2013/10/28
仮面ライダー鎧武 第04話「誕生!3人目のぶどうライダー!」
インベスさんの森に再び迷い込んだ紘太。そこでメロンライダーにボコボコにされて意気消沈。
今まで楽しげに戦極ドライバーで変身していたけれど、これはもっと恐ろしい命のやり取りをするモノなのだと気付かされる。
紘太は主人公でありながら、割とコロコロと状況に流されてる奴ですね。
大概の主人公は状況を冷静に俯瞰で見る目を持っていたり、たとえ流されるタイプでも信念だけは強かったりする人が多いと思うんですけど。
少なくとも現四話の段階では紘太は状況に流されるわ、信念も若干変な方向だったりで、メンタルの弱さが割と目立つ。
次回(?)これを克服…するかしないかは分かりませんが、戦いの中に身を投じるにあたっての覚悟だけは決める頃合いですかね。
某所で、ブッチー作品の主人公は“傍観者”が多いという話を目にしました。状況に流され流されしながら、最後の決断を自分で決めるという所にドラマのクライマックスがあるのである云々かんぬん。
近作のアニメなどを思い返すとなるほどなぁなどと思う。
そこに照らし合わせると、紘太の流され流されな状況も決断の為の布石というコトになるので、それまでは周りの割と意志の固い人間たちに付いて回る期間が長くあるのかも…しれない。
今回新たに変身したのはブドウライダー・龍玄。
ブドウ感と中華っぽさが上手い事同居していてデザイン的には結構ツボです。
変身者の光実は沢芽市を支配下に置くユグドラシル社の御曹司。
誰かの為に犠牲になっている紘太を肯定するのは、自分が次期社長となる兄の犠牲になっている事を肯定するため…でしょうか。
その状況を認めている…ようではあるけれど、自由になれるダンスという相反するモノも抱えているのだと。
鍵をヒーローのメインアイテムにするのは「リュウケンドー」や「ゴーカイジャー」などあるわけですが(カーレンジャーはちょっと…違うか…)、錠前の方をアイテムにするのは初めて…だったりするんでしょうか。
鍵が何かを「開けるモノ」であるのに対し、錠前は「閉めるモノ」なので、どちらかというとネガティブイメージの方が強いんですよね。
それだけだとヒーローのアイテムとして扱い辛いので、あのベルトの包丁によって「切り開く」という解釈を加えているのだろうと。
錠前によって「閉ざされた」世界・環境・ルールなどといった状況を「切り開く」ことがこの世界の仮面ライダーの役割。
人類の自由を守ることが仮面ライダーの使命ならば、その自由を封じる錠前をぶち壊すことがライダーの正義か。
ロックシードを使って変身する割には、ロックシードがかなり邪悪な存在として描かれていることも納得。
インベスさんがシードを食った人間である説を仮定するなら、シード(錠前)を食うという行為は、“閉ざされた環境を受け入れる”という意味合いに解釈出来そう。
ウィザード的に言うなら“希望を失いあきらめた人間”といった感じになるのかなと。
仮にそうであれば、光実は変身こそしたけれど「切り開いた」とはまだ言い辛い状況。
どちらかというと与えられた環境を飲み込もうとしている方が強いかなと、今のところ…。
戦国武将がモチーフであるということは、互いに奪い合うかはともかくとして、狭い世界から広い世界へという意味付けにも使える錠前。
ユグドラシル社に踊らされ縛られている状況下もまた錠前で比喩出来る。
意外と「錠前」は便利なアイテムだなと思えてくる。
⇒仮面ライダー 各話レビュー