■あいまいみまい前回、瀕死の傷を負ったノイズさん。
音吉さんとクレッシェンドさんが封印されたといえ、今ここで畳み掛ければ滅せるはず…とプリキュアさん達は話していましたが、早速回復したノイズさんが再びメイジャーランドを強襲。
逃げたと思ったらすぐ戻ってきた。忙しないやっちゃ。
しかしバトルステージがコンサートホールというのが熱いです。プリキュアにとってはオーケストラの演奏も殴り合いもほぼ同義。拳という楽器で魂を奏でるのです。
平和的か暴力的かの違いなど些細な問題でしかない(え)。
ノイズさん曰く、全ての元凶は伝説の楽譜。
音を少し並べ替えるだけで幸福にも不幸にもなる、曖昧なモノ。
そんな曖昧な音楽というモノに何の意味があるだろうか、いや無い。
ならばいっそ、その曖昧を排除し、怒りも憎しみも無く、喜びも楽しみも無い、何も感じない平和で平穏な世界の方が理想郷と言えるのではないか…。
ノイズさんの言う音楽の無い世界とはそういうコトであったのか…。
ノイズさんなりに世界の行く末を考えた結果の行動だったのだと。
音とは、鼓動であり心臓であり心であり、感情でもある。
感情は喜びも幸福も感じられるけれど、感情があるせいで憎しみや怒り、不幸を感じるコトにもなるのだから…。
しかしてプリキュアさんはその無味乾燥な世界を断固拒否。
つまり曖昧であっても、幸福と不幸、喜びと憎しみが同時に存在する世界の方をプリキュアさんは肯定する。これって遂にメイジャーとマイナーをどちらも肯定したに等しいのではなかろうか。
これから後のプリキュアさん達は、メイジャーとマイナー、幸福だけでなく不幸もまた守るために戦う戦士になったのだと捉えられて胸熱。
幸福も不幸も、世界の有り様全てを守る。燃えるやん。
ふたつの流派はひとつに還り、最後の闘いが、今始まる!…て感じですかね(え)。
メロディさんのピンチに助けてくれたのはバスドラとバリトン。
ふたりはファルセットさんを吸収したノイズさんを糾弾。誰にだって思いがあるというのに、ノイズさんは意に介さない。思い、心、心臓、音…誰だって持っているモノ。
ノイズさんはファルセット同様に、バスドラとバリトンをも吸収。どっちかというとフリーザさんよりセルだった…。
前回は音符を吸収してパワーアップしたなどと言及し、今回はトリオを取り込んでパワーアップ。音を嫌悪し、排除しようとしているはずなのに、体内にどんどん音を取り込んでいるのが気にかかる…。
ノイズさん的には矛盾しているからこそ、後で爆弾になりそうな…。
■プリキュアとも友達になる男だッまた、バスドラとバリトンがファルセットの事を心配してノイズに糾弾するくだりで、「そういうことか」と腑に落ちたコトがあってさらに胸が熱くなりました。
「スイート」では響×奏、ハミィ×セイレーン、アコ×メフィストみたいなカップリング(え)のドラマで展開してきたけれど、セイレーンやアコのドラマに主人公の響奏があまり介入しないというのが今まで若干の違和感として残っていました。
セイレーンやアコの話になると響と奏が参加出来ていないのは作劇上の問題ではなかろうか…と。個々の絆の重要性は分かるけど、主人公を中心にドラマは展開されるべきなのではないか…とそう思っていたから。
しかし今回のトリオを見ると、直接的ではないにせよ、絆のドラマが主人公に集約しているというのが見えてくる。
ノイズさんに操られたままのファルセットを心配するバスドラとバリトンの姿は、セイレーンとハミィのそれにも良く似ていて、テーマである「絆の再構築」が見て取れる。
これは一見すると、トリオ三人の絆が響たちの介入も無く勝手に進行しているという風にも見える。
だけど、そのバスドラとバリトンから善行の心を引き出したのは、そもそもメロディさんだったりする。メロディさんがふたりを救わなかったら、今回ふたりがファルセットさんを救おうとする事も出来なかった。
つまり、“響×奏”“ハミィ×セイレーン”“アコ×メフィスト”“トリオ”といったようにそれぞれの内輪に絆があって、“響→セイレーン”といった直接的な絆の構築は無理でも、間にハミィが入ることで“響→ハミィ→セイレーン”という形で繋がり合うコトは出来る。
主人公の響に相関図上の矢印が直接、一極集中しているのではなく、それぞれの絆同士が繋がり合うことでどんどん広がって行く、それがこの物語で描いていた絆だったのではと思う。
「オーズ」で言っていた事とも同じですね。最近のトレンドかな。
それによってセイレーンやアコの話も決して響と無関係では無いというのが証明できるというわけだわな。
世界中の人間と友達になる事は難しい。
でも友達の友達も友達だと思えば、それは世界中の人間と友達になったコトと同じなのだよな。
響 → 奏 → 奏太 → アコ → メフィスト → トリオ …
│
├→ ハミィ → セイレーン …
│
└→ 団パパ → 井坂先生 → ダブル → オーズ → フォーゼ …
人間はみんな仮面ライダー部なんだよ…(えー)。
■それがきみのひびきノイズさんに急襲をかけられているというのに、アフロディテ様や国民の皆さんは演奏会を始める。辛く苦しい時だから笑顔を忘れない。
どんなに辛く苦しい時も、人は音楽を奏でられる。音は無くならない。
誰かと一緒なら、音も増える。
そうすれば色んな音楽を奏でられる。
色んな演奏も出来るようになる。
仲間が居れば何でも出来るというのは、プリキュアさんが例年言っているまとめなのですが、それが上手いこと音楽に比喩されている。
音が多ければ音楽の幅が広がるように、仲間が居れば生き方も広がるのだと明確に表現されていて爽快。
音符が消えた白紙の楽譜は絶望的でもあり、これからどんな曲でも書ける希望でもある。
とてもとても曖昧などちらの意味を持つモノでもある。
幸福のメロディにしろ、不幸のメロディにしろ、それは他の人が勝手に幸不幸を決めたモノでしかない。本当の幸福のメロディは、自分のビートで、自分の音楽で書くべきではないか…。
そして借り物ではない、自分のト音記号を手に入れた北条さん達には、それが出来る。
何度でも、どんな曲でも奏でる事が出来る。
ハミィが歌いたいのは、その響たち自身の作り出す音楽であり、それこそが幸福のメロディである。
とてもキレイにまとまって来ているなぁと感じられて胸がホワホワする…。まるで最終回が近いようだ…(え)。
■残り2話かけてジワジワ倒す…これまで劇中で描かれてきた要素や、「どゆこと?」といった謎部分などが、音楽というモチーフの下に次々と繋がり、昇華されていってやたら燃えます。熱い。
この今まで見てきて良かった…という感覚が毎年たまらんのでやめられんのだわな。
テーマまとめとあまりの燃え要素に、次回最終回かとすら思いましたが、まだ2話あるぞ…今年はちょっと余裕がありそうだ、うむ。
テーマ的には今回でほぼまとめた感があるので、あとはノイズさんをボコボコにすることと、今までちょくちょく出てきた「ゴリラ」に何の意味があるのかだけ説明してくれればそれで良しだろうて(え)。
次回は最近恒例の上位フォームになっての決戦。
新番組もある上、ただでさえ多い線の数がさらに…うぐぐ。
⇒
スイートプリキュア 各話レビュー
- 関連記事
-
コメント
●姫絶唱 !?
その中でメロディこと響が突然、歌を歌い出す…。
「シンフォ◆アシステム発動か!!」なんて
おバカな妄想が脳裏をよぎった、今日この頃…。
2012/01/19 15:37 by オキクルミ URL 編集
ノイズ
しかしメイジャーランドの人々は音楽を奏でる。彼らが石にされたとて、プリキュア達は諦めない。
映画を見てると、メイジャーランドの人々の演奏が一層心に来ました。メイジャーランド制圧事件の後、彼らの心の音楽もまた強くなったのでしょうか。
しかしEDにドドリーのみいなかったり、きらきら星に「シ」の音のみ使われていなかったりと、ミューズのトーンが冷遇されている気がするのは気のせいでしょうか(え)。
2012/01/19 20:30 by 銀河水晶 URL 編集
「どうせ壊れてるし、そもそもあたしの(王家の)ものだから」って感じ?
2012/01/19 22:46 by makiray URL 編集
スイートファイナルライブ
仲間が一人また一人と陥落する絶望感を煽り続ける強敵には、クレッシェンド総出の大盤振舞で対抗する来週に納得がいきますね。
時にエンドカードに居座り続けたスマイル組は2週でコンプしたワケですが、
残りの2週は何で取り繕うつもりなのでしょうか(あ
2012/01/20 10:07 by ゼノドレイク URL 編集
◆コメントありがとうございます◆
あのアニメ、名前が被ってややこしいんですよね。しかも奏は死んで主人公が響と翼というのも微妙にズレていてややこしい。いっそ響奏のままだったらもうちょっと覚えやすいのに。翼はもう音楽関係じゃないよぅ…。
てゆか、高山さんが深夜アニメで主人公とは珍しいと思って見たのに一話で…うぐぐ。
>銀河水晶さん
メイジャーランド国民としてはつい数ヶ月前に同じような事が起きたばかりだから、プリキュアさんに対しての信頼が厚いのかもしれません。あるいは命まで取らないと知ってるからこその行動だったのか…。
シリーとドドリーはフェアリートーン内で浮いている可能性…きっと全てが終わった後で王女に寵愛されることを知って嫉妬による対立、あるいはシリーとドドリーが増長したという可能性がありますね。音が高いだけに上から目線になりがちなのかな。
>makirayさん
そもそもキックだけであれほどキレイにカット出来るホールの柱というのが不思議なのですが…。
メイジャーランドの建築工法ではブロックを積み上げて一つの柱にするのでしょうか…鉄骨とか入ってないのか…。
そういえばあのホールって幸福のメロディを歌うための割と重要なステージだったような…そうか、とりあえずまた公共事業が増えるね。
>ゼノドレイクさん
全員揃って最強フォームも最近ではおなじみですか。わざわざ最終バトルのためだけに残り3人分のスーツも作るだなんて大盤振る舞いですね。ライダーや戦隊じゃなかなか出来ない予算の使い方ですわ。
エンドカード、「次回、最終回!」的なのりと「一年間応援ありがとう」でしめるのが定石だと思いますが、最終回のエンドカードだけスマイルさんになっている可能性も無くはないですね…。なにせ油断ならない番組だから…。
2012/01/21 18:54 by TJ-type1@管理人 URL 編集
プリキュアには
「大人の好きそうなことはやめよう。」
という基本ルールがあるけれど、
これは人間世界の話で
メイジャーランドなどの架空世界ではこのルールが適用されないのだろう?
ところで44話で変身した時はサンタクロースの服装だったけど、
変身が解けた時はいつもの服になっていた。
もしかしてプリキュアの面子は
メイジャーランドへ出撃する前に一度変身を解いて着替えたのかな?
2012/01/21 21:35 by ななし URL 編集
◆コメントありがとうございます!◆
プリキュアさんのスーツはおそらく普段着ている私服の分子を再構成して作っているんです。
だから変身が解けた時は登録してあるデフォルト服に戻ってしまったんです。
そんなことばっかりしてるから、タンスの中は同じ服ばかりになってしまうんじゃないでしょうか。
どおりでいつも同じ服のはずだ。
2012/01/24 01:13 by TJ-type1@管理人 URL 編集