2018/01/11
『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイド with レジェンドライダー』
平成時代が間もなく終わりを告げる、平成ライダーも終わってしまうという事で、「平成ジェネレーションズFINAL」と銘打って平成ライダーが集結。結果的には来年の年末の方がFINALっぽい気がしますが、そこはそれ。
今回の敵さんは、ビルドの世界とエグゼイド他がいる平成2期世界とを繋げて、永遠の命を手に入れようとする最上魁星さん。
つまりビルド世界は平成2期のルールには従わず、世界が繋がっていなかったというのです。通りで設定が久しぶりにスケール感大きいはずです。
本来ならディケイドが再構築した後(平成2期)のライダー世界は全てが繋がっているはずなのですが、10年前に壁が出来たというビルド世界なので、10年前に他ライダー世界からも隔絶されてしまい、そのためディケイドの干渉も受けなかったと解釈することが出来るので問題ないとします(メタ好きおじさんの見解)。
つまり「ビルド」は平成1期と同格の世界観を有しているのだと。はやくディケイドに来てもらって完全に繋げなきゃ…。
二つの世界を融合させて永遠の命を得ようとする。
割と何でも「ディケイドじゃん」と考えてしまう癖が付いているのですが、今回も御多分に漏れず、そう思いました。
「ディケイド」も、融合して永遠の命を作り上げるのか、個々のまま繋がり合って永く生きていくのか、その対決を描いていましたからね。
なので今回の映画、素直にそのままの物語を楽しむことも出来るし、同時にメタ的に見る事も可能になっていてありがたい。
最上魁星の行う計画の影響で、ドクターライダー達は変身出来なくなってしまう。
ライダーとしての能力を失ってしまいます。
この辺はまさに「番組が放送終了したコトでエグゼイドのライダーは消えてしまった」を表しているし、その後の展開においても「新作(ビルド)と協力することで再び過去シリーズ(エグゼイド)も復活出来る」を如実に体現した話になっていて、意図的か否かまでは分かりませんが、とてもメタ的な読み解き方が出来て興奮。
ふたつを融合して一つにすることで永遠の命を得ようとする最上と、それぞれが別々にありつつも協力し合うという仮面ライダーたち。
ライダーに永遠の命こそないけれど、もっと言うと1年間しか与えられない命ではあるんだけど、次のシリーズへバトンを渡し、新作の中でひょっこり顔を出したりもする。そんな命の繋ぎ方もあるのだ。
物語は各仮面ライダーと出会い、話をし、その行動を見る事で、仮面ライダーになったばかりの万丈龍我が「仮面ライダー」を知り、遂に自ら「仮面ライダークローズ」と名乗るまでを描く事が主軸になっている。
メタ的に「平成ライダーシリーズ」を描いていることも鑑みれば、「仮面ライダー」そのものがテーマになっている映画といって良い。
レジェンドライダーの扱いも例年以上に気を配っている印象で、天ノ川学園に宇宙エネルギーが集まるなんて設定は完全に忘れていたから驚きですらありました。よぅ拾ったなぁと。
あんまり、元作品見てないと分からない描写は好ましくは無いと思っているタチなのですが、そのギリギリを詰めたバランスで作られていたなと感じます。
内容を決める前にタイトルが決まっていたそうですが、平成ライダーとしての「FINAL」をちゃんと飾ろうという内容とテーマで、それでいて、しっかり「ビルド」のテーマを描くお話となっている。スクラップ&ビルド。
平成ライダーの破壊者と構築者のテーマが通じるというのは、また奇妙なモノである。
⇒仮面ライダー 各話レビュー