2009/09/18
本日放送は「大あばれ!のび太の赤ちゃん」でした。
何かを作りたい衝動に駆られるのび太は、部屋においてあった架空動物製造機を使って架空動物の赤ちゃんを作ろうと試みる。材料は石鹸に釘、マッチに石灰、硫黄、にがり…
原作は「人間製造機」というお話。
人間製造機で作った人間は超能力を持ったミュータントになってしまい、未来では国連軍が出動してあわや戦争という事態にまで発展してしまっていた。のび太は知らずにその機械で攻撃的なミュータントの赤ん坊を作ってしまうが、ドラえもんが機転を利かせ、タイム風呂敷によって赤ん坊は元の材料に戻るのであった――といった、そんなお話でした。
今回のアニメとベースは殆ど同じだけど、結末への展開が全く違うモノになっていますね。
まぁ、それもそのはず…。どう考えてもこの話を原作通りテレビアニメにするのは無理ってもんがある。
人間を簡単に作っちゃうとか、危ないからって存在を消しちゃうとか…一般常識を持ってすれば色々と倫理的に厳しいと感じる部分が多い話であります。今回のアニメでも、これはあくまで人間じゃなくて架空動物です、ミュータントです、という但し書きに溢れていた印象を受けますしね。
そんなお話だけに、「ヘソリンガス」とか「ぶんかいドライバー」に並んで現在アニメ化出来ないリストに載っている話だろうと思って、アニメで見られることなんて初めから予期していませんでした。
だから、そんな逆境の中を試行錯誤で今のテレビアニメのカタチとして落とし込んだ、その努力と執念に敬意を払いたい。
最後、ミュータンが宇宙へ旅立つ展開は毒とも薬とも呼べない微妙にモヤッとしたモノが残りはしますが…でも、確かにこれ以外の落とし方は出来ないよなぁとも思いました。こればかりは仕方ないよね、うん。
人間の材料が実はあんな身近なモノで出来ているというSF的驚きとか(そういえば大野木さんはハガレンも書いている…とか思ったり)。
そんな世界の命運がかかるほどヤバイ道具をのび太の前に簡単に放り出して出かけていくドラえもんさんの相変わらず過ぎる危機意識の低さとか。
「一緒に作らない? 赤ちゃん」というこの作品中で非常に珍しい下ネタだとか。
そんな原作のエッセンスがちゃんと生きているだけでボクはもう好かったと思います。そうそう、原作初見の時はどうしてしずちゃんが怒ったのか分からなかったもんだ…うんうん。
難しい原作相手によう頑張ったと思います。
結果が勝利だったのか否かは何とも言えない雰囲気でしたが、そもそも相手が強すぎるんだから無理を言ってはいけません。1ラウンド、ポイント優勢になったぐらいで御の字ですともさ。
ただ…あえて一つ言うなら…
未来デパートじゃなしに原作通り新世界デパートであってほしかった(そこかよ)。
といったトコロで次回のドラえもんさんはひと月後です。
ミユキさんがコーナーレギュラーか…。