2011/07/22
本日放送は「ウルトラリング」と「解決!出木杉事件」でした。
「ウルトラ~」は、指に装着するだけで怪力になる“ウルトラリング”をママがつけてしまい、町が阿鼻叫喚の地獄絵図と化すお話。たぶんあの指輪をつけることで筋肉の収縮を高めるパーマロゲンという物質が(ry
何も知らずに道具を使ったママを何とか食い止めようとするパターンのお話。「おおかみ男クリーム」に近い。
パパとママが巻き込まれるお話ってのはちょこちょこ原作にもありますけど、パパは自ら道具を使ってひどい目にあう(トレパン・苦労味噌・アドベン茶)パターンで、ママは今回のように効果を知らずに道具を使って周りをワタワタさせるってパターンに分けられるのかな。
割と積極的に秘密道具を使うパパに対して、ママはあくまでその非日常性に対して侵されない現実の砦とされているんでしょうか。
ドラえもん大長編のルールの一つに「日常サイドの大人達に世界の危機が知られてはいけない」というモノがありますね。子どもたちの非日常を描くからこそ、その他の日常は日常である為に決して揺るいではならない…というコトであると思われます。
ママが秘密道具を積極的に使用しない・認めないのは、のび太にとって…子どもにとっての母親が絶対的な日常、帰るべき場所を意味しているからなんでしょうね。非日常的な冒険を体験するかしないかに関わらず、子どもは陽が暮れれば母親のいる家へと帰ってくる。
であれば、そこが非日常に同化してしまってはならない。だからママは道具を説教的には活用しないし、いつも話のオチで日常回帰する為の機能として使われている…。
逆にパパが道具を使ってもいいのは、ママのように“家(日常)を守る者”ではなく、のび太と同様に“家(日常)へ帰って来る者”だから一時的に非日常に染まることも許されているってコトなのかな…。
書くこと無いなと思いながら、結構がんばったじゃん(え)。
「解決!~」は、出木杉の電話にイタズラをしてくる犯人を捕まえる為に“物体伝送アダプター”を活用するお話。
観ているだけでなんと便利な道具なのだろうとホレボレする…でもたぶん一回の使用量が伝送するモノの体積に比例して結構お高いのだと思われる。回線使用量が大きそうだもんな…。
イタズラ電話をしていた犯人を捕まえ、もう二度としないと誓うなら誰にも話さないと言う神々しい出木杉。
イタ電なんて最低の犯罪だ!と憤慨していたのび太ですが、そのちょっと前に「おどかしてやれ」としずかちゃんに電話をかけていたりする。あと夜中に備えて昼寝するという発想も犯人であったガリベン君に近いものがある。
これはさりげにのび太とガリベン君の比較が仕込まれていたというコトだったのか…。
発想の近い両者の違いというと、冒頭でスネ夫に言われていたように「のび太なんていつも点数が悪いのに気にしてない」ってトコロでしょうか。点数が悪くても気にしないで生きているのび太と、点数はイイけど出木杉がいるおかげで一番になれないガリベン君。
ま、ひとつフォローするならば、のび太は向上心だけは常に持っている人間なので本気で気にしていないワケじゃない。問題はその向上心のエネルギーの持って行き方だったのかな…。
ガリベン君はそれを恨みに変えてしまったのが不味かったのだと…。
この原作を初めて読んでからそりゃあもう随分と経ちますけど、対比が組み込まれていると今回初めて気付きました。読み尽くした、知り尽くしたと思ったモノでも、ふとした瞬間に違う角度が見えて全く別の何かに変わることってあるんですね…。
しみじみ、なるほどなぁと思わせて頂きました。ふむふむ。
次回は一週空いて8月の放送。
今年はドラえもん音頭やらないのかな?