■魂の調べ前回、プリキュア的な衣装に身を包んだと思いきや脱兎の如く逃走したセイレーンさん。
巷ではセイレーンさんがプリキュアだったと専らの噂なのです。
しかし、それもまたいつもの作戦なのではないか?
そもそもモジューレも無しに変身できるなんておかしいんじゃないか?
当然のように信用がないセイレーンさんに世間からは疑問噴出。
確かにいつもの作戦という可能性は普通にあるだけに、易々とは信じきれない。
そんなセイレーンさんは雨の町を捨て猫のようにさ迷っていた。
しかも首飾りのひょうたん(?)が壊れて猫にも戻れず、他の人へ変身する事も出来なくなっていた。
変装スキルはともかく、本来の姿である猫に戻れないというのは結構ダメージ大きいよなぁ…。
ある意味でこれが今までのペナルティになっている気がしないでもない。
それとも実は人間態が本当の姿だったなんて言い出したりするのかな…?
“セイレーン”というのは人魚の名前として知られている。
で、人魚といえば「人魚姫」。王子に恋をした人魚が声と引き換えに人間になって、最後は泡になって消えてしまう物語。
猫から人間になって戻れなくなったセイレーンは、その人魚の姿に重なる気がする。しかし、音を無くしてコミュニケーションが取れずに泡となった人魚姫とは逆に、セイレーンは音を取り戻して人間になったという風でもある。
あ、でも…仮に、仮に人間態の方が真の姿だとすれば、そちらの方が「人魚姫」の物語に同期するような気がする。
考えれば考えるほどに何故かセイレーンさんが人間だったのではと思えてくる…。そういや、誰にも抱きしめられた事がないと発言して、親の不在をほのめかしていたコトもあったが…。
うーむ、でもさすがにこの説は信憑性が無いなと自分でも思う…。
悪のノイズから解放され、綺麗なメロディも素直に頭に入ってくるようになったセイレーンさん。
音吉さんから、心臓の鼓動もまた音楽であると教わる。
誰にでも心臓があるように、誰の心にも音楽がある。
いつぞやは響鬼の母上まりやさんが、生活音が音楽であるという旨の言及をしていたけれど、今回はさらに突き詰めて、心臓の鼓動、生命それ自体が音楽であると言っている。
心臓の鼓動が音楽であるといった所からの論説が凄く自然で綺麗でした。
たんに生命活動を音楽に例えたというだけではなくて、物理的に命の中に音楽が潜んでいると証明したコトで、「だから音楽がメインモチーフなんだよ」というのが分かり易くストンと落ちた気持ちです。
ト音記号にハートが付いていたのも、ただカワイイからってだけじゃなくて、心臓を意味していたってコトやったんやなー。ふむー。
ハミィを猫質にしてセイレーンにマイナーランドの歌姫に戻る事を迫るバスドラ。
大勢の人を不幸にしておいて、今更フリフリした格好をしてプリキュアを名乗る? そんなふざけた話があるかと一喝。そうやそうや。
しかしセイレーンさんはもうマイナーランドの歌姫には戻らない。
不幸のメロディを歌えば親友のハミィの笑顔が消えてしまう。ハミィの笑顔が消える事も、ハミィを傷つける事も、絶対に許さない! 絶対にだ!! ひぃ、こわい…
人々を不幸にしながらプリキュアを名乗るなど筋が通らないとは承知でありつつも、大切な友達を守りたいというのはセイレーンさんの偽らざる気持ち。
心のビートはそう言っている。心が響いた鼓動信じて。
その瞬間にハート(心臓・魂)の形をしたト音記号であるモジューレを掴み取る。
自分の鼓動、本当の思いを自ら理解した瞬間。
前回、セイレーンを信じていたハミィに対して、プリキュア化したセイレーンは自分の事を信じられず逃走しました。今回はそんな自分自身を信じる事が出来るのか、前回の宿題に対する回答だったのだと思います。
ただ、今回のお話ではまだ人々を不幸にした事に対するみそぎというか、責任に対しての結論は出ていない。それは次回以降になるのかな…?
しかし、友達なんて要らないと言って来たセイレーンさんが、親友を守りたいと言えるほどには回復しているんですよね。
前回はあくまでプリキュア的なモノでしかなかったセイレーンさんが、他者との関わりを肯定した事で“キュアビート”と名乗る「プリキュア」になるまでのお話だったかなーという印象。
自分の中の音楽、魂、思いを発見し、他者との関わりを肯定。
まだあくまでプリキュアとしての最低ラインを突破しただけなので、本当のプリキュアになる為にはまだまだやらなきゃいけない事があるよ、ってな感じなのかなー。
ハミィが大好きなのは認めたけど、他の人はまだどうでもいいやって感じがしないでもないからなぁ(え)。
響と奏は蚊帳の外だし、「三人の組曲」は出来上がるのか否か…。
■SOUL BEATビートとチームを組むソリーとラリーがセイレーンに挨拶をしたのは分かるのだけれど、なんで「はじめまして」言うんかな…。悪い頃のセイレーンさんは黒歴史として無かった事にしてるのかしら…それはそれで酷い気もするが。
新アイテム・ラブキターロッドはエレキギター。
クラシカルな音楽を推して来た中で何故かロック…。
あとロッドモードが斧っぽいっと思ったら結局飛び道具だった。
ギター要素では戦わないのかよぅ…。
次回もまたビートさんのターンですが、何処で寝泊りしているのかやや気にかかる…。
⇒
スイートプリキュア 各話レビュー
- 関連記事
-
コメント
猫の子大秘術!!
心臓の鼓動、即ち心の音楽に従い、友を助けるべくプリキュアになることを決意したセイレーン。しかし一緒に戦うことにはまだ抵抗がある様子。一昨年はひとまず落ち着いてからじわじわ消化していた流れを一気にやってる感じでしょうか?
しかしまあ雑誌やネットなどでネタバレがバンバン飛び交ってるのでもう慣れっこでしたが、あそこまで大々的にやられるともう笑うしかないですよほんと。一体何者なんだ…(え)
2011/07/21 20:30 by 銀河水晶 URL 編集
ニューアレンジ・魂の調べ
メロディとリズムで1セットなら、ビートの対となる存在で黄色い子の正体はやはり……
擬態能力の消失は、『これからは他の誰でもない自分自身としっかり向き合う』という婉曲表現でしょうかね。
>ギター要素では戦わないのかよぅ…。
まあ弦楽器を執拗に叩きつけるようなバトルスタイルでは女児の心にレクイエムを奏で兼ねないので自重してるんでしょう、多分。
けんきょだなー、あこがれちゃうなー(棒
2011/07/21 21:10 by ゼノドレイク URL 編集
名字じゃなく名前の方で見れば…
かくいう私もそうでしたが、「北条」や「南野」という名字から推測して「次のプリキュアは“東”や“西”の字があるクラスメイトだろう」と勝手に思っていた人が結構いたかもしれません。もうミスリードもいいところですよ。
で、劇場版CMでの壮大なネタバレですけど、エレン(エレキ)の対極といえばやはり…
2011/07/21 21:30 by naitou-sou URL 編集
ペットOKなマンションに引っ越しすれば問題無いもん!
「絶対に許さない!」といい前作の「堪忍袋の緒が切れました!」といいヒロインモノとしては度量が狭いと言いますか。まどマギのほむらも視野狭窄なところがあったし近年の魔法少女はカルシウムやビタミンが足りてねぇよ…。でも思い返すと70年代の魔女っ子は結構こういうシーンが多かった気が(エ)。 はっつまりハートキャッチ、スィート、まどマギはっ!ある意味原点回帰をしていたんだよ!! 「ナンダッテー」
2011/07/22 02:50 by ミスターグラブシ URL 編集
◆コメントありがとうございます◆
セイレーンさんが何者かはこれから説明があるのか…しれっとこのままなのか、その緊張感を楽しんでみていけってコトなんでしょうかね。なるほどな。
鼓動が音楽のくだりは説明の流れもよかったし、一気に全体が開けた感じがして好印象でした。
前回、ドックン言うてたのもちゃんと仕込みになってる。構成が一体感あるのは美しいです。
>ゼノドレイクさん
黄色なんていなかった!CM用の映像はきっとレイヤーを間違えていたに違いない。
ミューズさんの正体は和音さんか聖歌さんに決まっているじゃないですか。他に誰がいるって言うのよ。
義体能力消失で「本当の自分と向き合う」というのは分かるのですが、それがなぜ猫じゃないのかが気になります…やはり考えれば考えるほどに人間態が真の姿なのかしら。
>naitou-souさん
せっかく儀武さんがプリキュアになると期待感を高めていたというのに、いったい誰に苦情をぶつければいいんですかこれは。そもそもモジューレにある四色は桃・薄桃・青・紫なのに…なんで黄色…。
エレキとアコギ…あ、そういうことなんですか! てっきりキャラデザの高橋さんが「階段レストラン」繋がりであの名前を採用したのかとばかり…てゆか、四人目もギターなのか?
>ミスターグラブシさん
まぁプリキュアさんは初代から「絶対に許さない!」と言って来たので、寛容なる心とはそう易々とは手に入らないのでしょうね。テロと戦う時代と呼ばれる21世紀は、より自分に身近な悪と戦うことがデフォルトになっているので、許す事、寛容さは重要なテーマとなっているはずですが…。
響さん達が許してくれる日なんて本当に来るのかしら…。
2011/07/23 01:14 by TJ-type1@管理人 URL 編集
化け猫エレン
ちなみに『おまもりひまり』(URL)では、響たんが化け猫をやってますよ(笑)。
ちなみにURLのビデオはエンディングの後の次回予告がなぜか実写のオバサンが出てきて興ざめになるから見ない方が無難かと・・・。
2013/01/20 20:22 by ななし URL 編集
◆コメントありがとうございます◆
結局、猫が本体だったのか人が本体だったのかもよく分からずでしたね。
いま再放送を見返しているので、いつか、いつかその謎が解明される日が来るのだと信じたいです…。
2013/01/21 20:51 by TJ-type1@管理人 URL 編集