2007/11/17
唐突ですが、時にはありだと思う、そんなレビュー。
いやぁ~…今日の「ちりとてちん」はやられたッ!
涙腺にガツンと来たッ! 正直、朝ドラでやられると思ってなかったッ!
今週は、草若師匠が三年前に起こした一門会欠席の真実が明かされる話でありましたが、根底を貫いているのは親子の絆の話。
草若が一門会を欠席したのは、他の女のトコロへ遊びに行っていて遅刻したのだとずっと思っていた息子で弟子の小草若。しかし、真実は妻の余命少ないのを知り、草若は高座に上がれなくなったしまったからだたか…。
しかし、たとえ家族の死に際でも、高座で人を笑かすのが芸人ちゃうんか、と小草若。ずっと反発していた父親でしたが、その芸人の魂だけはちゃんと受け継いでいるのです。
また、喜代美は喜代美(B子の名前の方を先に思い出してしまうんだけど…)で、母から落語会に出す為の蕎麦の作り方を教えてもらっている。それは祖母から母へと受け継がれた蕎麦であり、それが今度は娘へと伝わってゆく。
芸の魂、蕎麦の打ち方、どちらも親から子へと受け継がれて、またそれが次代へと続いてゆくという絆の話なんですなー。
で、今日放送分は落語会へと突入するんですが。
もうねー、小草若が芸名を師匠から貰った時ホンマ嬉しゅうてねぇー、とゆー件から、涙腺がジュワジュワでしたよ。
ずっと父親へ反発して憎まれ口ばかり叩いて来たけど、本当は父親のコトが大好きなのだという想いが爆発です。小草若が「寿限無」の噺ばかりしていたのも、単に落語家として腕が未熟とかなのではなく、父親から教えてもらった最初の噺、名前に絡んだ親と子の絆の噺に自分と師匠を重ねていたからこそ、「寿限無」という噺が大好きなのだと分かる辺りが、もう…ヤバイ。
でも、たぶんこれをフツーに話されても涙腺には来ないんだろうなぁ…。
自分の中の辛さや想いも全部使って、それでも人を笑かそうという芸人の魂へ変換するところに、無性に心打たれました。小草若、一見カルそうに見えても、芸への想いは本物なんですよね…。
まぁ「寿限無」しか出来ないんだけど…。
んもー、その時点でお腹いっぱいだったのに、まさかの草若師匠ですよ。息子の想いに応える様に、三年ぶりに高座へ上がる。
ちょ、ダメだよ、そんなことしたら! オレが泣いちゃうだろ!
ここはもうフツーにヤラれた…完全に予想外、さっきの小草若がクライマックスだと思っていただけに、まさかここで復活かぁ!
奇しくも、噺は「愛宕山」、トリがいなくて弟子たちが困惑するという三年前の落語会と同じ状況。
いや、だからこそ、ここで師匠が戻って来なければならないのです。
さらにそれは、喜代美の亡くなったおじいちゃんが聞いていたテープと同じ噺と噺家。和田家の思い出の落語でもあるのですよね。
ここでそれを聞かせる為に家族総出で大阪に来ていたのかと合点が行って、すこぶる納得。
ここでもまた家族の絆が垣間見える瞬間なんですよねぇ…。
正直、朝ドラなんてーのは殆ど外ればっかりなんですが(毒)、今のところ「ちりとてちん」は相当面白いですね。ま、中だるみの可能性もあるので絶対とは言えませんが。
てか、落語の噺とドラマとが、すっ…と重なる部分が巧いよなぁ。
あぁ、なんとかこの感じで最後まで行って欲しいと、切に願っておりますよ。