ユウキが試験中にカメラの部品を隠したのは、試験官からのグリーンカードによる指示。それによって、ユウキが宇宙にかける覚悟が明らかとなったのでした。
自分が出しゃばることによって嫌われ者になったとしても、エリーヌの設計図とチームを守ろうとする覚悟。
前回の記事で、ユウキが持っているという宇宙飛行士の資質は、宇宙飛行士だけでなく「フォーゼ」という番組においても必要な資質なのではないかと書きました。
それに照らしてみると、他のライダー部員が頭脳だったり体力だったり情報能力だったりで役立つ中、特別な力を発揮しない宇宙バカのユウキは役立っていないようにも見えるけど、実はあのおバカでウザイ立ち居振る舞いがライダー部に必要不可欠な要素であるのだとも見えてくる。
そういえば藤子・F・不二雄SF短編に、あえて宇宙船クルーの嫌われ者を引き受けてガス抜きさせるなんて話がありましたなぁ。(「イヤなイヤなイヤな奴」)
時に嫌われ者やピエロになる事も、宇宙という極限状態で生きる為に必要なコトなのかもしれない。
その事実を知ったエリーヌはユウキの怪我を治すも、理事長への忠心も捨てられず、スイッチを手放す事が出来ない。
そこでフォーゼとのタイマン勝負に行方を託すというのが熱い流れ。
エリーヌが真実を知って、もうバトルの必然性は無くなってしまったのではないかと思ったけど、思いのほか熱い話になっていてステキ。
そんなフォーゼとアクエリアスのタイマン勝負。
豪雨の中の変身、決まる瞬間の静止、エリーヌの消失。
ヤバイヤバイヤバイ、なんか知らんが石田監督の本気がヤバイ。
あまりにレベルの高いシーンに鳥肌立つし、思わず声上げてしまう演出。え、ちょ、何コレ映画?
最近、石田監督といえば悪ふざけという印象が強かったけど、いや、さすが巨匠…。
長年見ていると「ブレイド」や「カブト」を彷彿とさせる映像でもありますが、まるで最終回かというこの画の濃さにひたすら驚きました。
おいおい、どういうことだよ、そんな重要回だったか今回?(え)
レギュラーの話と思って油断していたら凄いモン見せられたなぁと。
いやぁ…そう思うとあれですね、その前のシーンでやたら天候が悪い山でロケしてたのも巨匠の狙いだったのかと思えますね(え)。
あれだけ雪が吹いていれば、急に豪雨のシーンになっても、なんとなく納得行きますからね。なるほどな、さすが巨匠。
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仮面ライダー 各話レビュー