仮面ライダーカブト ＃18

米村氏の熱い男の友情よもやま話とは違う、穏やかでナイーブな、ある種井上氏の真骨頂なのかとも思ふエピソードでした。


ゴンを人質にされ、カブトを倒すしかない風間。
確かに、ゴンは血の繋がりも無いし、本名すら知らないし、イチゴ牛乳をあげたら懐いてついて来ただけの少女なのかもしれないけれど。
一緒に手を繋いで歩くってコトは、離れないようにと手を繋いでいるんだ…
そこに血縁とか助手とか物理的なモノがあろうと無かろうと、その相手が自分にとって大事なのだから手を繋ぐのだ。
その存在を守る為には、最も嫌いな組織の言う事を聞いたとしても構わない。
風間にとっては、そのポリシーなどよりもゴンの方が大事なのだ。

しかし、風間はようやっと掴む事の出来たゴンの手を再び離す。
それは、ゴンが本当に掴むべき人の手を掴ませる為に。
風間にとっては最も大事な物を失うという結果になるが、それがゴン/百合子にとっての幸せなのねん…


「カブト」は、家族を失った人間達が多い。
天道と樹花の両親は（確か…？）亡くなっている。
ひよりの両親もシブヤ隕石で死んでいる。
加賀美は弟をワームに殺され、父親とは疎遠。

その中で、擬似的とはいえ家族となっていたのが風間とゴンであると言える。おそらくではあるが、風間がゴンを連れていた理由は、ゴンの家族を探す為であったと予測できる。そして、ゴンは本当の家族の元へ戻った。風間は去る、自分の役目を終えたから…


「仮面ライダーカブト」において、風間大介とはどういう存在だったのか…
これ、考えてるんですが一向に掴めません。
風間が出てきた事によって、天道に何か影響を与え、天童が物理的もしくは精神的にスキルアップをしたのか、といえばそうでもない。逆に天道からの影響で風間がスキルアップしたのかといえば、そうでもない。
天道も風間も、組織に属さず自分の思うままに行動するライダーという点で一致する事から、風間は天道の何かしらの写し鏡的な存在なのでは、と考えるんですが…
申し訳無いですが、ボクの頭では判らない…す。もっと徹底的に違うか、同じかなら判るかと思うんですが、微妙に同じで、でも二人の交差する点が少なくて、似ているようで似てなくて、似ていないようで似ていて…。人類を救う為に戦っているわけでは無い、という点で天道と違うのかと思えば、別にそこまで利己的なヤツでもない…　ホントに、気まぐれな風のようなヤツですよ…

一方、ゴンはといえば、ひよりとのリンクが幾つも発見され、ひよりの写し鏡的存在としては充分なヒントを出してくれています。天涯孤独、強烈なトラウマの過去、何となくツッコミ役、などなど。そのひよりの写し鏡なゴンが、記憶を取り戻し母親の元へ戻ったということは、ひよりの今後に対しての何らかの暗示と受け取る事も可能です。何かを失うかもしれないけど…でもそれは決して不幸な事ではない、のだという未来…？ゴンが風間を失ったように、ひよりも天道を失うのか……


やはり、基本的にエエ話でしたよ。
この際、目をつぶりましょう。ひよりの前で堂々とZECTの話とか、ZECTのセキュリティの甘さとか。
前者は一応、ひよりはZECTの名を口にしていないし、「何だかよく分からない組織がゴンを誘拐した」てコトでひよりは理解しているはずだと、こちらも脳内補完しましょう。
後者はもはや今更ですが。

先週、ゴンの回想シーンで出て来た母親の口元が、何となく雑誌記者の女性と似ているなぁ…なんて思ったけど、ホントにそーだッたか！
先週からの引き、だったカブトがライダーシューティングをキックするというアクション。
これが、実は今回のクライマックスへの伏線となっていたとは、なかなかウマいっす。絶妙にカブトとドレイクが息を合わせての攻撃ってのも、何か熱い！　つか、ザビーどんどんケチョンケチョンになってる！


まさかのゴン、ドロップアウト。
ドレイクは弱いくせにわざわざ苦手な接近戦をいつもしちゃうような子でしたけど、ゴンとのコンビは嫌いじゃなかったよ。だから、当然のようにこのままレギュラーかと思ってた…
ドレイクは今後ももしかしたら出るかもしれないけど…　ゴンはかなり期待薄…

弱いけど、いなくなると思うと淋しいな…ドレイク――

⇒仮面ライダーカブト 各話レビュー