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仮面ライダージオウ LAST「2019:アポカリプス」

ツクヨミを王(ライダー)にすることで消滅するはずだった世界は救われる。
ふむ、つまり「ジオウ」は仮面ライダー放送枠を具現化した世界観なので、ライダーが存在しない未来の世界は存在可能性が消滅するが、ライダーがいれば放送される未来の可能性はゼロではなくなるので生存することが出来る…てな感じでしょうか。

「ディケイド」における世界の消滅は過去の記憶が消えてしまう事だったけど、「ジオウ」では未来の可能性が潰える事で消滅するのかな。現象としては似ているけど、その意味するところは違うような気がします。

スウォルツは自身の世界を生き残らせるため、他のライダー世界をまとめて葬ろうとしていた。つまり、ライダーが登場しない企画を放送させるため、ライダーシリーズを終了させようとしていたのだと。メタルヒーロー過激派かな…? あるいは全く新しい作品か…。
ライダーが登場しないはずの企画だったのにライダー企画になったといえば「響鬼」ですが、「ツクヨミ」という企画にも同様にそんな変遷があったのでしょうね。

おじさんは壊れたライドウォッチをいつの間にか直してくれていた。
これによって失われた、破壊されたライダーの歴史は修復する事が出来るわけです。
これまで執拗に色んなモノを修理してきたおじさんですが、全てはライダーの歴史を修復する為の前振りであり、その説得力を得るために色々と直していたんだなと腑に落ちます。
いやもうデンライナー直してるならウォッチぐらいね…。

同じく下山さんメインのニンニンでもそうでしたが、日常を補佐してくれていたおじさんが居なかったら世界は救えなかったというのは熱い展開だなあ。


■RESET

オーマジオウの力は時空を破壊することだが、同じく時空を創造する力もある。破壊と創造は表裏一体ゆえに、破壊者は創造者でもある。
オーマジオウになったソウゴは、スウォルツによって融合させられていた世界を再び別の世界へ戻し、更に作り替えた世界で1年前から歴史をやり直す事を決意する。

おや…?
その決断は…いいのだろうか? とココでふと思わせる。
それは自分にとって都合の悪い歴史だからやり直す…みたいな修正主義とも捉えかねられない。これまでの過去も未来も共に進んできたソウゴなのに、それでいいのだろうか…と。

ソウゴが新たに作り出した世界は、ゲイツもツクヨミも、ウールもオーラも平和に暮らす世界。
やり直しているようでありつつ、この新しい世界はこれまでの1年間の出来事が無ければありえなかった世界でもある。

「時計の針はさ…未来にしか進まない。
 ぐるっと一周して、元に戻ったように見えても、未来に進んでるんだ」


戻ったように見えるけど、それは未来へ進んだ結果の世界。

つまりこれは何をか言わんや… というと、「仮面ライダーシリーズ」そのモノを表しているのです。
いや、もっと言えば、此処には「スーパー戦隊」や「プリキュア」なんかも含まれています。

ヒーロー達は一年間頑張って頑張って世界を救います。
しかし、次のシリーズに代わった途端、また世界存亡の危機が訪れ、ほぼ同じテーマ、ほぼ同じストーリー、ほぼ同じアイテムが登場する作品が、またぞろ放送され続けているのです。
この世界(ライダー放送枠)は、ループする宿命の世界なのです。

じゃあそれは、同じ事をただ繰り返しているだけなの?
そんなのあまりに虚無的じゃないか…!?
去年も同じ商品を買ったでしょ。我慢しなさい!

……いや、そうじゃないんです、お母さん…。

それらの作品は同じ事を繰り返しているように見えて、毎年少しずつ変わり続けている。
そしてまた、これまでの歴史も積み重なった結果として現行作品があるのです。

「ジオウの世界」がリセットされたコトは、この手のシリーズにおいての宿命として逃れられない性であるとしつつ、決して哀しい事でも無駄な事でもないと語られている。
だってそれは「仮面ライダーシリーズ」が、もっと言えば「戦隊」や「プリキュア」etc... 日本的なマーチャンダイジングのヒーロー番組がずっと歩んできた歴史なのだから。

ソウゴが選んだ破壊と創造による「繰り返し」の決断は、「平成仮面ライダー」が歩んできた歴史を肯定するからこそ、ポジティブな文脈で使用されるのです。

「どんなに歴史が壊されても、仮面ライダーは壊れない」


これからもライダーや戦隊、プリキュアのTVシリーズは毎年リセットされる・歴史が壊される宿命にある。

しかし、シリーズとしてはむしろ強固になっていくし、その思い出も消えたりはしないのです。

実に「ジオウ」らしいメタ的な意味において「ライダーは不滅だ!」というお馴染みの台詞を言い換えてくれている。


■HEISEI

始まった当初は「ディケイドと違ってジオウはメタじゃないから」などとアナウンスされておりましたが、終わってみればテレビも映画も全部メタメタじゃないですか。ありがてえ。
これだから白倉さんの言う事は素直に聞いてはいけない。

制作者サイドが事前に白状するぐらいには、最終回の尺が足りてない様子で、ソウゴの未来具現化能力だとか、後半オリジナルとアナザーが同居できる原理だとか、ギンガ…はまぁ初めから期待してませんが、細々と説明されていない事は結構あるかな。

しかしま、大体のテーマは夏映画で充足し得るし、TVシリーズとしてのメタ的な語りも今回おおいにしてくれて、大団円という満足感に浸っているかなと感じます。

何より、ディケイドの出番が多いだけで全てが許されると言って良いでしょう(恣意的な判断)。

ま、あくまでジオウのお話なので“ディケイドの物語”に進展があるでもないですが、生きて動いてる姿や、新グッズが出るだけで嬉しいモノです。
ディケイドは現行! ディケイドは現行!!


オーマジオウこと常盤ソウゴの創造により、世界は再び分離し、新たな世界も誕生する。
ジオウが終わり、ゼロワンが生まれる夢を見たんだ…。

てなわけで、1年間ありがとうございました。
そして、ありがとう平成ライダー。

仮面ライダージオウ EP48「2068:オーマ・タイム!」

自分の世界以外は全て滅ぼす事で王となろうとするスウォルツに対し、世界を破壊すると決めた門矢士。
しかし、世界が滅びても人々だけは救わなければ…と、奇しくもビルドの終盤と似た展開に?

人々を救うことは出来る…が、士の計画においてはソウゴが犠牲になるとされる。つまりは「ジオウ」という番組の終わり・死を示唆している。

ソウゴは2068年へと向かい、オーマジオウと再度対決。
しかし、よくよく考える必要もなく、別にオーマジオウと戦う必要性はありませんし、仮にソウゴが勝ったとしてもイコールそれがオーマジオウにならない未来を作る事にはならないのです。知ってた。

オーマジオウの力は時空を破壊する力。スウォルツはそんな魔王の力を利用しようとしているに過ぎない。
ディケイドの力の半分だけでラスボスになったスウォルツ氏、本人が居ない所でひどい小者扱いです。

時空を破壊する…それこそが別々に存在した世界を一つにしてしまう力のコトでしょうか。
「ディケイド」の場合、世界の融合ではなく繋げるだけに踏みとどまった印象なのですが、縦軸で繋がっているジオウ世界はやはり融合した世界だと言えようか。

時空とか時間軸とか世界とか、似たような言葉が乱立使用されていて、それぞれに違う意味なのか結構面倒くさいのですが、ライダーの歴史を無きものにして吸収してしまうのがオーマジオウの言う「時空の破壊」…ってトコロでしょうか。
その結果、全てのライダーの歴史はオーマジオウの歴史に改変されてしまった。

2000年からスタートした新番組は「クウガ」ではなく「オーマジオウ」だったと…。
たった一人の王様(仮面ライダー)の歴史です。

かたや、全てのライダーの歴史を継承し、これまでのライダーの歴史も存在させようとするのがソウゴが言う最善最良の王の姿です。
それは同時に、「ジオウ」も終わらなければならないコトを意味している。

オーマジオウのみの歴史となれば、これは終わることなく永遠に「オーマジオウ」は放送され続けられるわけですが、みんなと一緒に歴史を作ろうと言うのであれば、ソウゴもまたバトンを次へ渡さなければならない。


ソウゴは2068年でツクヨミに一つのウォッチを渡している。
それはツクヨミがライダーになる為のウォッチ。
まさしく王(ライダー)の力です。

記憶喪失という自己の時間を失ったツクヨミが、自分の時間・歴史を手に入れた証でもあるのですが、この一年わちゃわちゃと過ごしていた事がツクヨミの歴史となっているってコトかしら。

一方でスウォルツは偽の王(アナザーライダー)にしかなれないのね。

ツクヨミがライダーになることで、その故郷となる世界・時間軸も救われるという。
じゃあその世界が滅びる予定だったのはライダーが存在しない時間軸だったからというコトなのかしら。ライダーがいない世界には存在意義が示されない…ライダーが居る事が絶対条件とされる宇宙…。

やはりこの宇宙は「仮面ライダーを放送している枠」なのでは…。

ライダーを放送する枠においては、ライダーが登場しない番組は存在し得ない…。ツクヨミたちが居た世界は没企画の世界なのでは…(ひどい)。


そんなところで次回が最終回。クウガと同じ話数か。
もうどう考えても来週の話だけで終わる予感がしないので、冬映画で回収するのだろう…ぐらいの広い心を持つことが大事かもしれない。平成ライダーってそういうもんなんだよ…醜くても一生懸命なんだ…。

まぁ「平成ライダー」としての最終回自体は夏映画で終えているので、もう満足している部分あるのですが。

仮面ライダージオウ EP46「2019:オペレーション・ウォズ」/EP47「2019:きえるウォッチ」

アナザーワールド内に閉じ込められたゲイツを救出する方法を提案する白ウォズ。それはトリニティの変身によって無理やりこちら側に引き戻すという方法だという。
トリニティの三位一体は物理的な合体というよりも、三者の絆によって繋がる変身であり、それは時空すらも凌駕するのだと。
なかなかロマンチック理論。

かたやスウォルツはオーラの命も奪って、タイムジャッカーも遂に1人となってしまう。仲間を増やしてきたソウゴと、一人になるスウォルツは実に対比的です。まぁウールを殺したのはアナザードライブでなくオーラなのだけど。
スウォルツがオーラだけでなくもアクアも倒したことで、未来の可能性を自分だけに集約させていると見る事も出来る。
勿論ソウゴは色んな未来の可能性を抱えたまま進もうとしている。

スウォルツがソウゴに提示した選択肢は三つ。

ソウゴの世界が残るか、ツクヨミの世界が残るのか、オーマジオウになるか…。ソウゴの居るこの世界とツクヨミの存在する世界は同時には存在出来ない…というコトなのかしら。

門矢士の案内によって分かったのは、数多と存在する世界の中、ツクヨミとスウォルツの故郷となる時間軸世界は滅びようとしていたのだという。
だので、他の世界を全て滅ぼせば、世界の可能性は一つに絞られてツクヨミたちの未来が生き残る。だから多くのライダー世界が一つの世界にまとめられてしまっていたのだと…。

この、ツクヨミたちの居る消滅が約束された世界というのはどういう世界なのだろう。ソウゴの居る世界とは同時に存在し得ないが、オーマジオウが誕生するならばツクヨミは存在し得る…?
平成ライダーと同時に存在し得ないってだけなら、メタルヒーローの怨念かなと思えるんだけど…。

消滅したはずのライダーの歴史が復活し、巷では怪人たちがウジャウジャと湧いて出る。ライダーの歴史が復活したので怪人が復活したものの、ライダー本人は復活していないカオスが出来上がっているらしい。
10年前の放送で見慣れた光景だけに、ディケイドが「この世界を破壊する」という決意も、そもそもお前が来たからこうなっている可能性がある…とすら思ってしまう。なお冤罪の可能性はあります。

スウォルツの計画は2009年から始まっているので、それすなわち「ディケイド」が誕生した09年以降でないと世界の融合自体が成立しないという意味にも取れる。
結局本人の意図せざる部分において、この事件の発端がディケイドとされるのも必然なのでは。

士がすんなりとディケイドウォッチを渡していたのは、力を奪われた時用の保険だったと明かされました。
なーんか全盛期よりも弱体化されているなーという印象だったのは現行作品への配慮ではなかった…!

これ、このままスウォルツに奪われたディケイドの歴史(というのが存在するかどうかはともかく)もろとも爆散させれば、「ディケイドの歴史は半分に失われた」コトになり、ディケイドが31話しかない理由付けに出来るのではないでしょうか…。
ぜひそうして欲しい…。


仮面ライダージオウ EP44「2019:アクアのよびごえ」/EP45「2019:エターナル・パーティ」

次々と人間が失踪する事件が発生しておりましたが、それはアナザーディケイドの力を持ったスウォルツの仕業なのでありました。
アナザーディケイドは、「あり得たかもしれないもう一つの可能性」から生み出した「アナザーワールド」に人間を閉じ込め、更にそのアナザーワールドではライダーに勝利した事になっているダークライダー達を召喚できるようになっている。

リイマジ世界を渡っていたディケイドだので、なるほど確かに「ディケイド」という存在(番組)そのものがオリジナルではない「ニセモノの世界」を生み出していたと言える。
このメタ的な能力そのものが実にディケイドの能力らしい。

ちな「ディケイド」には闇の世界と呼ばれるダークライダーの世界が登場し、そこで門矢士は王として受け入れられております。
ここから個人的な持論展開になりますが、ディケイドこと門矢士は他ライダー世界を支配下に置くことによって世界を繋げる存在です(断言)。
これは最終話(ディケイド31話)で紅渡の言っていた「あなたは全てのライダーを倒せなくてはならなかった」という言葉や、夏映画とMOVIE大戦で全てのライダーの頂点に立ったことを考慮すれば、そういう結論になるからなのです。
他ライダーを倒さず頂点にならなかったTVシリーズは、いわばBAD(ループ)エンドルートでしたから。

ディケイドの役割はライダー世界同士を繋げる事ですが、その方法が他ライダーを支配する事にあるのではないかと考えられます。だからこそ、ライダーが人間を支配している闇ライダー世界において、ディケイドは“王”として手厚く歓迎されているのです。

そして、ライダーは本来なら人間の自由のために戦う戦士なので、支配者の座に腰かけるディケイドはライダーのニセモノであり、はみ出し者であり、常に敵視される存在たりえるのです。

てな持論での前提を考慮しておくと、アナザーディケイドはディケイドとそう大差ないって気もする。アナザー世界に閉じ込めてしまうというのはまさしく反転した部分でありますかね。


門矢士とディケイドは概念的な存在なので、ディケイドではない門矢士なんて存在し得ないでしょうと思っているのですが、このたびディケイドの力を奪われても特に支障なく世界を破壊している士にホッと一安心でした。
士からするとディケイドライバーを取られたぐらいの影響でしか無いのだなぁ。

あり得たかもしれないもうひとつの可能性であるアナザーワールド。
ソウゴによっては魔王になる未来か、善良な王になる未来か、あるいはまた別の未来か…。
ソウゴは自分に自分の目指す未来がありつつ、対峙する相手が作りたい未来も別に否定はしないし、切磋琢磨した結果として新しい未来が生まれるのだと言っているので、それはアナザーワールドの可能性を全否定するモノでもないようにも思えますが…はて。


未来からやって来た仮面ライダーアクア。
アクアはゲイツやツクヨミに自分の時代・世界へ戻るように促すためやって来たという。自身もかつて過去に干渉しようとしたからこそ、その自戒を込めて両者を正す。

そうか、アナザーワールドを悪と定義出来るのは、未来の可能性だからではなく、過去を改変して別の世界を作っているトコロにあるのかな。それならソウゴがアナザーワールドを普通にぶっ飛ばしても問題ない。

アナザードライブの正体はパラドックスロイミュードさん。
ドライブの映画の敵さんですが、既に倒されて存在しないはずの矛盾(パラドックス)を持っているから存在していて良いのか…、あるいはアナザーワールドからひょっこり出てきたのか、それともドライブの正史自体が改変されているのか(まだ映画を見ていない)。

ウール君は偽のオーラさん…ではなく本物オーラさんによる謎スライサーによって殺されてしまう。
子どもは殺さないという暗黙の了解を信じていたので、なかなか驚きでした。

最終回に工事現場で働くウール君の未来もあったはずなのに…。

仮面ライダージオウ EP43「2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル」

スウォルツさんとツクヨミの兄妹は、別時空の王族であり、スウォルツさんは新たな王としてツクヨミが選ばれたことが気に食わず、この世界へと追放したのだと教えてくれます。
となれば本来の王はツクヨミで、ソウゴもまた偽りの王にすぎないという事でしょうか。
時を止める能力は、その王族のみが持っているチカラであると…。

ソウゴは過去と未来を大事にしようというのに対し、過去しか見ていないとされた加古川飛流は敵わなかった。
かたや、時間停止能力は今という時間を過去とも未来とも分断する能力なので、別世界から来ている時間や歴史の繋がりとは隔絶しているスウォルツがジオウに対するラスボス化(…まだ早いか?)というのもなるほどです。

アナザージオウとの戦いのさ中、ディケイドは力を吸われてアナザーディケイドウォッチが誕生してしまう。
吸収される歴史が無いのがディケイドの強みというのがボクの解釈ですが、アナザーディケイドが出ないまま番組終わるわけにもいかないので、ここをどう解釈するかだなぁ…。
しれっと次回もディケイドに変身していてほしい…。

仮面ライダージオウ EP42「2019:ミッシング・ワールド」

歴史が改変されてソウゴの記憶が消えてしまった世界になってしまうものの、ソウゴがやる事は変わらず、再びゲイツとツクヨミとも協力体制を築き上げる。
元の歴史では何話もかかったゲイツ君、今回の懐柔は十数分で済んでしまう。
アナザージオウは過去の歴史を変えられるが、ソウゴは思うままに未来を変えられる(らしい)というがよく分かる。たとえ過去を変えられても、ソウゴが頑張れば元へと戻って来る。

久方登場の海東大樹は、加古川飛流からアナザーウォッチを奪おうとしていたらスウォルツから時間停止能力を貰ってしまう。
何故よりによって信用できない相手にそんな便利な能力を与えてしまうのか…言う事を聞いてくれると信じているのだろうか…。

ディケイド同様に「通りすがりの仮面ライダー」であるディエンド。
ボクの解釈では、ディエンドは作品世界に「死(作品的な死、社会的忘却)」「終わり(最終回)」をもたらす存在だと思っているので、生でも死でもない状態となる時間停止との相性は悪そうに思うのですが、これ如何に。
まぁどうせスウォルツを裏切るのだろうとは思いますが(謎の安心)。

門矢士と海東が同時に自由に動き出して、もはや視点がその世界の原住民側になった「ディケイド」と化して来ております。
昭和ライダーの時代は「視聴率が悪いとV3が客演で来るぞ」などと言われたらしいですが、平成令和でも変わらず先輩はデカい顔して参ります。

仮面ライダージオウ EP41「2019:セカイ、リセット」

グランドジオウとなってオーマジオウに戦いを挑むソウゴですが、まだドライブウォッチは自力で回収していないという隙を突かれ、今回も叶うまでに至りません。そもそも未来の自分(?)に勝ってどうなるのかも分かりませんが。

未来から戻るとそこは元居たよりも少し先であろう2019年8月でした。
そこはアナザージオウこと加古川飛流が魔王として支配する新たな歴史世界。
なんとアナザージオウⅡには歴史を自由に書き換える能力があるとのこと。だいぶ反則です。
嘘か真かまだ分からぬものの、常盤ソウゴには思ったコトを未来で具現化する能力があるのではないかとも言われているので、それが反転して過去を修正できる能力になっているってトコロでしょうか。


過去を書き換えるアナザージオウですが、ジオウの方だって過去を書き換えてきたよなぁというのは気になる点です。
テレビ本編の流れを振り返ると、序盤は過去ライダーの歴史を書き換えてウォッチを手に入れてきましたが、中盤以降は過去の歴史を修正する事なくウォッチを手に入れるコトが出来るようになっている。

でまた、グランドジオウに至っては過去ライダーの(視聴者が知っている)歴史自体を利用して戦っているので、歴史改変も吸収も行っていないのだと分かる。

てな流れを鑑みると、歴史を改変して奪い取ってしまう魔王と恐れられている頃のソウゴが強化された姿がアナザージオウなのであると見える。かたやソウゴ自身は、未来を予知したり、未来を具現化したりしつつ、過去を受け入れるという方向性で変化して来ている。

要するに、「ひとり」で王様になるか、「みんな」と一緒に王様になるかによって歴史は変わる…。プリキュア感よ。

そんな風に、せっかくみんなと一緒に未来を作る王様というコンセプトが出来上がって来たのに、歴史改変によって再びひとりぼっちにされてしまうソウゴ。
そして割とこの世界で長居している門矢士は物語に干渉する気があるのか否か…。

仮面ライダージオウ EP40「2017:グランド・クライマックス!」

アナザー電王は亡くなった姉を婚約者から守ろうとデンライナーで過去へと戻る。
原典「電王」の主関係を反転再構築したような話が広がります。
婚約者への恨みを持っていたアナザー電王は、それが姉の願いだったと知って恨みが氷解する。それは反転した“良太郎”の性質が元へ戻るかのような、アナザーがオリジナルに回帰するような流れでもある。

前回書いた、この電王ウォッチは誰のモノなのか論なのですが、今回のお話を見ると、良太郎+モモタロスの電王ではなく、モモタロス一人で変身するタイプの電王なんだなと認識されます。
これはモモタロスが自分自身の時間を手に入れたことで肉体を得て変身出来るようになったモノなので、そのウォッチを他者に貸すというのは、何というかエモみがあるわけです(語彙力)。

全ての平成ライダーウォッチを回収することで誕生するグランドジオウ。
それは全平成ライダーを自由にその時代から召喚する事が出来る。ひとり春映画じゃん…。
ほう、つまりそれはこの時点で既に平成ライダーたちの歴史は戻っている…という風にも読み解けるのでは?

全ての平成ライダーの歴史を奪い取って支配したオーマジオウに対し、グランドジオウは全平成ライダーの歴史と共に戦っている。
それぞれのライダーがオリジナルの歴史を存在させたままジオウに協力しているのだ。
吸収か、協力か、オーマジオウとソウゴのテーマの違いが如実に表れる。
オーマジオウが平成ライダーの時間を停止して立像にしていたのに対し、グランドジオウではその像が動き出す。まさしくテーマそのものという印象の演出で好いなぁ。

歴代ライダーを召喚する事はディエンドにも出来ますが、あくまで偽物として召喚するディエンドに対して、時間操作でオリジナルを召喚するというのは似て非なるモノ。
ニセモノである事も肯定していくディケイド組に対して、本物の歴史によって偽者ライダーの退治をするジオウ…と考えると、今後はニセモノを受け入れていく話も描かれるのかもしれないなどと思える。

侑斗が「お前は本当に魔王か?」と聞くように、ソウゴ自身がニセモノの魔王なのかもしれないわけで…。

仮面ライダージオウ EP39「2007:デンライナー・クラッシュ!」

突如、空から降って来たのは時をかける列車デンライナー。その修理を順一郎おじさんに頼みに来るイマジン一同なのです。
劇場版があったからなのか、まだデンライナーのセット残っとったんかと妙な感心が沸き起こります。

かたやアナザー電王になったのは、姉を亡くしてその婚約者(?)に恨みを抱く青年というオリジナルの良太郎を反転させたようなお方です。また、見る限りでは平成ジェネレーションズは存在していないコトとなっているのかな?(というか仮に映画事象が存在していても、どこまでがアレなのか解釈が難しいのですけれど)

さらにソウゴを邪魔してくるのは、魔王になる未来を止めようとするゼロノスこと侑斗とデネブ。顔が同じ事はさらりと受け流す力技を見た。
「電王」を反転させたようなアナザー電王のゲスト達のドラマを、「電王」の設定とフォーマットで描こうとしているという…かなり「電王」みの高いエピソードではなかろうか。一種のセルフパロディ的でもある。

ゼロノスが出ているのが…ただのゲストなのか「電王」でやり残したことを掘り下げようとしているのか、ちょっと気にかかる点でもあります。愛理さんとの結婚は「電王」ではついぞ果たされていないし、その“未来”を描くとしたら今回がテーマ的にも好機と見えるのです。

電王ウォッチはあまりにナチュラルに渡されて全てのウォッチが揃ってしまう。
この電王ウォッチが良太郎のそれなのか、モモタロスのモノなのかで意味付けがちょっとだけ変えられそう。
借り物の時間でしか生きられなかったモモタロス達が自分の時間を手に入れるまでが「電王」だったので、それを他者に貸してあげる側になったというのならとても感慨深く思える。

良太郎のウォッチの場合であれば「おま、勝手に!」で終わるけれど。

仮面ライダージオウ EP38「2019:カブトにえらばれしもの」

アナザーカブト後編は、巨大な隕石が迫って危険が危ない所から始まります。
アナザーカブトとなった矢車は、隕石で地上が破壊され、ワームだらけになっても影山さえいれば良いのだと破滅願望ここに極まるという雰囲気。
ワームとなった弟を何としてでも守り抜こうとするその姿は、「カブト」本編での天道総司の姿とダブります。

しかし、矢車は弟さえいれば世界が滅亡しても構わないと言う。
ここが、妹と妹の居る世界をどちらも守ろうとした天道との違いであると言えます。
矢車はどちらかというと、ひよりさえいれば世界は要らないと考えたダークカブトに近かったワケです。まぁあれも要するにアナザーカブトなのですが。

戦いの神・ガタックといえどアナザーカブトには敵わない。というか、そもそもカブトにしか倒せないように出来ているので加賀美の実力云々ではありませんが。
加賀美はカブトゼクターに認められ、カブトに変身。「カブト」1話でカブトゼクターに認められなかった加賀美が、遂にここで認められた…という事になります。

さて…問題のシーンです。

原典を思い返すと、加賀美は確かに天道の背中を追いかけ、カブトになりたかった男として描かれていたのではありますが、そのドラマ自体は22話ガタック誕生編で昇華しているわけです。
「俺は俺にしかなれない」は加賀美のドラマの到達点ですし、「カブト」における数少ない熱い話(ぉぃ)なので、実に印象深いし大事なお話なのです。

といったように…「カブト」の続編エピソードとして見てしまうと、今回の展開は「カブトになりたかった加賀美」について解釈違いが起きてしまいます。
この辺が「ディケイド」リ・イマジ世界とは違う弊害というか、どうしても蛇足になって見える可能性があります。

ただ…。

勘違いしてはいけないのです。

これは「『カブト』の続編」ではなく、「ジオウ」という番組にカブトが出てくるだけの話なのです。
つまり、今回描くべきは「ジオウ」のテーマやドラマであって、「カブト」のそれではありません。もっとはっきり書くなら、「ジオウ」のテーマのために「カブト」を利用しているだけなのです。
自戒も込めて、そこを勘違いしてはいけない。

といった視点で見れば、これは響鬼編と同じく、自分の夢を叶える男の話です。それは王様になりたいソウゴにとって理想の未来でもある。
夢を叶えたライダー達から背中を押され、ソウゴは王様になろうと進む。

でまた、白倉さん曰く「『ディケイド』は平成ライダーを続けさせる為の番組」であり、「『ジオウ』は平成ライダーを終わらせる為の番組」であるとのことです。
その言葉を通すと、主に最近の話は歴代の平成ライダー達が叶えられずにいた夢が「ジオウ」劇中で叶えられている話なのだとも思えてきます。ジョーカーから解放された剣崎と始、響鬼になった京介、カブトになった加賀美…。

それは上述のように、原典視点で見ると蛇足でもあるのですが、完膚なきまでに平成ライダーを「終わらせる」作業になっているように見えます。

極端な話、この「ジオウ」作中で門矢士が自分の世界を発見して旅を終えてしまう可能性すらあるのです。というか、考え出すとかなりありそう…。
「ディケイド」31話(テレビ最終回)がループ展開になっているのは、「平成ライダーを終わらせない」というテーマの象徴にもなっていると思うのですが、であれば逆に、「ジオウ」で旅が終わってしまう可能性は大いにある。
むしろディケイドの旅の終わりこそ、まさしく「平成ライダーの終わり」そのものなのです。もし本当にそんな展開があったら、これ以上ないぐらい「終わり」を感じさせる出来事になるのではないでしょうか…。

ただ、それはそれで僕個人の中でディケイドに対する解釈違いが発生してしまうのですがね…。

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