented by TJ-type1@管理人 URL at 2012-05-26 22:50 #- Edit
Title : ◆コメントありがとうございます!◆
>オニギリさん
ハカセの気持ちになりながら見ていれば良かったんじゃあないでしょうか。
シルバが「ライダー粒子、戦隊粒子、ともにゼロ」と言うところで「え!?」という気持ちを体感する。

白倉Pのツイッターによると、今回の映画は結構なカットシーンが多かった為にDC版出すかもしれないとのことですね。でもまぁ、説明不足なんていつものことなんだけど(え)。
個人的には76年に行く必要がよく分かりませんでした。ライダーと戦隊の関係性なんて図書館かネットで調べられるのに…。
Commented by 横浜学園都市部 URL at 2012-06-13 02:01 #- Edit
Title :
白倉×米村×金田という、オールライダー映画のスタッフ陣営が戦隊を加えて起こした今回の映画は衝撃の連続。

敢えてストーリーに目を瞑ると、年代ごとに集合させることには感動させられます。

今回はジョーと海東が不自然なほどに、ぶれている印象が有りましたが、如何にマーベラスと士を求心していたかが、伝わる感じでしたね。

特に海東がビッグマシンを操る為に姿は、白倉P曰くジョーがマーベラスが遣っている事を知っているからこそ信頼している事に対する、対比だそうです。

尤も…海東の行動は言い換えれば『ドッキリに引っかかって、それに対してマジギレした人』だそうです。

その為に八つ当たりに遭ったギル親子は不憫でしたけど…

というより、大ザンギャックはシルバ以外、21世紀戦隊所属で、大ショッカーよりバランスが悪い構成なのも気がかりでしたね。

シルバに関しては、本当はヘドリアン女王にしたかったのに、曽我さんが亡くなっていたから泣く泣くシルバにしたなんて逸話もあるほどです。

終盤で現役戦士によるロケットドリルゴーバスターオーには、正に絆の証を体現してました。

ですが、フォーゼ・弦太朗を乗り換える為に、負傷退場したイエローバスター・ヨーコを見ていると、ハリケンジャーで天空旋風神に成ったために、腕だったハリケンドルフィンが抜けた為、そのまま離脱したハリケンブルー・七海を彷彿させられますね。
Commented by TJ-type1@管理人 URL at 2012-06-13 23:27 #- Edit
Title : ◆コメントありがとうございます◆
>横浜学園都市部さん
ドッキリに逆ギレとはいえ、ついていいウソと悪いウソがあるぜ…とマジギレする気持ちも分かりますね。ましてマーベラスともやしは、ジョーと海東の一番大切な物を裏切ったわけで…。あれは怒っても仕方ないね…。
てゆか、パンフレットを先に読んでしまって海東がラスボスだと書かれていてウギャと思いましたけどね。
パンフレット怖いわー。よく見たら見終わってから読めって書いてあるしなー…。
Commented by リューガ URL at 2012-11-03 22:28 #- Edit
Title : 死霊のふりして被害を防ぐ…。 第1回ハロウィン!
 お久しぶりです。
 超物騒な聖☆おにいさん。
 ようやくスーパーヒーロー大戦をDVDで見ました!
 これでみんなと同じレベルでお話しできる!!
 なんとなく、ワルズとダグバって気が合いそう。
ワルズ「俺がクライマックスまでちゃんと戦えたのは、ダグバの特訓のおかげだ!」
 きっとアクドスとガミオのパパさんコンビも見守っていたことでしょう。

>鳴滝 正義の系譜
 カニレーザーから鳴滝の姿になった後、いつも道理「おのれディケイド!」と言うシーン。
 妙に表情が晴れやかではありませんでしたか?
 もしかすると、鳴滝は最初から正気を保ったままヨロイ元帥をやっていたんじゃないでしょうか。
 多分狙いは、士とマーベラスと同じでしょう。
 ビッグマシンが完成したら、あの王蛇やカイザのような凶暴ライダー軍団を召喚し、悪を滅ぼしていたかもしれません。

>枠宇宙論
 仮面ライダーの放送枠から戦隊のそれが生まれた。
 この楽屋ネタに怒った人も多いようですが、僕はこれが正解だと思います。

 我々の認識している4次元時空(3次元空間+時間)の宇宙は、さらに高次元の時空(バルク、bulk)に埋め込まれた膜(ブレーン、brane)のような時空なのではないか
 WIKIより

 高次元の時空から見れば、行き先の少ない4次元時空など膜のようなもの。
 ならばその4次元時空に、外から手を出して変化を促す者がいるとすれば?
 ヒーローの世界は自分たちでも物語を作るが、時には外部からも物語を作る人が表れるテレビ番組のようなもの。と考えても不思議じゃないと思います。
Commented by TJ-type1@管理人 URL at 2012-11-04 01:27 #- Edit
Title : ◆コメントありがとうございます!◆
>リューガさん
ボクとしては、鳴滝はオリジナル作品の原理主義者という立場なので、本来は自分が悪組織の幹部を演じるのはイヤなのではと推察しています。本当はオリジナルの役者さんのキャラクターを大事にしたい…しかしディケイドを葬る為に仕方なく、自らもオリジナル作品の破壊者側になってしまう…。そんな本末転倒を感じます。
だから役を離れて鳴滝として「おのれディケイドォォォォ」と言ってる時は凄く楽しそう。

そろそろ鳴滝さんの素性を明らかにしてくれてもイイ頃合だと思うのですがねぇ…。

コメントの投稿


管理者にだけ公開する
TRACK BACK

トラックバックURL :

Tracked from blog mr at 2012-05-17 23:39
タイトル : 『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』
 パンフのインタビューで渡部秀が不吉なことを言っている。 「脚本を書かれた米村さんって、今年は『プリキュア』を担当されてるんですよね。まさか……」  プロデューサー六人の対談では、「シュシュトリアン」とか「バイクロッサー」とかいう名前も出てくる。本当にや...
Tracked from Hybrid-Hills at 2012-05-18 01:10
タイトル : 仮面ライダー × スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦の感想
雑誌等で少しネタバレされてるので、あまり面白みが・・・。
Tracked from MAGI☆の日記 at 2012-05-18 05:48
タイトル : 【劇場鑑賞】仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦
仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦を鑑賞してきました。 早速公開日に見てきたスーパーヒーロー大戦ですが、個人的にはとっても面白かったです♪ 前売り券は購入してたものの、座席指定...
Tracked from 色・彩(いろ・いろ) at 2012-05-18 23:44
タイトル : 劇場版『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』感想。
実は初日に観てましたが、いろいろあってレビューが今頃になりました。ネタバレを避け
Tracked from お萌えば遠くに来たもんだ! at 2012-05-21 01:03
タイトル : 仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦
観てきました。 <池袋シネマサンシャイン> 監督:金田治 アクション監督:竹田道弘 原作:石ノ森章太郎、八手三郎 脚本:米村正二 全ライダーVS全戦隊 ついに大激突! ヒーロー新世紀――史上最大のヒーローバトル! 想像通りのお祭り作品。 全ライダー対全?...