2018年 02月 16日
本日放送は「ジャイアンVSメカジャイアン」「きつねにつままれた話」でした。

「ジャイアン~」は、横暴なジャイアンに対抗すべく“メカメラ”で生み出されたメカジャイアン。ジャイアンを倒せるのはジャイアンだけ!という発想のもと建造が急がれたが、その精神までもジャイアンをトレースしているメカジャイアンは人類に牙をむいたのである。そして、暴走したメカイジャイアンを止める為に本物のジャイアンをぶつけようと試みるスネ夫…。
終始、怪獣映画的なノリでバカバカしい話が繰り広げられる、とても楽しいお話。さっきまで悪役だったモノを都合よく味方に仕立て上げるみたいなトコロは、人間の傲慢さが如実に感じ取れる実に怪獣映画らしいシーンである。
ラストは互いの歌をぶつけ合わせるという、ゴジラとメカゴジラが熱線ぶつけあう例のあれっぽい戦い。その後に和解。ジャイアンとメカジャイアンのユニットが結成され、人類は終局へ向かう。
「勝った方が我々の敵になるだけです」とは「ゴジラvsビオランテ」のセリフですが、両方生き残るという最悪の展開のラストとなり、終末的な怪獣映画感があって楽しかったです。

「きつねに~」は、のび太が“具象化鏡”で色んな比喩表現・慣用句を見せつけられるお話。
時の流れ、心が暗い、狐に抓まれたような、耳が痛い、真っ赤な嘘etc...といった表現を具象化して目に見せてくれるアイテム。
この話、幼少期読んだ記憶ではちょっと重い印象とよう知らん慣用句などでピンと来ませんでしたが、今見るとそういうコトかと実感できる。やや説教臭いといえばそうなんだけど、「ドラえもん」でもたまにはこういう話を描けるんだという懐の広さも感じる。
大人になってからの方が意味が分かる、だからこそその言葉の意味が重いんだけど、最後の温かさもまた感じ取れるようになるのだと思います。正しいと思った答えがいつも違っている、そんなコトばかりだけども…。
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2018年 02月 09日
本日放送は「こびとロボット」「宇宙たんけん!?ウラヤマ星」でした。

「こびと~」は、寝ている間に仕事を代わりにこなしてくれる童話をモチーフにした便利なロボット。
昼寝世界最速記録保持者ののび太にとって、夢を見ているだけで仕事がはかどるという夢のアイテム。
人間が活動を停止すればするほどロボットが代わりに作業してくれるのだから、これこそ技術の勝利であり、あと人類は滅びるだけでイイって感じだ(ぇ)。人類が滅びた後もせっせと仕事をし続けるこびとロボットたち…。
実際あるとしたら、絶対に人間が管理・監視出来ないロボットという意味では面倒くさいだろうなぁとも思える。でもほしい。

「宇宙~」は、吐いた息を何倍にも協力にする“ロケットストロー”のお話。
手作りの風船スペースシャトルを破壊された復讐に、ロケットストローでジャイアン達を吹き飛ばすのび太。さらに、出木杉の提案でストローを用いた実物大シャトルを作ることに。
さきほどまで暴力に使われていた道具が、出木杉が加わることで平和利用される。イイも悪いも人間次第なのだなぁ。
この話の、紙で作ったシャトルが本物になるとか、飛行原理自体は子どもでも分かるようになってるとか、凄くニンテンドーラボみを感じる(向こうがドラえもん感あるのだが)。
今回見ていて、珍しく出木杉がドラえもんたちの冗談に乗っかって、子どもっぽい一面を見せている話でもあるのだなぁと感じられた。尊い。
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2018年 02月 02日
本日放送は「ロボ子が愛してる」「大ピンチ!スネ夫の答案」でした。

「ロボ子~」は、女の子に冷たくされたのび太を哀れに思い、未来のガールフレンド用ロボットを連れてくるお話。
まず序盤ののび太が女の子にちょっと褒められたことで勘違いしてしまう様があまりに辛い。原作からして辛いですが、やはり辛いです。えぐってきます。
のび太が何をしても褒めてくれるロボ子。しかし、愛が重すぎる余り、その行為は度が過ぎる。未来ではこれをレンタルしているビジネスがあるというコトなので、世の中の嗜好は実に広大なのだ。
検索するとロボ子の話は05年以来で、ロボ子モチーフのオリジナルが09年にあったとのコト。放送する度、「ヤンデレ系ヒロイン需要を取り込んで時代を先取りしたF先生」みたいな評を見かけて楽しい。

「大ピンチ!~」は、100点の答案を自慢したいが直接見せると殴られそうなので…と策を練るスネ夫と、どうしてもスネ夫の答案を見たいのび太とジャイアンの一編。FBI開発の装置を普通に売ってる未来は夢がある。
いや、この話はほんと…よく出来てるよなぁ…。自慢したいが出来ないというスネ夫の気持ち、絶対に見てやろうというのび太とジャイアン。両者の狡い考えがぶつかり合って話が進んでいくのが実に見事で、さらに両者ともに上手く行かない様が面白い。どちらの狡い考えとも「分かるわ~…」と移入出来る。
そしてラスト、ドラえもんの説教で一転して友情に目覚めての爆発オチ。悪意と悪意のぶつかり合いで話が進んできて、急にそこへ善意が放り込まれるや一番の大迷惑になるという。
人の表の感情と裏の感情が描かれている心理戦として、実に見事な一本よなぁ。ええわぁ。
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2018年 01月 26日
本日放送は「架空人物たまご」「ドラドラスパイ大作戦」でした。

「架空~」は、物語の中のキャラクターをタマゴの中から呼び出してお願いを聞いてもらうアイテム。
小人にタンスの隙間に入ってもらったり、ピーターパンや孫悟空に買い物して貰ったりと、便利に利用するママ。こうしてたまにママも道具を便利に活用するコトはあるが、実に親子らしさが滲み出ていて好い。
ジャイアンに取られたけん玉を怪盗ルパンに取り戻してもらい、しずちゃんにけん玉を見てもらうべくマイティマンをボディーガードにするのび太。ルパンはそれだけで1話出来そうなポテンシャルを秘めていると思うのですが、短いページの中でルパンらしさをしっかり描いていて感心。
原作でも「誰だよマイティマン」と思うところなんですが、「ドラえもん」ではマイティマンやスーパーダンといったネーミングで権利回避しているコトがままある。「パーマン」のバードマンも元はスーパーマンという名前だったわけで、一回そこで何かあってスーパーマンは使えないって学習したんだなというのが見て取れます。
童話や怪盗ルパンは権利切れしているけど、22世紀でもスーパーマンは生きているってコトなんだろうな…。DC映画は22世紀まで安泰だ。

「ドラドラ~」は、スパイになりきる“スパイ作戦ごっこセット”で色んな依頼を引き受けるというお話。
まずはのび太が台所からドラ焼きを盗み取り、次にドラえもんが学校から0点のテストを奪い取りに行く。
ドラえもんは「そんなの泥棒じゃないか!」と怒っているんだけど、ドラ焼きの件も普通に盗人だし、スパイと言いつつほぼ泥棒案件しかないのです。
小型メカや変装アイテムを駆使してミッションに挑む。変装用のチューインガム、「怪盗ジョーカー」ですやんと言わざるを得ない。やはり怪盗とスパイの線引きは難しい。
何とか答案用紙を回収したものの、本物のスパイに遭遇したことでママにもバレてしまうという、なかなかの強引オチ。色々咀嚼しているけど、あの唐突さがじわると言える。
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2018年 01月 19日
本日放送は「なんでもバイキング」「ジャックとベティとジャニー」でした。

「なんでも~」は、どんなコトでも“○○放題”出来る道具。バイキングの格好をして10回まで使えるとの事。
食べ放題に漫画読み放題、映画見放題、たいがいの〇○放題は出来るとの事ですが、そのコスト自体は提供する相手が支払うという事で、端的にいうとコレは“他人の金で焼肉を食べる機”です。22世紀の未来では夢が実現化している、素晴らしい。
わざわざ海賊船を背負う必要性は一切無かったように感じますが、オチの強引な持っていき方が楽しくもある。

「ジャック~」は、しずちゃんの持っていた人形ジャックが行方不明となり、それを“人形自動化音波”を使用して探索するお話。
残された少ないヒントを元に居場所を見つけ出すというミステリー的な内容。人形自動化音波のマシンは、役に立っている面もありつつ、問題を深刻化させている面の方が強かったりする。道具は使い道というべきか、人間よりも犬の方が信用できるというべきか…。
のび太が人形の気持ちを理解出来なかったり、しずちゃんやまた別の女の子が人形の表情を読み取ったりと、恣意的でもあり、視点によって意味が変化するというコトでもあり、人間性の描写でありつつ、いつものSF性でもある。
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2018年 01月 12日
本日放送は「ガンファイターのび太」でした。

類まれなる射撃の腕を持つのび太。西武時代のアメリカに生まれていれば天才ガンマンとして無双していたと夢想し、本当に西部開拓時代のアメリカへと腕試しに行ってしまう。
そこはならず者が蔓延る小さな町。目の前で本物の拳銃での打ち合いを目撃し、恐ろしさに気を失ってしまう。
始めに墓場から降り立ち最後は颯爽と(?)去っていく、西部劇映画のフォーマットが如実に踏襲されているのだなぁと改めて感じられます。
ほぼ原作に近いながら、のび太の優しさという部分がより強調された描写が増えているように感じます。原作ではならず者を撃って負傷させ、血が出たことにびっくりして気を失っていますが、今回は銃だけを撃つというより高度なテクニックを見せている。
単純に血はまずいとか、小学生にその業を背負わせるのは…というのもあるのでしょうけれど、その改変から最後の町民に対する怒りまで描写と心情がナチュラルに運ばれているなと感じます。
英雄が悪漢を倒したからって平和になるわけでも、めでたしになるわけでもない。その後も人々はあの町で生きていかねばらないのだから、町の人々にこそ変化が無ければいけないという…プリキュアでよく見るやつだなって印象で、現代的テーマを織り交ぜているのだなーと思う。
ドラえもんの言う「ゲームと現実は違う」ってのは、現実の射撃は殺し合いだってのもあるけど、英雄譚では解決しないモノがあるってコトでもあるのです。
そういう意味で、原作よりちょっと苦い結末とも言える…。

玄田哲章さんや小杉十郎太さんといったゲストも豪華な一編。
小杉さんの保安官があっさり死んじゃって、特に兼ね役で再登場もしなかったのが良かった(ぇ)。
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2017年 12月 31日
本日放送はおおみそかだよドラえもん1時間スペシャル。

「十二支変身サイコロ」は、振って出た目の干支に変身できるサイコロ。
ネコを代弁したドラえもんのネズミに対する狂気的恨み辛みが語られる中、とりあえずウサギになってしずちゃんに可愛がられようと肉欲に走るのび太。干支にしかなれないサイコロでどういう使い道があるのかという中でも、きっちり使用方法を的確に見つけ出す才能ってやつです。
馬になったり蛇になったり龍になったりと大騒ぎする中、正月恒例という神社のかけっこで干支たちの競争が始まる。
正月らしく(大晦日だが)干支の起源のお話を分かり易く語るという感じなのかな。

「ゆめのチャンネル」は、人が見ている夢を見られるユメテレビのお話。
ジャイアンやスネ夫、しずちゃんが見ている夢を楽しく見ようと思ったのに、どの夢でも格好悪い役回りを任されているのび太は怒りの余りユメテレビを壊してしまい、夢の中から怪獣や魔物や怖い先生が溢れてきてしまう。
ユメテレビが壊れて怪獣がこちらの世界で暴れるくだり、原作よりも怪獣映画的に膨らまされていて、「これがやりたかったのかな」という演出さんの想いを感じる。
手塚先生が禁じたとされる夢オチですが、こういうモチーフの話においては機能的に作用するなぁ。

「台風のフー子」、こちらは新作ではなく再放送。それにしても正月も大みそかも関係ないチョイスです。
何年前なのか把握してないんですけど、やや泣きへの演出過剰な印象で、「あぁ、そういえばそういう時期あったなぁ…」とちょっと懐かしい。

終わってみると、ほぼ正月用のラインナップなおおみそかスペシャルであった。
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2017年 12月 01日
本日放送は「クリスマスはおかしの家で」「やりすぎ!のぞみ実現機」でした。

「クリスマス~」は骨川家で行われるクリパの中で、お菓子の家を作ることになったのび太達が、お菓子の家でパニックに陥るお話。
“おかしの家建築機”(ニッチ需要マシン)を用い、スモールライトで小さくなって疑似実物大お菓子の家の制作に取り掛かる一同。部無事に完成したものの、家の中に閉じ込められてしまい、暖房で室温はみるみる上がり、溶けだしたお菓子の家に潰されてしまいそうになる。
お菓子の家という誰もが一度は憧れる理想を描いてくれるお話。進行の方は、家はつつがなく完成するし、脱出作戦も割と予定通りにで、だいたいすんなり行く話という印象かしら。チルチルかネズミに家が襲われるぐらいの覚悟はしておきましたが、動物がお菓子を食べるのは教育上宜しくなかったかな(ぇ)。

「やりすぎ~」は、願いを叶えてくれるがそのやり方がとにかく雑という“のぞみ実現機”の一編。
ジャイアンを酷い目に合わせたいと願えば交通事故に遭いそうになり、家族で札幌ラーメンを食べたいと願えば家族で転勤させられそうになり、学校のテストを受けたくないと言えば巨大隕石を学校にぶつけようとする。“ねがい星”という道具もありますが、そうそう丁度良い望みは叶わない。
おそらく確率を操作する系の道具なのでしょうけれど、あくまで確率なのでマシン自体も具体的に何が起きるのかまでは分かってないというコトなのかなと思います。よぅ売ってるな。そして、よぅ買ったな。
確率を操作出来るという事はおよそ何でも可能であるという話はSF短編の方でより明確に描かれていたりする。
「ぼくは神様」という話では、宇宙の確立を自由に操れることになった主人公が尊大になって後悔する姿が出てくる。
人間の自由意思の大切さが浮き掘られる。
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2017年 11月 17日
本日放送は「ハツメイカーで大発明」「大砲でないしょのはなし」でした。

「ハツメイカー~」は、自分で新たな秘密道具を工作して制作する道具。
ドラえもんと喧嘩し、ドラミから与えられたハツメイカーで諸問題を解決しようするのび太が、次々に色んな新アイテムを作り上げる。
工作好きだった幼い頃に読んで、自分で秘密道具が作れてしまうという部分に興奮した記憶のあるお話。これ、普段は不器用なのび太が普通に失敗もなく作れてしまうというのが凄いというか、それだけ作り方が簡単なのか、その部分は話の中で重要じゃないから無視してるのか、やや気にかかる。この話におけるのび太はキテレツと同格ですからね。どうしちゃったのよ。
ドラえもんに謝罪し、助けを借りる事で騒動は収束。必要なのは道具ではなく、ドラえもんという信頼の置ける友人なのだという決着。
「キテレツ大百科」に似た話でもある分、「キテレツ」と「ドラえもん」は似ているようだけどココが違うんだと言っているようにも見える。コロ助は…まぁ頼りにはならんしな。

「大砲で~」は、遠く離れた人に声と文字でメッセージを送れる“メッセージ大砲”の一編。
声と文字は漫画においては同義語みたいなモンなので、要するにフキダシをぶつける事が出来る道具。
しかし、今の時代に見るとどうしても「携帯電話は…?」となってしまうので罪深い。原作に無かったそのようなアイテムに関しては一切言及しないで乗り切ってるのが潔いです。下手に「携帯の電波が通じない山奥に居て~」とか付け加えません。メッセージ大砲の便利さだけを見ろ、どうだ!とな。まぁ原作を読んだ当時から、しずちゃんには電話で事足りるでしょと思ってはいたけれど。
漫画の文法を利用したメタ的な道具でもあるんだけど、便利さという面においてはこの道具よりも現代が追い抜いているのであるから、進化の歴史を感じずにはおれない。
現代の小学生が携帯スマホを持っているのかどうかは何ともですが。
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2017年 11月 10日
本日放送は「葉っぱ探偵のび太」「二十一世紀のおとのさま」でした。

「葉っぱ~」は、近所で起きた謎の破壊、食い逃げ、暴行事件の犯人を突き止めようとするのび太が、調べるほどに犯人はドラえもんではないかと疑念を深めるお話。
葉っぱを付けるだけでその植物の視点を見ることが出来るという“グラスハッパーセット”。
植物にも視覚があるのではという新説に基づくアイテムで、これを利用して真犯人を見つけ出さんとする。
この新説は初耳だったので、へぇーと勉強になったのですが、お話の方は探偵とは銘打ちつつ、ずっと犯人が来るかどうかも分からぬまま観察しているだけだったので、かなり行き当たりばったり。新説をアイテム化するというアイディア部分が先行して、犯人捜しのツールとして機能しきれていないのが気にかかるかな。犯人捜しありきの流れだと、ややご都合さが強いので。
ドラえもんにおける探偵モノは、かなりの割合で探偵が犯人だったというオチが多いのでドラえもんにどんどん疑いが深くなっていく展開は、それを利用したカウンターなのかなとも思えました。

「二十一世紀~」は、暴虐非道な振舞を見せる江戸時代のお殿様が、現代の日本へとやって来る一編。
当たり前だけど原作は「二十世紀」。現代へとやって来た殿様は、殿様は偉いのだと現代人に威張り散らすもさっぱり相手にされない。昔の常識は今の非常識。ただのギャグでもあり、F先生お馴染みの価値観の差異がしっかり描かれる。
武士社会が崩壊し、権威が役に立たなくなってしまった恐ろしい世界。水戸黄門や暴れん坊将軍の逆ザヤのようでもある。まぁ、ああれはあれで権威を利用する悪役が毎回の敵ですが。
このお話、殿様が現代へとやって来るも、それに対してドラえもんとのび太はノータッチで、殿様が勝手に心を入れ替えるという話になっている。能動的に「お殿様の考えを変えなければ!」と主人公側がアクションを起こすのではなく、人の優しさに触れて殿様が自ら理解する。優しい話。
それこそ人の意識を改変するヤベー道具ならドラえもんは幾つも持っていますが、人の心を変えられるのはモノではなく人だけなのだというヒューマニズムを信じる話になっている。
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